岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2017年 01月 16日

憲法便り#1925:「トランプ報道について考えてきたこと」(改訂第二版)

2017年1月16日(月)
2017年1月18日加筆(赤字の部分)

憲法便り#1925:年頭第29話「トランプ報道について考えてきたこと」(改訂第二版)

日本のメデイアが、米大統領選でのトランプの勝利の可能性を予測し得なかった最大の要因は、エスタブリッシュメントと呼ばれる特権階級の側に立っていたことである。そして、アメリカ社会が抱える矛盾を、独自に把握する努力をしなかったことによる。

本質的には、日本のメディアに携わる人々自体が、特権階級への帰属意識をもとに行動していたと言える。
新聞社や、テレビ局の名前を言うだけで、トップに近づき、さまざまな情報を得られることにあぐらをかいていたとも表現できる。
慣れた思考の中にいる方が楽なのである。

マスコミ人で、はっきりとトランプ勝利の予測を述べていたのは、木村太郎氏だけであった。

選挙結果が出たあとで、インタビューを受けた木村氏は、次のように述べた。
「長年培った感だね。大統領選の過去を見ると、民主党の大統領と、共和党の大統領が8年ごとに交代している。」
判断の根拠となる具体的な事例の話を期待していた私には、残念な答えであったが、これもひとつの見解である。


選挙結果が出たあとで、『東京新聞』は政治部長が反省の弁を述べ、今後の努力を表明した。

個人としては、岡本行夫氏が、認識不足による判断ミスを、潔く認めた。
ウィキペディアによれば、岡本 行夫氏は、日本の外交評論家、実業家。元外交官。内閣総理大臣補佐官、内閣官房参与等を経て、2012年からマサチューセッツ工科大学国際研究センターシニアフェロー。

だが、テレビなどの多くのメディアは、腹いせにトランプ叩きをして、うさを晴らしているように見える。

最近、トランプ批判とからめて、ポピュリズム(大衆迎合主義)という言葉がよく使われる。
ポピュリズムは、フランスの極右政党のルペン党首、イギリスのメイ首相についても言われる。
これについては、憲法便りの別の号で、論じることとするが、ひとつだけ指摘しておきたい。

リオ・オリンピックの閉会式に、安倍首相がマリオの姿をして、登場したことを褒めちぎっているが、
あれこそ、大衆迎合主義の最たるものではないのか。

たしかに、トランプの発言ははひどいものが多い。だが、これに対する、うさ晴らしからは、冷静な分析は生まれない。
それに訳語にも、恣意的なものがある。
『You」を、「キミ」と訳すか、「お前」と訳すかで、印象は大きく変わってしまう。

具体例を挙げると、一昨日の記者会見の場面。
CNNの記者が、しつこく食い下がり、発言を求め続けた時、トランプは落ち着いた声で、《Quiet,quiet》と制していた。
ところが、これに対する訳語の表示は、「黙れ、黙れ」となっていた。

やり取りをよく聞いていると、日本の新聞報道にもあるように、CNNは、ロシアとの関係について、確証のない、噂に基づいてトランプを攻撃している。
三流週刊誌以下の報道である。

敢えていえば、至極当然の反応と言える。
だから、発言の指名をしないといっている。

ここで、ひるがえって、安倍政権とメディアの関係を思い起こしてみよう。
以前、日本のメディアが、事実に基づいて政府批判を行ったとき、
総務大臣・高市早苗は、なんと言ったか。

「電波を止める!」と脅迫したではないか。

それに対して、日本のマスコミは、
どれほど食い下がったか、
どれほど戦ったか、

わたしの記憶には無い。

うさ晴らしで、国民の耳目をそらさないで、
共謀罪、戦争法、カジノ法、TPP、そして既に破綻しているアベノミクスこと「アホのミクス」を徹底的に追及すべきである。
そして、憲法改悪を決して許さない論陣を張るべきである。

まだ、物が言えるうちに、マスコミは、政府に対する批判精神を持って、頑張ってほしい!

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by kenpou-dayori | 2017-01-16 21:23 | トランプ


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