岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2015年 04月 29日

憲法便り#910:『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷ではNo.10:栃木篇』(増補・改訂版)

2015年4月30日(木)(憲法千話)
2015年5月1日(金)加筆
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岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より

憲法便り#910:『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷ではNo.10:栃木篇』(第一回)

【下野新聞】公布記念(十一月四日付一面より)

「世紀の式典挙行さる 県民一致邁進せん 各地に多彩な祝典絵巻」
日本国憲法は三日午前八時を期して公布された。国民の深い感銘の一日である。昨年十一月幣原内閣の手で憲法改正の準備が開始されてから凡そ一ケ年、この間政府が準備に併行して各政党、学界、弁護士会などから多彩な憲法試案が提示されたが、政府はより多いレベルの民主的憲法改正案を作り、これを四月の衆議院総選挙にこれを問うた。ここで全国民の圧倒的な支持を受けた新憲法案は、六月から開かれた臨時議会に天皇陛下御発議により附議され、百日余の長期間に亘り真剣な論議を尽して民主的に修正可決、次いで枢密院の再諮詢を経て、今日ここに意義深くも公布されたのである。新憲法は明治憲法の運用の過ちが太平洋戦争を生み、遂に日本を敗戦の悲境に陥れた。冷厳な現実の上に立って、この過ちを繰り返すまいとする国民の確乎たる決意を基礎としている。それは国民主権を高らかに宣言すると共に、徹底した平和主義と民権擁護の精神を強調したもので再建日本の前途を照明する高い理想の憲章であり、また世界の最高水準を行く憲法法典である。本県ではこの日、県市町村各学校その他、それぞれ記念式典を挙げ、またスポーツに講演に色とりどりの記念の催しがあり、憲法の理想実現を誓った。

[県]
県の記念式典は午前十一時から正庁の間で小川知事以下、各部長職員、裁判所長、検事正、大橋県会議長、議員、各新聞社代表など官民列席の上挙行した。また、ラジオを通じ勅語、吉田首相、貴族院、衆院両議長の奉答を聞いたのち、知事の式辞あり、これに対して県会議長が県民を代表し「新憲法を実践し自由にして平和な文化国家建設に県民一致協力して邁進せん」と力強い祝辞を述べ、日本国万歳を斉唱して式を終えた。その後県会議事堂で簡素ながら感激的な祝杯をあげた。
[宇都宮]
午前九時から南国民学校講堂で小林市長代理、佐藤市会議長、江原前市長、町内会長等三百名が参集して記念祝典を挙行。市長代理から新憲法公布に当って、市民と相互にその精神を汲み取り、協力し合って市政の民主化並びに復興に処して行きたいとの祝辞、市会議長の祝辞があって式を閉じ、祝賀宴があった。
[足利市]
憲法公布記念式典は午前十時半から柳原校で、市内官公署並びに市民一千名が参列、木村市長の式辞、殿岡市会議長の祝辞、万歳三唱して散会。総合運動場や各学校校庭で繰広げられた祝賀運動、各種行事も盛大であった。
[日光町]
観都日光町では午前十時から第一国民学校校庭で記念式典を挙行、終って各町の花屋台が繰り出し、お囃子も賑やかに町内を練り歩き賑わった。

(十一月四日付二面より)
「モーニングの紳士 婦人の盛装も久しぶり 新憲法公布の日県下は喜びと興奮の渦巻」この日、宇都宮市は慶祝の一色に塗りつぶされ、近郷近在から数万に上った。市内の本丸跡では自転車競走、農専校と戸祭国民学校では運動会が開催された。農専校と自転車競走会場には朝から見物人がお押し寄せ、さしも広い校庭も会場も立錐の余地なく人で埋め尽くされ、各選手に送る拍手の嵐が秋空にこだました。
[大田原]
大田原文化協会は一日夜上町正法寺で常任委員会を開き、七日から同寺に開設する文化講座につき協議、十七日午後一時から大田原国民学校講堂で新憲法講演会、黎明楽団の演奏、花柳喜之輔並びに一門の日本舞踊を余興として加えることを決めた。」

昭和21年11月3日付『下野新聞』三面上
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昭和21年11月3日付『下野新聞』四面上
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昭和21年11月4日付『下野新聞』一面上
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(画像の典拠は、国立国会図書館所蔵マイクロ資料:請求記号YBー327)

*次回は、群馬篇。

2013年 05月 15日
憲法便り#10 憲法公布記念シリーズ(第4回)「当時の栃木県では」


「積極果敢な民主化広告」

 憲法公布の祝辞は記されていませんが、公布直前に掲載された顕著な広告例があります。

『下野新聞』昭和21年11月1日付一面:

封建主義・専制主義 軍国主義・ファシズム 民主主義を妨害するあらゆる勢力を撲滅 自由を強化して 平和な新日本建設

 この表題の下に、鹿沼町、菊澤村、北押原村、西方村、粟野町、南押原村の六農業会、粟野町、西方村、南押原村の三役場、及び11企業名を掲載しています。(『心踊る平和憲法誕生の時代』200頁下段後ろから四行目に「十市企業名とあるのは、11企業名の入力ミスにつき訂正」)
 なお、同じ表題の広告は、10月4日、10月5日、10月16日、10月17日、10月19日、10月25日の各一面にもあり、10月の掲載者だけでも120団体・企業に上ります。
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次は、『下野新聞』昭和21年11月3日一面に掲載された祝賀広告です。
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 このように、当時の栃木県では、積極果敢に民主化の闘いが行われ、平和憲法を歓迎する声が『下野新聞』で報じられていました。

 しかし、この輝かしい伝統を持つ栃木県内からは、残念ながら、この四月まで1冊もご注文を受けたことがありませんでした。

『心踊る平和憲法誕生の時代』の出版準備中に、「九条の会・栃木」の連絡事務所が判り、連絡先の法律事務所にカタログを送ったところ、代表委員の方から、栃木県内からの記念すべき初めての御注文を頂きました。それと同時に、同会の委員で、以前から存じ上げていた方からもご注文をいただきました。
その後は出版案内の手紙を書く時間がとれず、情報を広めることは出来ないままでいました。

ところが、昨14日に、代表委員の方から速達で、嬉しいお手紙をいただきました。
『心踊る平和憲法誕生の時代』と『検証・憲法第九条の誕生』各10冊のご注文です。
そして、5月18日(土)に開催される「憲法「改正」を許すな県民集会」で、皆さんにご紹介下さるとのことです。

実は、秋田県内からは、『検証・憲法第九条の誕生』が1,350冊以上、今回の『心踊る平和憲法誕生の時代』もすでに95冊の注文を受け、講演に招かれた回数は9回に達します。そのうち2011年9月の講演は秋田県立図書館主催・秋田魁新報社後援です。

そう考えると私には、憲法書ではまだ栃木県は「近くて遠い県」ですが、日光の金谷ホテルや鬼怒川、足利、桐生、足尾などに出かけていますから、日常生活の中では近い存在です。
これからも情報発信の努力を続けますので、栃木県の皆さんよろしくお願いします。」

※平和憲法を守る闘いに寄与するため、昨年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―

(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
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闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
ご注文は、下記の書店へ
美和書店 電 話03-3402-4146  FAX 03-3402-4147

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by kenpou-dayori | 2015-04-29 22:30 | 憲法千話・公布記念行事


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