岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

kenpouq.exblog.jp
ブログトップ
2015年 08月 12日

憲法便り#1146:【再録】「昭和20年8月12日 ラジオ放送による連合国回答文の翻訳文」

憲法便り#1146:【再録】「昭和20年8月12日 ラジオ放送による連合国回答文の翻訳文」

以下は、【再録】です。

2013年 08月 12日
憲法便り#190 昭和20年8月12日 ラジオ放送による連合国回答文の翻訳文

外務省編纂『終戦史録』の「第四十九篇 ラジオ聴取回答文と外務当局の解釈及び訳文の苦心」より(642頁)

日本政府が八月十日に連合国に発信したポツダム宣言受諾の眼目は、「天皇ノ国家統治ノ大権ヲ変更スルノ要求ヲ包含シ居ラザルコトノ了解ノ下ニ受諾ス」との条件提示で、ここには、戦火に曝された国民の安全についての言及はありません。

この日本政府の申入れに対する連合国側の回答内容は、次に紹介する「一九四五年八月十一日付回答文書」に見る通り、「ポツダム」宣言に示された原則的な態度を繰り返し表明しているに過ぎません。

『合衆國、連合王國、「ソヴィエト」社會主義共和國連邦及中華民國の各政府の名に於ける合衆國政府の日本國政府に對する回答』
「ポツダム」宣言の條項は之を受諾するも右宣言は天皇の國家統治の大權を變更するの要求を包含し居らざることの了解を併せ述べたる日本國政府の通報に關し吾等の立場は左の通りなり
降伏の時より天皇及日本國政府の國家統治の權限は降伏條項の實施の爲その必要と認むる措置を執る連合國最高司令官の制限の下に置かるるものとす
天皇は日本國政府及日本帝國大本營に對し「ポツダム」宣言の諸條項を實施する爲必要なる降伏條項署名の權限を與へ且之を保障することを要請せられ又天皇は一切の日本國陸、海、空軍(ママ)官憲及何れの地域に在るを問はず右官憲の指揮下に在る一切の軍隊に對し戰闘行爲を終止し、武器を引渡し及降伏條項實施の爲最高司令官の要求することあるべき命令を發することを命ずべきものとす
日本國政府は降伏後直に俘虜及被抑留者を連合國船舶に速かに乗船せしめ得べき安全なる地域に移送すべきものとす
最終的の日本國の政府の形態は「ポツダム」宣言に遵ひ日本國國民の自由に表明する意志に依り決定せらるべきものとす
連合國軍隊は「ポツダム」宣言に掲げられたる諸目的が完遂せらるる迄日本國内に留まるべし」

この回答文を待ち受けていた当時の様子を、同じく『終戦史録』の「第四十九篇」で見ることが出来る。
翻訳に際しての最も重要な点は、「國體ヲ護持シ得テ」という表現に連なる、外務省当局による軍部を意識した「翻訳」上の作為及び恣意的解釈の経緯が語られていることにあります。

この文章も長いものなので、別枠で、憲法便り#191に掲載します。
[PR]

by kenpou-dayori | 2015-08-12 21:32 | 太平洋戦争日歴


<< 憲法便り#1147:【再録】「...      憲法便り#1145:戦争をあお... >>