岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2017年 09月 01日

憲法便り#2137:シリーズ『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では、No.27: 三重篇』(第一回)

2017年9月1日(金)(憲法千話)

憲法便り#2137:シリーズ『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では、No.27: 三重篇』(第一回)

岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より

【伊勢新聞】憲法公布(十一月四日付二面より)

「歓びに震う旗行列 玉音に涙す若人の瞳 平和の誓いも新た 菊花の佳き日」菊花ふくよかに薫る明治節の佳き日、きのう三日新生日本建設の礎となる新憲法は、全国民歓喜のうちに公布された。この日、過去の悪夢や一切の汚らわしさを洗い清めるように前夜来からそぼ降り続けた秋雨は、降りやんだ。空は曇天だが、その曇り空こそ、明日の明るい晴天を約束され、古い型から脱皮して新しい自由と平和を求めて苦しみ悩む現在の日本の姿でもあった。午前八時から県下各地では、それぞれの記念行事が、つつましくも限りない喜びをもって繰りひろげられた。旗よちぎれよと打ち振る児童らの旗行列、そこにはかつて父を兄を戦場に送り出すため無理矢理に振らされた日の丸の面影はひとつもない。民主日本を背負って立つ若き者らの熱情だけが強く感じられるのだった。

[県庁]
県主催の記念祝賀式は午前十一時から県議事堂で官民多数出席のもと開かれた。
[津市]
津市では朝九時から市役所で祝賀式を挙行、また市内各学校から学童生徒約八千人が旗行列も賑やかに市内を練り歩き、平和国家への首途を祝った。午後一時からは育生国民学校で育生連合青年会主催の第一回芸能祭が、幾多華やかな芸能の華を咲かせて開幕されるなど、この日は終日憲法公布の祝賀一色に彩られた。(写真は児童の旗行列)
[松坂]
に相応しく、輝かしく明るい色を見せている。市街の各街角や電柱に貼られた松商生徒の憲法各条章に亘る墨痕鮮やかな清書、それは心ある人の胸を打つものがあった。この日松工の運動会も盛大に挙行され、各官公署は簡素の裡にも厳粛な式典を挙行、郡部でもこれに準じてそれぞれ式が執り行われた。
[宇治山田]
午前九時から臨時市会を開催し賀表を決議、直ちに市長名で総理大臣宛に発送した。次いで午前十時から市公会堂で各官公署代表、市会議員、各学校長、民生委員、町内会長など多数出席して官民合同の憲法発布祝賀式を挙行、挙式にあたって花火数発が打ち上げられた。またこの日、有緝(?)国民学校では十時から同校児童の旗行列を行い、南勢民主各派同盟では午後二時から市公会堂で記念講演会を催した。なお一般市民に対して市長から諭告が発せられた。
[鈴鹿]
「飛び出した仮装お嫁入」祖国再建の意義深き日本国憲法が新しく発布された三日、鈴鹿市神戸町でも希望に輝く市民はこの与えられた民主憲法発布を祝って歌に踊りに表情も軽く、街に流れる太鼓の音、囃子に、演奏曲にお祝いの絵巻は繰り展げられた催し物に、戦争で久しく忘れられていたお祭り気分を十二分に発揮し、各町思い思いの出し物に市民はここに笑いと喜びを取り戻した。そして、未だ帰らぬ人の帰還の早からんことを念じ、一日も早くこの悦びを供にし合う日の来るのを祈るのだった。かくて全市十六町内会からの出し物が市の中心地高館高市神社前広場に集合、午後一時に前進を開始し、若者の逞しい神輿を先頭に山車、仮装行列、はては旧憲法のお葬式、新憲法のお嫁入りなども飛び出し、見物人の腸をよじらせ、今日一日をお祝いに暮らし、明日からの新日本建設への力強い意思を示した。一方、鈴鹿市体育祭典は午前九時から神戸中学校校庭において盛大に行われた。
[四日市]
「祇園囃子も賑やかに」四日市市では午前十時半から第二国民学校で市の記念式典と祝賀会を挙行、民主日本生誕の第一歩を印す佳き日を祝福した。
▲この日、第二、第三、第八、富田各国民学校児童の旗行列が、街を日の丸一色に塗りつぶした。
▲各地区青年団でも、新正町では祇園囃子の屋台を練り巡し、富洲原では団員芸能大会、塩浜では相撲、四郷では卓球、排球大会など、若人のみなぎる熱と力を見せた体育絵巻を繰り展げた。
▲一方、焼都復興の先駆はここからと、銀座通りと謳われその繁華を誇った東、西中町通りの商店街では、慶祝行燈やアーチを飾り、一斉に復興大売出しを催した。
▲また、平た魚網、東洋紡績、石原産業、三重製田絨など工場街では従業員演芸大会、運動会など盛大に挙行、再起生産陣の頼もしい気魄を示すなど、爆発する十万市民の歓呼に包まれ全市は感激と歓喜のるつぼと化した。
[桑名]
朝まだき祝砲が市民の夢を破って炸裂、戸毎に日の丸の旗がひるがえって祖国の新生を寿ぐ。午前九時第五国民学校で記念式典を挙行、市長代理、市民その他多数参列、日本再建への決意を新たにし、各国民学校では学区毎に旗行列を展開し全市を旗の波と化せば、東洋ベアリングにおける桑員地区陸上競技大会は明朗溌剌たる体育絵巻を繰り展げるなど、終日祝賀行事にこの日を意義付けた。
(以下、三日付三面掲載の「各地の行事予定」より)
[亀山]
鈴鹿郡亀山町では亀山製糸工場、県立鈴鹿高女でそれぞれ秋季運動会、国民学校児童および幼稚園児の市中旗行列、八幡神社では関西各大学の学生相撲大会を開催。
[鳥羽]
鳥羽高女では午前八時から記念式を挙行、九時半から旗行列で町内を練る。
[三重刑務所]
「罪の人に紅白の餅」人権尊重を宣言する改正憲法公布の日、三重刑務所でも午前九時に祝賀式を行った後、受刑者全部に紅白のお餅を配給。午後は受刑者たちの組織する優良チームの野球大会を開催。職員、受刑者とも獄内をゆるがす哄笑に楽しい祝福の一日を過ごした。また、この日恩赦令によって、全受刑者六百十二名のうち約四百名が減刑の恩典に浴し、更生を誓った。
[平和の塔]
ここまで紹介した以外に、十一月に『伊勢新聞社』と『夕刊三重新聞社』が共同で、新憲法公布を記念して「平和の塔」の建設を提唱している。」
(注・呼びかけの文章は、秦始皇帝に始まり、マルコポーロにも言及している興味深い内容なので、時間と視力に余裕がある時に、追加したいと考えている。)

昭和21年11月3日付『伊勢新聞』一面
社説は、「新憲法と祖国再建の道」。
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(画像の典拠は、国立国会図書館所蔵マイクロ資料:請求記号YBー195)

*次回は、滋賀篇。

※平和憲法を守る闘いに寄与するため、2014年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―

(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
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by kenpou-dayori | 2017-09-01 22:02 | 日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では


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