2015年 07月 09日

憲法便り#1045新宿区教育委員会に提出した、育鵬社、自由社の教科書を不採択の要請書全文の紹介④

2015年7月9日(木)(憲法千話)

憲法便り#1045新宿区教育委員会に提出した、育鵬社、自由社の教科書を不採択の要請書全文の紹介④

第3章 日本国憲法と立憲的民主政治(57)

 第1節 日本国憲法の国家像(58)
 20天皇の役割と国民主権(58)
 *もっと知りたい:天皇のお仕事(60‐61)(岩田注⑳)
  天皇の御製、主な宮中祭祀、古来から続く天皇をおつとめ。

25平和主義と安全保障(72)
自衛権と平和主義(72-73)
 自衛隊の新型装備品の写真(岩田注21)
自衛隊(73)
*ミニ知識:各国の憲法における国民の兵役、国防の義務(73)(岩田注22)

*ここがポイント:(p.73)(岩田注23)
①政府は憲法第9条第1項は自衛権の保持を認めていると解釈している。
②政府は第2項が禁じる戦力にあたらないとして、自衛隊を設置している。

*もっと知りたい:わが国の安全保障の課題(74-75)(岩田注24)2頁全面にまたがっている
 *憲法第9条(と自衛隊)
 第1の解釈 5行、憲法違反
 第2の解釈 6行、憲法違反
 第3の解釈 7行、憲法に違反しない
 第4の解釈 17行、憲法に違反しない、実は、政府の解釈(原文のまま)

第2節 議会制民主政治(76)
26議会制民主主義と権力分立(76)

*ミニ知識:三権分立ではない中国(p.77)(岩田注25)

「第3章」への問題点の指摘と〔岩田注⑳-25〕
〔岩田注⑳〕「*もっと知りたい:天皇のお仕事(60‐61)」は、天皇元首化への布石として、天皇を利用している。

〔岩田注21〕自衛権と平和主義(72-73)、そして自衛隊の新型装備品の写真は、現政権が進める軍事優先政策の代弁である。

〔岩田注22〕*ミニ知識:「各国の憲法における国民の兵役、国防の義務」(73)は、日本における「徴兵制」への布石である。

〔岩田注23〕*ここがポイント:(p.73)の下記の説明も、現政権の代弁である。
①政府は憲法第9条第1項は自衛権の保持を認めていると解釈している。
②政府は第2項が禁じる戦力にあたらないとして、自衛隊を設置している。

〔岩田注24〕「*もっと知りたい:わが国の安全保障の課題(74-75)」は、2頁全面にまたがっており、以下の記述と併せて、政府の解釈をそのまま代弁している。
 *憲法第9条(と自衛隊)
 第1の解釈 5行、憲法違反
 第2の解釈 6行、憲法違反
 第3の解釈 7行、憲法に違反しない
 第4の解釈 17行、憲法に違反しない、実は、政府の解釈(原文のまま)

〔岩田注25〕「*ミニ知識:三権分立ではない中国(p.77)」では、あえて中国という国名をあげ、批判しており、挑発的である。世界には、様々な政治制度があり、一様ではない。教えるのならば、そのことを正確に教えるべきである。中国を名指しして、このような記述を突出させるのは、教育の方法として、正しくない。
  
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(2)『新編 新しいみんなの公民』育鵬社

『新編 新しいみんなの公民』育鵬社についても、主な部分を入力して準備に取り掛かりましたが、残念ながら、提出時間が迫りましたので、詳しく触れることは、出来なくなりました。
 しかしながら、育鵬社の教科書も、主張の基本的な論理は共通しており、私としては、これを教科書として認めることは、出来ないことをお伝えします。
(岩田注:安倍首相の写真が異常に多い。以下は、安倍首相の写真が掲載されているページ)
51頁  天皇陛下と安倍首相
60頁  安倍首相、60-61は、憲法改正のしくみ
64頁  安倍首相
83頁  安倍首相
88頁  安倍首相と石原慎太郎議員との党首討論、
同    安倍首相の選挙ポスター、公明党山口代表の選挙ポスター、石原慎太郎議員と橋下大阪市長の選挙ポスター  
96頁  安倍首相
98頁  石原慎太郎議員、谷垣幹事長の写真
100頁 安倍首相
160頁 安倍首相

『新編 新しいみんなの公民』育鵬社
全5部
第1部 私たちの生活と現代社会(9)
第2部 私たちの生活と政治・・・日本国憲法の基本原則(43)
第1節 日本国憲法の基本原則
 1、法と私たちの生活(46)
 2、大日本帝国憲法と日本国憲法(48)
大日本帝国憲法の制定 明治維新をむかえた日本では、五箇条の御誓文が示され、天皇自らこれを実践することを明かにしました。五箇条の御誓文はその後もつねに参照され、国政の指針となりました。 
また、近代的な法制度をつくって欧米諸国と対等な関係を築くため、政府はもちろん民間でも、多くの憲法草案がつくられました。政府は伊藤博文らを中心に欧米の憲法を調査研究するとともに、日本の歴史や伝統、国柄の研究を行い、約8年の歳月をかけて、1889(明治22)年大日本帝国憲法として公布しました。
この憲法では、日本の伝統文化と西洋の政治制度をいかに結びつけるかに力がそそがれ、日本は万世一系の天皇が統治する立憲君主制であることを明らかにしました。天皇は国の元首であり、国の統治権を総攬(すべてまとめてもつ)ものであるが、憲法の規定に従って統治権を行使するものと定められました。
具体的には、法律の制定は国民の意思が反映された議会の協賛(承認)によること、行政は国務大臣の輔弼(助言)によること、司法は裁判所が行うこととされました。
また、国民には法律の範囲内で権利と自由が保障されました。
この憲法は、アジアで初めての本格的な近代憲法として内外ともに高く評価されました。
(原注①その後、大正時代には憲法の理念を生かそうと、政党政治の定着、普通選挙制度の実施など、いわゆる大正デモクラシーの時代を迎えました。しかし、昭和に入り、国際情勢の変化によって危機感を強めた軍部が、憲法の不備をついて政治への介入を強め、戦時体制が整えられるなどしたために、憲法の理想は、大きくそこなわれていきました。)

