2015年 05月 10日

憲法便り#973 連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第六回)

2015年5月10日(日)(憲法千話)

憲法便り#973 連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第六回)

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以下は、【再録】の記事です。

2013年 07月 03日
憲法便り#94 連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第六回)

【第四の理由】
更に当草案は戦争一般の放棄を規定して居ります。これに対して共産党は他国との戦争のみを規定することを要求しました。さらに他国間の戦争に絶対に参加しないことを明記することも要求しましたが、これらの要求は否定されました。この問題は我が国と民族の将来に取って極めて重要な問題であります。殊に現在の如き国際的不安定の状態の下に於いて特に重要である。
芦田委員長及びその他の委員は、日本が国際平和の為に積極的に寄与することを要望されましたが、勿論これはよいことであります。しかし政治的に経済的にほとんど無力に近い日本が、国際平和の為に何が一体出来ようか。このような日本を世界の何処の国が相手にするであろうか。我々はこのような平和主義の空文を弄する代りに、今日の日本に取って相応しい、また実質的な態度を執るべきであると考えるのであります。
それはどう云うことかと言えば、如何なる国際紛争にも日本は絶対に参加しないと云う立場を堅持することである。之については自由党の北君も本会議の劈頭に於いて申されました、中立を絶対に守ると云うこと、即ち我が政府は一国に偏して他国を排すると云うが如き態度を執らず、すべての善隣国と平等に親善関係を結ぶと云うことであります。
もし政府が誤まって一方の国に偏するならば、これは即ち日本を国際紛争の中に巻込むこととなり、結局は日本の独立を失うこととなるに違いないのであります。我々は我が民族の独立を飽くまで維持しなければならない。日本共産党は一切を犠牲にして、我が民族の独立と繁栄の為に奮闘する決意を持って居るのであります。要するに当憲法第二章は、我が国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする危険がある、それ故に我が党は民族独立の為にこの憲法に反対しなければならない、これが我々の反対する第四の理由であります。

【まとめ】
以上が我が共産党の当憲法草案に反対する重要な理由であります。要するに当憲法は我が国民と世界の人民の要望するような徹底した完全な民主主義の憲法ではない。これは羊頭狗肉の憲法である。財産権を擁護して、勤労人民の権利を徹底的に保障しない憲法である。我が民族の独立を保障しない憲法である。天皇の特権である参議院の存在は、明かに官僚や保守反動勢力の要塞となると共に、禍を将来に胎す憲法である。
我々は我が国の将来と我が子孫の為に、我が国の民主主義と平和を絶対に保障するような憲法を作り、将来保守反動勢力が彼等の足場にこれらを利用するような、特権的機関と危険を此の憲法の中に胎すことは出来ない。それ故に我々はこの草案が当議会を通過することに反対しなければならない。
しかし我々の数は少数であります。それ故に我々は当憲法がここに可決された後においても、将来当憲法の修正に付て努力するの権利を保留して、私の反対演説を終る次第であります。(拍手)
(おわり)


日本共産党は、ただ反対をしていたのではなく、すでに独自の「日本共産党憲法草案」を発表していました。衆議院本会議での憲法草案審議が開始されてから4日後、6月29日のことです。明日は、その内容を紹介します。

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by kenpou-dayori | 2015-05-10 17:01 | 日本共産党が反対した四つの理由


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