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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2016年 06月 14日

憲法便り#693 歴史クイズ第七問「中国に宣戦布告したのはいつでしょうか?」の答

『憲法便り#675』での出題は、次の五問でした。
第七問 中国に対する宣戦布告はいつでしょうか?
    ①満州事変 ②盧溝橋事件 ③12月8日 ④宣戦していない 
⑤宣戦していないが12月8日ということにする
そして、
『憲法便り#682』では、ツイッタ―の文字数の制限から、次の四項に変更しました。
第七問:中国への宣戦は①満州事変②盧溝橋事件③12月8日④宣戦していない

しかしながら、このいずれも、出題の時点で単純化し過ぎてしまいましたので、誤解を招く恐れがありますので、お詫びしてより正確にしておきます。

正解は、
『憲法便り#688』掲載の「第一問と第二問の正解」に添付した、昭和十六年十一月十三日付の連絡会議決定に含まれている次の部分です。
「4.重慶ニ對スル交戰權ノ發動ハ特ニ宣言等ノ形式ヲ以テスルコトナク對米英開戰ヲ以事實上其實效ヲ收ムルモノトス」

要するに、「中国に対しては、形式的には一度も宣戦布告をせず、米英に対して宣戦布告をした時点を以って、事実上、宣戦したことにする」という、勝手な解釈です。
昭和十六年十一月十三日の時点では、対米英開戦の日時は決定していませんでしたが、12月8日に開戦していますので、大本営政府連絡会議の決定によれば、自動的に中国に宣戦したことになります。
日中両国人民に大きな犠牲を強いた、大規模で、長期に亘る戦争が、宣戦布告もなしに行なわれていたことに、驚きと憤りを感じます。

※平和憲法を守る闘いに寄与するため、2014年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―
(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)

「アベノミクス」のみを前面に打ち出していた今回の衆院選で国民の信任を得たとして、安倍首相は、早くも憲法改悪を「自民党結党以来の目標」「歴史的チャレンジ」として強調し始めました。
彼らの論拠は、「押し付け憲法」論です。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』は、実証的反論です。
是非とも本書を活用していただきたい。
ご注文は、下記の書店へ
美和書店 電 話03-3402-4146
FAX 03-3402-4147

by kenpou-dayori | 2016-06-14 11:13 | 歴史クイズ


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