2015年 04月 04日

日本国憲法施行日の社説No.23:『福井新聞』5月3日社説「新憲法の実施」【拡散希望】

2015年4月4日(憲法千話)

*50紙の社説一覧リストへ戻るのは、こちらをクリックして下さい

2016年1月6日(水)【安倍内閣による改憲を阻止するため拡散を希望します】

昭和22年5月3日付『福井新聞』一面
一面トップの見出しを、「民主日本の誕生日」としている。そして、下段の祝賀広告では、
「新憲法愈よ実施 固めよ民主日本 崩すな平和日本」の大きな見出し。当時の息吹が伝わって来る。
c0295254_20474562.jpgc0295254_21573426.jpg

(紙面の状態が不鮮明なため、判読不能な個所は□とした。旧字体の漢字は、改めた。なお、(、)(。)の形で句読点を補った)

昭和22年5月3日付の社説「新憲法の実施」
 近代諸国の憲法の粋を集め、しかもわが国情にぴったり融和しているといわれる新憲法は、いよいよ今三日から意義深く実施される。この□□の□めて高い新憲法が将来において、その□□と□□□如何に発展してわが国の文化的建設に影響を与えるであろうかということについては、今後国民が如何新憲法の精神を体得、実践するかということに存するであろう。
 新憲法の□□は、わが国に一大変革が□えられることは何人も否定し得ないところであろうが、これによって国民生活に目に見えてはっきり区限りをつけて変革が起るわけではない。だが生活と密接な関係にある政治が今までの悪性から善政に向って変ろうとしていることは間違いないところである。ところがそれは決して容易なことでなく(、)そしてそれが単なる文字や言葉の上だけであってはならない。しかしそれがその目的とする実効をあげるか否かは、これを実際運用する人と、これを守る国民の心構え如何にあるといわねばなるまい。それには国民一人一人が旧殻を破って新たなる時代を生み出そうという熱情と責任観念が必要である。この熱情と責任観念こそ、いわれなき服従、いわれなき社会階級を解消し、究極の目的とする人間解放という理想を実現するものであるといえよう。
 憲法は政治の根本法であり、政治は常に発展変化する人間生活のあり方を規定したものである。

従って政治も発展変化に即応するよう変って行くわけであり、憲法も時代に□応するよう改められることのあるのは当然であろう。新憲法は過去の国民生活に対して本質的に幾多の補正を加えている。その内容は条文に盛られているが、一言でいえば人間そのものに対する認識ということに帰着しよう。政治力の根源は国民にあり、新憲法の目途とする民主政治の徹底、国民の自由権の保障、さらに進んでは世界平和の主張というところまで発展して来たわけである。
 新憲法は戦争を放棄したが、果してこれで今後国家が栄えて行けるであろうかという疑問が起って来る。戦争の放棄は実に美しい企てであり、有史以来未曾有のことといわれ、これはわれわれの誇りとし喜びとするところであるが、これで本当に国家が栄えてゆけるかということである。しかしここで考えねばならぬことは、武力でもって天下をとった事績はあるが、武力をもって国家を安全に発展させることは稀であるという点である(。)武力は弱者に弾圧を加えることは出来ても、結局は武力で国を大成した歴史はないようである。われわれが正義を愛し、正義を実現する熱情をもって胸襟を開いて国際的な接触をすれば(、)たとい一時の損失はあっても、永遠の繁栄の因となろう。
 新憲法に基く国権の最高機関である議会を構成する組織分子の選挙も、地方自治体の首長および議会構成員の選挙も終り、基本的人権も新憲法によって保障されることになった。敗戦日本の平和国家への本格的立直りも(、)今日から新しい一歩を踏み出すわけである。連合国に対する賠償の取立ても近い将来開始されるようであるが、これに続く講和条約も速かに締結される日の来ることを切望するものであり、これにはポツダム宣言に対し完全履行がその前提となっている。われわれは講和会議開催の促進のために新憲法およびこれに基く法規を遵守して民主国家への再建に、前途に輝かしい希望をもって力強い前進をはじめよう。

(典拠は、福井県立図書館所蔵マイクロ資料から複写された、福井県文書館資料による)
*研究メモ
:国立国会図書館に、私が必要とする昭和20年敗戦後から昭和22年末までが所蔵されていなかったので、2011年5月10日の富山県立図書館での調査の翌日、福井県立図書館および福井県文書館を訪れた。3・11のちょうど2ヶ月後の5月11日のことであった。県立図書館への行き方を駅員に訊いても、誰も知らなかった。土砂降りの中を暫くの間、ウロウロすることになったが、県立図書館への直行バスの停留所を、駅から離れた所で見つけたが、運行間隔は30分に一本で、直前のバスは出たばかり。結局は、時間を節約するために、タクシーを飛ばした。以前は、駅から近いところにあったそうだが、新図書館は、よく言えば田園風景の中、率直に言えば、不便な畑の真ん中にあった。
早朝なので、他に利用者は一人しかいなかったのだが、マイクロフィルムが出てくるまで40分近くかかった。ようやくマイクロフィルムが出てきて、マイクロリーダーに向かって読み始めようとしたが、りーダーの具合が悪く、作業が出来ない。滞在時間は限られているので、途方に暮れかけたが、同じ建物内に県文書館があるとのこと。そちらに移動して、館員の方に尋ねると、マイクロ資料からの複写版があると答えてくれた。いささか大げさな表現かもしれないが、「地獄に仏」という感じで、対応して下さった女性館員がとても美しく見えた。「お陰で、調査は、かなりのスピードで進み、京都行きの特急に間に合う「福井駅・県立図書館の専用往復バスにも乗れた。慌ただしい、生まれて初めての福井訪問だったが、出来れば次はもっとゆっくりと「福井の旅」をしてみたいと思っている。

※平和憲法を守る闘いに寄与するため、上記の研究を含めて昨年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―
(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)

闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。

ご注文は、下記の書店へ
美和書店 電 話03-3402-4146
FAX 03-3402-4147
[PR]

by kenpou-dayori | 2015-04-04 06:20 | 日本国憲法施行日の社説


<< 憲法便り#721:行雲の時事川...      憲法便り#720:行雲の時事川... >>