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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2015年 04月 28日

憲法便り#902:『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷ではNo.2: 北海道篇』(5月6日増補版)

2015年4月29日(水)(憲法千話)
2015年5月6日(水)書評を増補
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『憲法便り#902:『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷ではNo.2: 北海道篇』

【北海道新聞(札幌版)】公布記念(十一月四日付三面より)

「菊花と共に薫る 全道に繰展ぐ慶祝絵巻」
[札幌]
新憲法公布のきのう三日は朝から日本晴れ。小春日和の日射しを受けて菊花薫るこの日、札幌市は各官署をはじめ会社、学校など午前十時を期して一斉に記念式典を挙行、意義ある公布を祝った。街には花電車が終日運転され、ドッとばかりに地方から押し寄せた人々で、朝から十字街、狸小路などは人の波……綺麗にいろどられた商店街には『憲法公布記念うどん、そば』としゃれこむ飲食店もあり大繁盛で、祝いのアーチに紅白の幔幕を張り巡らした映画館もすし詰めの超満員。狸小路の市章(?)市場では『平和日本再建』のアーチに紙の万国旗、ゴム風船、紙テープが店々を飾り、『記念福引き大売出し』―十円以上の買い物をしたお客に幸運の籤引き一本、だが立派な鏡台が当るなど、くじ引く人が長蛇の列。着飾った娘さん、若夫婦、母親に手を引かれた可愛いい坊やも、みんな大きな希望に輝いて、明るく日本の巨歩を踏んだ。
[小樽]
新生の朝明けを迎えた港都小樽は、佳き日を寿(ことほ)ぐ日の丸と幔幕(まんまく)で彩られ、国際信号旗はためく在港船の満艦飾とともに秋空に映え、十一時新憲法公布を告ぐる二段雷花火を合図に市内のサイレン、汽笛は一斉に平和日本建設への進発を高らかに吹鳴した。かくて午後一時からは花園グランドに祝賀市民大会が開催された。各学校生徒、官公署、工場、諸団体を始め一般市民など約五千人が会場を埋め尽くし、稲垣市民課長の開会の辞に続いて国歌斉唱、市長式辞を岸助役が代理朗読、続いて市民代表岩谷静衛(?)氏が力強い宣誓をなし、新谷専太郎氏の発声で全員高らかに万歳を三唱、この歴史的式典の幕を閉じたが、引続き市内行進に移り、群衆の波は日通のブラスバンドを先頭に日の丸の旗を打ち振り街から街へと流れ出て、全市は奉祝の一色に塗りつぶされた。
[旭川]
秋晴れに恵まれた旭川市の記念行事は、五段雷の花火を合図に午前十時から市内十二国民学校一万二千余人の学童により旗行進が、平和を表徴した歌声に和して展開された。市の記念式典は午前十一時から市民集会所に町内会、官公署各代表たち約五百人参集の下に挙行、足立旭川市長の乾盃、堺商工会議所会頭の発声で万歳を唱和した。なお再建日本の意気に燃ゆる若者たちによって各種の記念スポーツ競技が繰り展げられた。
[岩見沢]
三日、岩見沢では午前十一時より市役所楼上で市会議員、各公職者、市吏員など約百五十名が参集、憲法公布記念式典及び祝賀会を挙行、終って祝賀会を催した。なおこの日、岩見沢神社でも多数の氏子が列席し、午前十時から記念祭を挙行した。
[函館]
「臥牛山に轟く歓声」戸毎に国旗を掲げて平和に輝く朝を喜びをもって迎えたこの日の函館市では、午前八時花火を合図に市内全町会、中等学校、国民学校、その他会社、団体ではそれぞれ旗行列を組んで市民球場に乗り込み、午前十時から十八万市民の記念式典を挙行、感激の歓声を紅彩の臥牛山にとどろかした。引続き市内各所で祝賀会、演芸会、講演会その他文化行事や、野球その他体育大会が催され、意義あるこの日を祝った。また、道南各地でも町村主催で記念式をはじめ多彩な行事が繰りひろげられ、意義深い記念日を祝う喜びの声は、函館の地に満ち溢れた。
[室蘭]
「漂う“平和の瑞気”」昨日までの寒空もからりと晴れた新憲法公布の三日、市内九ヶ所で開かれた室蘭市主催の記念式典を始め各学校、官公署、会社、工場ではそれぞれ式を挙げたが、国民学校では式後一斉に校歌で旗行列を行い、久方振りに平和の瑞気が街から街へと漂い、戸毎にはためく日の丸の旗や、今日ばかりは闘争ビラを追放して『祝新憲法発布』の美麗のビラやポスターが各労働組合の名で街の隅々まで貼り出されているほか、記念祝賀会を始め、時間励行運動、日鋼の製品展示など新生日本への新しい出発の日は、厳粛のうちにも多彩な行事に彩られた。
[夕張]
「明るい炭都の慶祝」夕張市は新生日本の前途に相応しく小春日和の快晴。午前十時、平和以北のから各公区から市民、中等学校生徒及び国民学校生徒が参加、途中新憲法歌を高唱しながら旗行列をして中央会場昭和グランドに集合し、記念式典を挙行した。この日各戸では国旗を掲揚、また市内各所にはアーチが立てられ、各商店では装飾と復興への売り出しをすれば、各公区では芸能大会をはじめ、炭鉱では新夕張会館で炭鉱人の芸能大会を、美術団体、文化団体は美術展覧会、趣味品展覧会その他多彩な記念祝賀行事を催し、夜はさらに各公区毎に常会、祝賀会を開き、炭都夕張は明るい慶祝の歓びと輝く新生日本再建への逞しい意欲とが漲っていた。
[釧路]
この日釧路市は数日来の風も止み片雲も留めぬ快晴、遠く阿寒の双岳が平和日本を象徴してか殊のほか優雅な姿を見せ、河口に繋留された大小の漁船は満艦飾を施して慶祝した。市では午後一時から日進国民学校校庭で祝賀記念式を挙行、学童代表の可憐な祝辞などあり、引続き式場から各団体、生徒、児童の旗行列、仮装行列が市中を行進、駅前で解散した。
[帯広]
帯広市はなごやかな秋晴れに恵まれて、久方ぶりに戸毎に仰ぐ日章旗も民主日本への発足を祝福するかのようだ。この日市主催の祝賀式は午前十時から十勝会館で官民有志約三百余名が集まりその歓びを共にしたが、市内各学校でもそれぞれ記念式や喜びの学芸会、あるいは展覧会が催された。
[北見]
北見市では全市を挙げてこの日を祝福した。まず市では午前十時から中央国民学校で市民参集のもとに盛大な式典を挙行、参列者全員に新憲法全文印刷物を配布したが、引続き午前十一時半から祝賀会を開催、永井、飯田両代議士の記念講演が行われ、また午後六時から商工会議所楼上で記念式を挙行、終って市会議員の市政報告演説会を開催し、この日を意義あらしめた。市内男女中等学校、国民学校では営林区、北部地方森林組合から無償交付を受けて樺松苗六万本を若松国民学校付近国有地約三十五町歩に記念植林を行い、また市役所を中心とする隣組六官署では午後二時から中央校グランドで紅白野球試合を開催するなど、多彩な行事に新しい日本の門出を祝った。

