岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2017年 09月 01日

憲法便り#2124:シリーズ 『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では、No.14: 神奈川篇』

2017年9月1日(金)(憲法千話)

憲法便り#2124:シリーズ 『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では、No.14: 神奈川篇』

岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より

【神奈川新聞】公布記念(十一月三日付一面より)

「平和日本の大道をひらく きょう新憲法を公布」『人民の憲法』が菊薫るきょうの明治節に公布される。この憲法に新しい文化日本の生命を打ち込むものは、これを運用する八千万日本国民である。『主権在民』のこの新憲法が世界に類例のない戦争放棄を規定した理想的なものであるだけに、また文化的民主主義国家を作り上げるのに役立つ条章で成っているものであるだけに、これが運用の真髄を発揮するのは、もとより一朝一夕のことではない。この新憲法を最大に生かして、日本を民主世界の模範国家に仕立て上げるのには、並大抵の努力では難しいことを県民も覚らねばならない。きょうのこの『人民の新憲法』公布に二百万県民は大きな感激と希望に燃えて『国民のより大いなる幸福』のため、その完全な達成を心から誓い合っている。(以下は、新憲法の精神を県民に徹底させる啓蒙運動の遅れについての、県当局、県知事に対する厳しい指摘だが、省略する)

「奉祝も民主的に 学童にはお菓子を特配」民主日本の法的裏付けとなる新憲法は、いよいよ明治節のきょう三日公布されるが、この日を祝福して次の如く県下各地に民主的な奉祝行事が展開される。

[県]
県立第一高女で行われる運動会で、玉音放送時間に一時中止して全庁員が拝聴、知事より訓示を行い、運動会終了後同校講堂で記念式典を行う。
[各学校]
午前中に記念式典を行い、校長より新憲法につき訓話を行う。
[地方]
各市町村ごとに自主的に奉祝行事を行う。
[配給]
三日までに酒、タバコなどの特配を行うほか、県下全国民学校児童にゼリー(金玉糖)、幼児、老人にビスケットの特配を行う。また、大衆食堂には奉祝餅十万食を特別に販売する。
[記念乗車券を発売]
横浜市交通局では三日の新憲法公布を記念して、特に三、四、五の三日間電車・バス共通記念乗車券二十万枚を車内で発売し、記念日を祝福することになった。記念乗車券は、中央に議事堂と平和の鳩を描き、上には菊花をあしらった四色の美麗なもので、乗車賃は三十銭の同額で、降車のとき左端の乗車券を切り取って渡し、意匠の部分は交付することになっている。

[横浜市]
「祝賀文を議定 菊花大会開く」横浜市では三日の新憲法公布記念行事を次のように行うが、新生日本の基盤を確立する祝賀日の式典としては、七十万市民と共に奉祝行事が盛られていないのは、市の記念行事として、余りにも心さびしいものがある。当日、午前九時から華々しく菊花大会が行われ、同時刻Y校グランドに市議、功労者を招待し労をねぎらうと共に、全市吏員に対して半井市長から新憲法について講話があり、終って全職員の体育大会が繰り展げられる。午前十時から臨時市会を召集し、吉田首相に送る新憲法公布の祝賀文の議定があって、記念式典の幕を閉じる。なお、港北区中部連合町内会(上山、中山、寺山、台村町)では三日午後二時から、中山駅前広場で憲法公布祝賀大会を開催、余興に劇団東宝舞踊隊、加賀のぼる楽劇隊の二十名が出演、ほか同区池辺町では青年会の主催で午後一時から素人相撲大会を開く。
[川崎市]
「相次ぐ豪華版 焼跡に祝い提灯」川崎市の復興祭は民間の主催で三日に行われるが、憲法公布記念日のこの日をめざして各方面の催しも重なり、豪華なお祭り騒ぎとなる。△当日呼び物の市民仮装行列は午後一時小川町映画街を出発し、駅前―小美屋―市役所―東田通り―新川通―旧国道―疎開道路を経て、出発点に戻り、一時間余を練り歩くことになっているが、懸賞金付き団体四等まで、個人三等まで、各新聞支局長、市出身漫画家森比呂志氏らが審査員になっている。△また、町内会方面でも慰安会や素人芸能コンクール等の催しがあり、久し振りに祝い提灯が焼跡に復興した住宅、商店の軒に掲げられて、夜を彩ることになる。
[藤澤市]
「藤澤では体育祭」藤澤市の憲法公布記念式典は、三日午前九時半から湘南中学講堂で挙げる。同校運動場では午前九時から市民体育祭を催し、学童対抗リレー、町内会対抗の野球、籠球、卓球、リレー、綱引きなど多彩な競技を繰り展げる。
[鎌倉市]
三日、新憲法公布の佳き日は、鎌倉市にとってあたかも市政施行記念に当っているので、市当局並びに関係者の協力により二日、三日の両日に多彩な市民祭を繰展げるが、三日午前九時から市役所楼上で鎌倉市に功労のあった人たち二十数名を表彰する。

