2013年 08月 06日

憲法便り#172 ナチスの手口(2)「人身の自由」の剥奪

2013年8月6日

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昨日に続き、今日から7回連続で、ナチスの具体的な手口について述べます。
ナチス政権は、1933年2月27日夜に起された国会議事堂放火事件(炎上事件とも呼ばれる)の翌朝、即ち1933年2月28日朝、「民族および国家の保護のためのライヒ大統領令」を発布し、大統領は事実上の戒厳令を布きました。

この大統領令は、冒頭で次のように述べています。
「ライヒ憲法〔=ヴァイマル憲法〕第48条第2項に基づき、共産主義的な、国家公安を害する暴力行為を防止するため、以下のことを命令する。」

大統領令は、これに続けて、ワイマール憲法第48条第2項に掲げられた7つの条文を具体的にあげ、すべての基本権を停止しています。

今回は、114条〔人身の自由〕についてです。ナチスは、この条文を停止しました。

第114条〔人身の自由〕
 人身の自由は、これを侵してはならない。公権力による人身の自由の侵害または剥奪は、法律の根拠に基づいてのみ許される。
 自由を剥奪される者は、遅くともその翌日に、いかなる官庁によりいかなる理由で自由が剥奪されたのかを知らされるものとし、これらの者に対しては、遅滞なく、その自由剥に対して異議を申し立てる機会を与えなければならない。

文中の、ライヒは「国」を意味します。
ヴァイマルは、一般的には「ワイマール」と表記されています。

この内容と問題点を正確に伝えるために、次の文献を引用しました。
高田敏(たかだ・びん)・初宿正典(しやけ・まさのり)編訳
『ドイツ憲法集〔第3版〕』〈講義案シリーズ17〉(2001年、信山社)

なお、国会議事堂放火事件を利用したナチスの手口の全体像、ワイマール憲法の各条文の内容等についての詳細は、8月3日付の憲法便り号外(7)をご覧ください。


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by kenpou-dayori | 2013-08-06 08:00 | ナチス


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