2015年 04月 02日

日本国憲法施行日の社説No.21:『富山新聞』昭和22年5月3日社説「新憲法実施を祝福す」【拡散希望】

2015年3月30日(憲法千話)

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2016年1月6日(水)【安倍内閣による改憲を阻止するため拡散を希望します】


昭和22年5月3日付『富山新聞』一面トップの社説「新憲法実施を祝福す」
一面トップに、それも論題以外に、「主権在民・人権尊重・平和文化国家」と、大きな見出しを掲げ、横一段に組まれた社説はとても珍しい。
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(旧字体の漢字を改めた)
昭和22年5月3日付『富山新聞』一面トップ、社説「新憲法実施を祝福す」

きょう一九四七年五月三日を期し、その範囲においてあらゆるものを包含し、その形式においても最も民主的な成文憲法が施行される。そしてこの日、かのリンカーンの有名なゲティス・バークの宣言すなわち「人民の人民のための人民による政治」がわが日本においても最初の実験に入るのである。まさに日本有史以来最高最大の民主革命として永久に記念さるべき日であろう。われら日本国民はこの祝福された大いなる朝改めて敗戦日本の直面するきびしき現実の姿を正視し、横たわる日本再建の苦難の道を決然新憲法の崇高深遠なる理想に向い挙国勇往直進するの決意を新たにせねばならぬ。
 きのうまではすべての権威と権力は天皇に由来した。然るに新憲法においては究極の権威、すなわちあらゆる政治的権力の源泉は国民であり、いわゆる主権在民である。主権とは政府をつくり、改革し、変更を加え、政治に関する法規をつくり、その下で統治する人人を任命する絶対権をも包含する。その絶対権をいわゆる四月選挙を通じてわれらは行使し、ここに議会は成立した。かくて新しき憲法を実施するために必要な最後の準備的段階はすでに完成したのである。国民より信託された国会は新憲法に基づく種々
の立法をさらに起草し、信任された政府はこれを実施して、新憲法をして真に国民の
日常憲章たらしむ責任を負うが、国民またこの新憲法を真に自己の生活の中に生か
すための責任を果たすことに努力せねばならぬ。
 新憲法は完全なる三権分立の基礎に立ち、まず基本的人権が永遠にして破るべからざ
る権利として国民に与えうるべきことを厳かに宣言している。戦争の放棄、軍隊の廃止はスイスのそれよりも進歩的であり、天皇の地位も国家国民団結の象徴として著しい変化を遂げた。独裁政治を排する非常大権の規定と憲法改正権と一般批准の規定もドイツ共和国憲法やフランス憲法にまさる政治的意義がある。その他地方自治制の確立、
官吏制度、警察制度の改革、司法権の完全独立、人権尊重による家族制度の改正、団体契約を保障し、労働者の生活を保障すべき労働水準の確立など、新憲法は「世界におけるもっとも自由にしてかつ進歩的な国家憲章に比肩すべきものであり、人類の偉大な精神的革新の一つを反映する」ものである。
われらはかかる進歩せる理想高き新憲法をもつに至ったことを民族の幸福と思い、そして誇りと考える。しかし新憲法はあくまで日本国民が真に民主化し、民主化された政権によって統治される国民たらんとする一つの道標にすぎない。要するにその理想は民主化された政治国家、経済国家、社会国家、文化国家建設、換言すれば日本再建の最終の大目標に外ならぬのである。すなわちわれらにはこれを実際のあらゆる面に具現化すべき大事業が残されている。しかもこの事業たるや蓋(?)し容易な業ではない。恐らくこれをわれら自身の生活の中に融和して国民の一人一人のものとするまでにはなお幾多の苦難の道を歩み、全身全霊の大勇猛心と大努力が要請されることを銘記し、きょうの記念すべき日を期して日本再建の新しきスタートとしなければならぬ。
(典拠は、富山県立図書館所蔵マイクロ資料より)

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―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―
(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)

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by kenpou-dayori | 2015-04-02 06:15 | 日本国憲法施行日の社説


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