岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

kenpouq.exblog.jp
ブログトップ
2015年 08月 08日

憲法便り#1120 ソ連の対日宣戦布告:「宣戦布告文」及びその会談の状況

2015年8月8日(土)(憲法千話)

憲法便り#1120 ソ連の対日宣戦布告:「宣戦布告文」及びその会談の状況

外務省編纂『終戦史録』の「第三十八篇 ソ連の対日宣戦布告」より

○「日「ソ」外交交渉記録(外務省調書)」(551-552頁)の全文により、「宣戦布告文」及びその会談の状況を紹介します。

「斯くて翌八月八日午後五時大使は「モロトフ」委員を往訪せるに「モロトフ」委員は大使に対し大使よりの用件申出を待たず早速用意せる露文に依り左記宣言を読上げたる上之を大使に手交せり

『「ヒットラー」独逸の敗北及降伏後に於ては日本のみが戦争を継続する唯一の大国たるに至れり三国即ち米合衆国、英国、及中国の日本軍隊の無条件降伏に関する本年七月二十六日の要求は日本に依り拒否せられたり因て極東戦争に関する日本政府の「ソ」連に対する調停方の提案は全くその基礎を失ひたり日本の降伏拒否に鑑み連合国は「ソ」連政府に対し同政府が日本の侵略に対する戦争に参加し以て戦争の終了を促進し犠牲者の数を減少し且急速に一般的平和の回復に資すべく提案せり「ソ」連政府はその連合国に対する義務に遵い連合国の右提案を受諾し本年七月二十六日の連合国宣言に参加せり「ソ」連政府は斯る同政府の政策が平和を促進し各国民を此れ以上の犠牲と苦難より救ひ日本人をして独逸が其の無条件降伏拒否後嘗めたる危険と破壊を回避せしめ得る唯一の手段なりと思考す以上の見地より「ソ」連政府は明日即ち八月九日より同政府は日本と戦争状態にあるべき旨を宣言す』

 依て大使は右宣言に付「ソ」連政府の執りたる決定を遺憾とすると共に日本国民を犠牲と苦難より救ふと称して日本に対し開戦する趣旨の了解し得ざる旨を指摘したる上八月九日より日本と戦争状態に入るとは八月八日は平和状態にして九日よりは戦争状態なりとする謂たるべきやとの趣旨を以て質問を続けたるに「モロトフ」委員は「ソ」連政府の宣言は一部分のみならず全体を通じてその趣旨を了解あり度しと述べ更に戦争状態に入る時期に関する大使の質問を肯定せり次で大使より日本政府に対する右宣言伝達の方法に付種々質問せるに対し「モロトフ」委員は右宣言及会談内容伝達の為の東京向発電には支障なきこと及暗号使用も差支えなきことを答えたり(但し本件公電は遂に到着せざりき)

*********************************************
以下は、【再録】です。

憲法便り#177 モロトフより佐藤大使に手交された「対日宣戦布告文」

外務省編纂『終戦史録』の「第三十八篇 ソ連の対日宣戦布告」より

○「日「ソ」外交交渉記録(外務省調書)」(551-552頁)の全文により、「宣戦布告文」及びその会談の状況を紹介します。

「斯くて翌八月八日午後五時大使は「モロトフ」委員を往訪せるに「モロトフ」委員は大使に対し大使よりの用件申出を待たず早速用意せる露文に依り左記宣言を読上げたる上之を大使に手交せり

『「ヒットラー」独逸の敗北及降伏後に於ては日本のみが戦争を継続する唯一の大国たるに至れり三国即ち米合衆国、英国、及中国の日本軍隊の無条件降伏に関する本年七月二十六日の要求は日本に依り拒否せられたり因て極東戦争に関する日本政府の「ソ」連に対する調停方の提案は全くその基礎を失ひたり日本の降伏拒否に鑑み連合国は「ソ」連政府に対し同政府が日本の侵略に対する戦争に参加し以て戦争の終了を促進し犠牲者の数を減少し且急速に一般的平和の回復に資すべく提案せり「ソ」連政府はその連合国に対する義務に遵い連合国の右提案を受諾し本年七月二十六日の連合国宣言に参加せり「ソ」連政府は斯る同政府の政策が平和を促進し各国民を此れ以上の犠牲と苦難より救ひ日本人をして独逸が其の無条件降伏拒否後嘗めたる危険と破壊を回避せしめ得る唯一の手段なりと思考す以上の見地より「ソ」連政府は明日即ち八月九日より同政府は日本と戦争状態にあるべき旨を宣言す』

 依て大使は右宣言に付「ソ」連政府の執りたる決定を遺憾とすると共に日本国民を犠牲と苦難より救ふと称して日本に対し開戦する趣旨の了解し得ざる旨を指摘したる上八月九日より日本と戦争状態に入るとは八月八日は平和状態にして九日よりは戦争状態なりとする謂たるべきやとの趣旨を以て質問を続けたるに「モロトフ」委員は「ソ」連政府の宣言は一部分のみならず全体を通じてその趣旨を了解あり度しと述べ更に戦争状態に入る時期に関する大使の質問を肯定せり次で大使より日本政府に対する右宣言伝達の方法に付種々質問せるに対し「モロトフ」委員は右宣言及会談内容伝達の為の東京向発電には支障なきこと及暗号使用も差支えなきことを答えたり(但し本件公電は遂に到着せざりき)

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから
[PR]

by kenpou-dayori | 2015-08-08 14:30 | 太平洋戦争日歴


<< 憲法便り#1121:『憲法便り...      憲法便り#1119:戦争をあお... >>