 日本国憲法の制定 1945(昭和20)年に日本はポツダム宣言を受け入れ、第二次世界大戦は終わりました。連合国は、大日本帝国憲法の下での政治体制が主な原因だと考え、日本の民主主義的傾向を復活強化して、連合国にふたたび脅威をあたえないようにするために、徹底した占領政策を行いました。
  連合国軍最高司令官マッカーサーは、憲法の改正を日本政府に求め、政府は大日本帝国憲法をもとに改正案を作成しました。しかし連合国軍総司令部は(GHQ)はこれを拒否し、自ら1週間で憲法草案を作成したのち、日本政府に受け入れるようきびしく迫りました。
  日本政府は英語で書かれたこの憲法草案を翻訳・修正し、改正案として1946(昭和21)年6月に帝国議会に提出しました。改正案は、一部の修正を経たのち、11月3日に日本国憲法として公布され、翌年5月3日から施行されました。日本国憲法は戦後の政治原理として国内はもちろん、国外にも広く受け入れられました。
 日本国憲法の基本原理 (入力、略)
日本国憲法は天皇の位置づけを、大日本帝国憲法での

↑4英文で書かれた日本国憲法の草案 GHQの民政局は、各国の憲法を参照しながら英文で憲法草案を書き上げました。
↑6検閲を受けた出版物 GHQは占領期間中、軍国主義の復活を防ぐためとして、徹底した検閲を行いました。また、その検閲の実態や、GHQが日本国憲法の起草において果した役割への言及も禁止しました。そのため、自由な報道や表現は大きく制限されました。
 
 3、国民主権と天皇(50)
 4、人権の歴史(52)
 5、基本的人権の尊重(54)
 6、平和主義(56)
   平和主義(56)
   自衛隊の誕生(56)
    *戦後の防衛政策の歩み
   第9条と自衛隊(57)
    *各国の憲法に記載された平和主義条項と国防の義務(岩田注:これも軍備拡張のための口実にしている。)
     イタリア共和国憲法第11条、
大韓民国憲法第5条①、第39条
スイス連邦憲法第173条
ドイツ連邦共和国基本法第12条 a、第25条
コスタリカ共和国憲法第12条
アゼルバイジャン共和国憲法第9条①、②
    *集団的自衛権 国際連合憲章第51条で保障されている権利です。個々の国が自分の国を守る権利を個別的自衛権と言います。そして、同盟など密接な関係にある国の防衛を支援し、おたがいに協力しようとする権利を集団的自衛権といいます。
*文民統制 憲法では自衛隊に命令を出す首相や防衛大臣は文官(職業軍人ではない者)でなくてはならないと規定されています。また、自衛隊の定数や組織、予算は国会で決定されることになっています。

 7、平和主義と防衛(58)
 7、憲法改正のしくみ(60)
   
第2節 基本的人権の尊重
 1、自由権(62)
 2、法の下の平等(64)
 *考えよう:男女の平等と家族の価値(66)
3、ともに生きるために(68)
 *理解を深めよう:「ともに生きる」ためにできること(70)
 4、社会権(72)
 5、参政権と請求権(74)
 6、新しい人権(76)
   社会の変化にともなう権利・・・知る権利、プライバシー権、環境権、(岩田注;これらは、現行憲法の枠内で、法律によって解決出来る、あるいは出来ているものであって、改憲の必要はない。これは、憲法第九条を変えるための口実に過ぎない。
 7、国際社会における人種
 *理解を深めよう:人種差別をなくすために
  黒人の人権獲得への歴史
  最近まであったアパルトヘイト
 *理解を深めよう:世界の人権問題
  チベット問題とウイグル問題
(岩田注:ダライ・ラマを使い、ウイグル問題を利用して中国批判)
アフリカ諸国での内戦と人種問題
  国際的な人権尊重のために
第3部 私たちの生活と政治(83)
第4部 私たちの生活と経済(121)
第5部 私たちと国際社会の課題(171)

おわりに
以上、限られた条件下、大急ぎで書きましたので、不十分な点もありますが、基本的な論点は一通り述べたつもりでおります。

 長文になりましたが、最後までお読みいただいたことを感謝します。

 参考文献として、拙著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』を添付致します。
 この本の冒頭に、安倍首相の全く不勉強な答弁を、議事録をもとに再現してあります。
 
安倍首相は、育鵬社や自由社の教科書に依拠して答弁したものと考えられます。
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by kenpou-dayori | 2015-07-09 08:16 | 教科書検定・採択問題


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