[新憲法公布を飾る北海道新聞社の二大記念事業](十一月三日付一面より)
紙面で報道された二大記念事業の主旨は次の通り。
「過去一年にわたる世界環視の中に日本国民が心魂を傾けて創案した新日本国憲法は、きょう十一月三日、国民の由緒深き日を期して公布される。新憲法は外に向かって国際信義と公正とを高くかかげ、また戦争放棄の画時代的な条項を特記して、世界の平和に実質的な先駆者となるべきを明らかにするとともに、内には人類普遍の原理に基く民主政治の根本、自由および平等の基本人権を確認して国民個々の安全と生存を擁護し、真の文明社会を実現しようとしている。われわれは、今後この憲法の条章のもとに永き隷属と偏狭を排除しつつ、進んで文化創造の担い手となり、崇高な使命の達成に邁進しなければならぬのであるが、本社は新生日本の歴史的な門出にあたり、次の如き二大記念事業を計画、もってこの日を全道民とともに祝福し、併せて、優れた郷土の建設に挺身したいと希っている。各位の協力を乞う次第である。」
〔一、北海道新聞文化賞設定〕イ、科学技術賞 ロ、産業経済賞 ハ、社会文化賞
〔二、北海道新風土記原稿募集〕(詳細は略)

「新憲法公布を飾る 本社の二大記念事業」を伝える昭和21年11月3日付『北海道新聞』(札幌版)一面。
当日の「社説」は、『新憲法公布の日を迎えて』。
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(画像の出典は、北海道立図書館所蔵マイクロ資料からのコピー:国立国会図書館所蔵マイクロ資料の状態が悪いため、比較して良好な状態のコピーを使用することにした)

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以下は、5月6日に増補部分です。

2013年9月29日付
憲法便り#335 歴史教育者協会編『歴史地理教育』10月号に掲載された『心踊る・・・』の書評

[ 2013-09-29 08:00 ]
歴史教育者協議会編『歴史地理教育』2013年10月号(通算810号)に、『心踊る平和憲法誕生の時代』の書評が掲載されましたので、写真版で紹介します。
筆者は、北海道有朋高校の山本政俊さんです。

上から順に、表紙、書評欄「読書室」の96頁、97頁。
書評は、二頁にまたがって、中段に掲載されています。
ただし、二箇所に誤りがありますので、訂正しておきます。
①96頁の後ろから二行目 「新憲法公布の五月三日」とあるのは、「十一月三日」。
②価格が「税込み1,000円」とあるのは、「定価1,000円」(税、送料別)。

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以上は、5月6日に増補した部分です。
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※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

※平和憲法を守る闘いに寄与するため、昨年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―

(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
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闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
ご注文は、下記の書店へ
美和書店 電 話03-3402-4146  FAX 03-3402-4147


by kenpou-dayori | 2015-04-28 19:44 | 憲法千話・公布記念行事


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