岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2016年 02月 02日

憲法便り#1568:日銀のマイナス金利政策という、とんでもない決定をしたのは誰か?

2016年2月2日(火)(憲法千話)

憲法便り#1568:日銀のマイナス金利政策という、とんでもない決定をしたのは誰か?

日銀は、これまでに、赤字国債を乱発し、それを銀行から買い取るという、贋金作りのような「禁じ手」を使ってきた。
国債発行額に対する日銀の保有割合は、すでに、全体の3割に達しているという。

その日銀が、1月29日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策を5対4の多数決で決定した。

だが、この決定の賛成者には、提案者の黒田総裁も含まれており、
彼を除くと、賛否は4対4の同数で、論議が真っ二つに分かれていたことが判る

ここで、黒田総裁以外のメンバーについて、実名を挙げて、賛否の態度を見ておこう。

賛成:副総裁・岩田規久男(学習院大学教授)
賛成:副総裁・中曽 宏(日銀理事)
賛成:審議委員・原田泰(内閣府経済社会総合研究所)
賛成:審議委員・布野幸利(トヨタ自動車副社長)

反対:審議委員・白井さゆり(慶應義塾大学教授)
反対:審議委員・石田浩二(三井住友フィナンシャルグループ専務)
反対:審議委員・佐藤健裕(モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミスト)
反対:審議委員・木内登英(野村証券金融経済研究所チーフエコノミスト)

日銀は、本来、政策決定に関して、戦前の反省から、政府から独立していなければならず、
6人の審議委員の中に、内閣府の人間が入っているのは、日銀の独立性を阻害するものであり、
掟破りの人選である。

したがって、原田泰を除外して考えれば、反対が4対3で、賛成意見を上回っている。

こんな、八百長人事をもとに決定されたマイナス金利政策は、直ちにやめるべきである。

NHKは、住宅金利が低くなるということばかりを伝えているが、この政策が我々の実生活に及ぼす影響は、
計り知れないものがある。

預金金利はマイナスにならないと伝えられていたが、
各金融機関は、さっそく、マイナス金利に近い預金を提示しており、
年金の先行きにも、大きな不安要素があることが伝えられている。

住宅展示場に来ていた子供連れの若い夫婦が、
「住宅ローンの金利が下がるのなら、もう少し高めのものが買えるね」と話していた。

これは、バブル経済が弾けた時に、住宅を手放さざるを得なかった状況が、
再び現出するのを予見している感じがある。

日銀の「独自性確立」の重要な意味については、二年以上も前に、昭和20年10月18日付『毎日新聞』記事を引用しながら書いているので、【再録】しておきたい。

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【再録】
2013年 10月 19日
憲法便り#389 昭和20年10月18日付『毎日新聞』「日銀の独自性確立」の重要な意味

昭和20年10月18日の「日本の民主化と憲法民主化の日歴」
昭和20年10月18日付『毎日新聞』一面に、
「日銀の独自性確立 改正案通常議会に提出」と題する記事が掲載されている。
この記事は、冒頭で日銀が戦時中に置かれていた状況と、敗戦後におこった日銀のあるべき姿について述べているので、紹介しておこう。
「戦時中、中央銀行としての日銀の職能は極度に制約され僅かに大蔵省の窓口としての存在価値しか有しない実情であったが、終戦後の新事態に即応して官僚統制の最悪法と見られる現行日銀法(昭和十七年制定)を改訂して日銀の組織運営を政府から切離し、日銀の中央銀行としての独自性を確立して、通貨膨張の現難局打開に当らしめるべきであるという声が各方面に台頭し、大蔵省、日銀においても、目下改正案を考究中で遅くとも通常議会に提出されるものと見られる。
 現行日銀法改正の概要は次の通り。
一、日銀は国民経済の安定、国民の福利増進を目的として通貨の調節、金融の調整及び信用制度の保持育成に努めるよう運営されなければならない。」(以下略)
財政赤字に対処するため予算削減法を可決、発動をせざるを得なかったアメリカから招かれたノーベル経済学賞の経済学者が、安倍政権の経済政策と新日銀総裁の人選を天まで持ちあげているが、全くの茶番劇である。
今回の人事は、自動車に例えれば、暴走目的でブレーキを外して、ダブル・アクセルにした違法改造車であり、「白」から「黒」への極めて危険な交代である。」

これは、『心踊る平和憲法誕生の時代』の「おわりに」に書いた文章である。
白川前総裁から黒田現総裁への交代を、“「白」から「黒」へ”と書いたのは、健全性を欠いた政策と人事への抗議の意思を含めた表現である。

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by kenpou-dayori | 2016-02-02 10:29 | 経済政策・日銀


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