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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2015年 06月 06日

憲法便り#834 『本の旅 モスクワファイル・プラス」』より、「本当に困った話」

2015年6月6日(土)

憲法便り#834 『本の旅 モスクワファイル・プラス」』より、「本当に困った話」

これは、ナウカの同僚、村野克明君の依頼を受けて、19年前に書いたエッセーです。

記録保存のため、全体の画像を『憲法便り#831』および『憲法便り#832』に取り込みましたが、
今読んでも面白いので、取り敢えず、解説、(注)は後で付けることにして、掲載します。

私は、記憶力に自信があるので、日常的に、細かいことをメモすることはなく、
この文章も、旅の一ヶ月後に、記憶に基いて書いたものです。

以下、順次、文字起こしをします。

*********************************************

1996年10月15日 岩田行雄著

『本の旅 モスクワファイルプラス」』より、

「本当に困った話」
(これは、すべて当時の状況です)

モスクワは、地下鉄が発達していて、市の東西南北に延びている。
どこまで乗っても、1,500ルーブル(当時)。
1ドル4,300ルーブル前後(当時)の交換比率なので、とても安い。

タクシーなど、ちょっとした距離でも、「3万ルーブル」などとふっかけてくるので、
ほとんど、地下鉄を利用した。

だが、困ったことに駅にトイレがない。

すべての駅を調べて回った訳ではないが、
少なくとも今回利用したいくつかの駅には、なかった。

駅のオバさんにきいても、
バカにしたような顔で、「ニェート」。

日本では、駅にトイレがあるのは当たり前だが、
こちらでは、無いことが、当たり前のようだ。

東京ならば、小さな公園にもトイレはあるし、
喫茶店に立ち寄ることも出来るが、それもない。

だから、モスクワ初心者が、
出かける直前や、行程の途中でビールなど飲もうものなら、
地獄の苦しみを味わうことになる。

もう、本さがしどころではないのだ。

日本では、皇居前広場にもトイレはあるが、
「赤の広場」には、見当たらなかった。

赤レンガで造られた、クレムリンの高い壁を見上げながら、
子供の頃暮らした、葛飾の板塀の下の方に、
よく、小さな赤い鳥居が描かれて、その右側に、
墨で、「小便無用」と書かれていたことを、思い出した。

赤い鳥居に、オシッコをひっかけると、
オチンチンがハレてしまうと言われ、
ホントかなと疑いながらも、
やっぱり、恐くて出来なかった。

小さな鳥居でそんなに効き目があるなら、
クレムリンの赤い壁に向かってそんなことをしたら、
即死するかな。

いや、銃殺されるかも。

そんなことを考えているうちに、
もう、「ダメー」

真面目な話、トイレ・マップをつくりませんか。

(注:「赤の広場」は、「美しい広場」という意味で、
ロシア革命の何百年も前から親しまれている呼び名です。)

次回、「健在なりレーニン」です。

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by kenpou-dayori | 2015-06-06 20:45 | エッセー


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