8月8日
この本は、今から35年ほど前に、慶応義塾大学近くの清水書店で購入したものである。
昭和16年当時、この本が日本でどのように評価され、どのような意図で出版されたのかを、三回にわたって、紹介しておきたいと思う。
訳者の室伏高信(むろぶせ・こうしん)は、思想的には大きな振幅があり、二転三転しているが、敗戦後は、「憲法研究会」に参加し、同会の『憲法草案要綱』の七人の起草者のひとりとして名を連ねた人物である。
『憲法便り#628』で、本書の末尾に付されている「戦時体制版の宣言」を紹介したので、順序が前後したが、今回は、訳者の「あとがき」と奥付を紹介する。
「あとがき」では、原著の全訳ではないこと、その他について、説明が行われている。
また、私が所蔵している本書の奥付には、驚くほど早いペースでの発行部数が記されているので、紹介しておく。
昭和十五年六月十五日 初刷二万五千部
昭和十五年六月二十七日 第二刷二万部
昭和十五年七月一日 第三刷七千部
昭和十五年六月十五日 第四刷二万五千部
昭和十五年六月十五日 第五刷二万二千部
昭和十五年六月十五日 第六刷二万部
三六七頁、定価七十八銭。
なお、その後の発行部数については、未確認である。
※平和憲法を守る闘いに寄与するため、5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―
(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
ご注文は、下記の書店へ
美和書店 電 話03-3402-4146
FAX 03-3402-4147