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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2013年 05月 25日

憲法便り#20 ご存知ですか?シリーズ(第4回) 「婦人の解放(社会参加)を唱えたマッカーサー」

いま、安倍首相は得意げに
「成長戦略の中核は女性の活躍」
「待機児解消」
と、何の具体的な保証もないのに、さも女性の味方であるような、無責任な発言を繰返しています。

でも、戦後の歴史を見れば、戦前から女性解放運動を続けていた方々を別として、最初に「婦人の解放(社会参加)」を日本政府に要望する形で公言したのは、マッカーサーです。

それは、昭和20年10月11日午後5時に、幣原首相が新任挨拶のためマッカーサーを訪れた時のことです。
この会談の冒頭で、マッカーサーは幣原首相に対して、「ポツダム宣言」の達成にあたっては「憲法の自由主義化」を前提とすること、そして、改革五項目の速やかな実行の期待を伝えます。
その五項目は、以下の通りです。

婦人解放(社会参加)、
労組結成奨励、
学校教育自由化、
秘密審問撤廃、
経済機構民主化。

最初に婦人解放と書きましたが、これは私が順位をつけたのではなく、幣原とマッカーサーとの会談記録に書いてある通りの順番です。

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この話を始めるに際に、マッカーサーは、
「決して無理なことを期待しているのではない。もしも、無理または実行不可能と考えられることは、忌憚なく指摘するように」と付言しています。

これに対して、幣原首相は憲法には言及せずに、
「閣僚と相談の必要はありますが、五項目を通して実行が全く不可能なことはなく安心しました。第一の婦人参政権の件は、その実施については、閣議において内定しています」と応えています。

これを聞いたマッカーサーは、「素晴らしい。是非とも、そのように実行してほしい」と伝えています。

安倍首相の口先だけの薄ペッらな演説よりも、マッカーサーの五項目の要望の方が、社会的視点が民主的・進歩的です。

明日は、ご存知ですか?シリーズ(第5回)「婦人参政権はベアテの贈り物ではありません」

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by kenpou-dayori | 2013-05-25 07:00 | ご存知ですか?シリーズ


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