2013年 08月 08日

憲法便り#178 ナチスの手口(4)「信書・郵便・電信・電話の秘密」への干渉

2013年8月8日

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ナチス政権は、1933年2月27日夜に起された国会議事堂放火事件(炎上事件とも呼ばれる)の翌朝、即ち1933年2月28日朝、「民族および国家の保護のためのライヒ大統領令」を発布し、大統領は事実上の戒厳令を布きました。

この大統領令は、冒頭で次のように述べています。
「ライヒ憲法〔=ヴァイマル憲法〕第48条第2項に基づき、共産主義的な、国家公安を害する暴力行為を防止するため、以下のことを命令する。」

大統領令は、これに続けて、ワイマール憲法第48条第2項に掲げられた7つの条文を具体的にあげ、すべての基本権を停止しています。

今回は、117条〔信書の秘密〕についてです。
ナチスは、この条文を停止し、「信書・郵便・電信・電話の秘密」に干渉しました。

第117条〔信書の秘密〕
 信書の秘密ならびに郵便、電信および電話の秘密は、これを侵してはならない。これに対する例外は、ライヒ法律によってのみ、許容することができる。

文中の、ライヒは「国」を意味します。
ヴァイマルは、一般的には「ワイマール」と表記されています。

この内容と問題点を正確に伝えるために、次の文献を引用しました。
高田敏(たかだ・びん)・初宿正典(しやけ・まさのり)編訳
『ドイツ憲法集〔第3版〕』〈講義案シリーズ17〉(2001年、信山社)

なお、国会議事堂放火事件を利用したナチスの手口の全体像、ワイマール憲法の各条文の内容等についての詳細は、8月3日付の憲法便り号外(7)をご覧ください。


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by kenpou-dayori | 2013-08-08 08:00 | ナチス


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