(以下、十一月四日付一面より)
[小田原]
「花車繰り出す」憲法公布記念日を迎えた小田原市街には、久方ぶりに日の丸が掲揚され、市主催の記念式典が終る頃には花柳界の底抜け屋台や、魚河岸の魚型屋台、花車数台が繰り出され、その間を二十数台の子供神輿が練り回り、仮装行列、連合町内会対抗リレー、男女青年の演芸会など盛り沢山の行事に、慶祝気分はいよいよ全市に漲った。
[藤澤]
「大人も童心で スポーツ気分」藤沢市の憲法公布記念行事は、三日湘南中学校で祝賀式典と市民体育祭が盛大に行われた。午前九時男女青年ばかりではなく、親子連れやら町内会の代表選手やら明るい顔にりりしい姿が運動場につめかけ、藤高生の新ラジオ体操に体育祭の幕を開き一人一脚競争、籠球さては町内会対抗の綱引きと次々と繰り展げられるゲームに応援団は絶叫し、この日ばかりは大人も童心にかえって大はしゃぎ、朗らかなスポーツ気分を満喫して夕頃成功裡に閉幕した。また式典は午前十時から講堂で厳粛に行われた。 
[横須賀市]
「演劇大会で祝意」新憲法公布のきのう横須賀市では軒毎に国旗を掲げ、官公署、学校ではそれぞれ記念式を挙行。また各町内会では隣組運動会、演芸大会などを開いて祝意を表したが、市としての記念行事は後日開催されることになっている。
「賀市で漆器製作の実演」横須賀市山王町の土産品商マルニ商会では憲法公布記念事業として、四日から七日まで毎日午前十時から午後四時まで、深田町馬淵会館二階で美術日本漆器実演と展示会を開催、会津塗、鎌倉彫の名人を招聘して進駐軍将兵に日本美術の奥義を公開する。
[横浜市]
「盛大な芸能祭開く」戸塚区汲沢町の桑島土建会社では、三日午前十時から同社構内で新憲法公布の奉祝を兼ね、従業員と家族慰安の芸能祭を開催したが、大辻司郎、古川ロッパ、柳家金語楼、藤山一郎など芸能界の名人十数人が出演して盛況であった。なお、夜は緑川嘉信楽団の大演奏会や映画会があった。「従業員の運動会」戸塚区上倉田町の東洋電機戸塚製作所が旧競馬場阿部組グランドで従業員と家族の憲法公布奉祝大運動会を開催。」

昭和21年11月3日付『神奈川新聞』一面
「平和に本の大道ひらく」の見出し。
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(画像の典拠は、国立国会図書館所蔵マイクロ資料:請求記号YBー150)

*次回は、 山梨篇。

※平和憲法を守る闘いに寄与するため、2014年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―

(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
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闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
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by kenpou-dayori | 2017-09-01 19:14 | 日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では


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