岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2017年 09月 02日

憲法便り#2142:シリーズ『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では、No.32: 兵庫篇』

2017年9月2日(土)(憲法千話)
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憲法便り#2142:シリーズ『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では、No.32: 兵庫篇』

岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より

【神戸新聞】公布記念(十一月四日付三面より)

「歓びの花嫁さん 菊花薫る佳き日の港都」
一に憲法、二に復興、三に輝く新日本、待ちに待った新憲法は深みゆく秋日和の三日、明治節を卜(ぼく)して公布された世紀の朝ぼらけ、黎明日本の希望を込めたこの日港都では、あちこちに久しぶりの日の丸を掲揚してたえきれぬ歓びを秋風にたなびかせた。
▲県、市では午前十時からそれぞれ祝賀式典を挙行、新生の第一歩を踏み出した。
▲その他各官公署、町内会、学校、会社、工場、団体でも記念運動会、演芸会などそれぞれ趣向をこらしてこの日を祝った。
▲生田、長田、寒川などの神社で約十組の結婚式がとり行われ、人生の新生を謳った。△お宮参りの人々もドット繰り出すなど各所に微笑ましい風景が見出されたが、明治憲法発布当時の飲めや歌えやといった底抜けのお祭り騒ぎこそ見られなかったが、なにか堪えきれぬ頼もしい底力をうちに秘めて、意義深い一日を送った。
[新憲法展]
四日から九日まで、三越百貨店で県、市共催、在神各新聞社後援の新憲法展覧会が開催される。新憲法の趣旨を百二十余点の絵画や漫画で展示するほか米、英、仏各国の人権宣言書や民権、憲政の史料展示、自由の女神、リンカーン、板垣退助、マッカーサーらの立像も出陳(ママ)されて会場を飾っている。
[神戸市のヨイコにお祝いの羊羹]
神戸市では、三日を中心に七万の全市学童に憲法公布をお祝いする羊羹を特配した。

(三日付一面より)
▲西井美術館主催・毎日新聞社神戸支局後援「憲法発布を寿ぐ関西名流華道展」〔日時〕十一月四日から七日まで〔会場〕生田神社前西井美術館

(三日付二面より)
「県下大学高専英語弁論大会」
アメリカ友の会主催、神戸新聞社後援の新憲法公布記念兵庫県下全大学、高専学生英語弁論大会は、二日午後一時から神戸諏訪山国民学校で兵庫県軍政部教育課長代理バーンズ氏、原市外務課長らが出席して開催、熱演裡に午後三時半閉会した。成績は次の通り。
〔第一位〕関学予科中井誠
〔二等〕同大学部服部裕
〔三等〕神戸女学院岡田麗子。

英語弁論大会は、国際都市神戸にふさわしい記念行事で、私が調べた限りでは他の都市の行事にはない、出色の企画と言える。

(四日付二面より)
[神戸新聞社が主催または後援した事業]
神戸新聞社が企画した一連の記念事業の精神と概略は次の通り。
「待望久しかったわれらの新憲法は公布されました。これこそわが日本の国と民とを敗戦の惨苦から立ち上がらせ、ポツダム宣言の要請に応えて、真の文化的平和国家に新生さすべき一大宣言であります。この憲法はまさにわれらの生活に直結した法典であり今後国民自体の全き理解と実践とによって、理想国家の建設は約束せられるのであり、喜びにたえないところであります。わが社はここにその公布を祝し、県市民各位とその喜びをわかつべく、左の諸記念事業を開催し、または後援することになりました。切に御共鳴と御支援を願う次第であります。」

「神戸新聞厚生事業団設立」
「民主主義憲法のもと、平和日本再建のために、これからの生活において、われわれが努めつくさねばならぬことはあまりにも多いのでありますが、敗戦日本の現世相においては、社会の教化、援護に関する事業こそ何より喫緊重要な問題であるに鑑み、憲法公布記念として、ここに「財団法人神戸新聞厚生事業団」を設立することになりました。本財団は新憲法と時を同じうして発足し、民主国日本の建設に微力を效したい所存であります。今後事業資金の募集その他運営万般に関して、県市民各位のご協力に俟つものが頗る多いと存じます。何卒絶大なるご支援を賜りたく切望致します。
  
神戸新聞社『平和賞』制定(毎年五月三日に発表)
①社会功労賞(農山漁村篤業者、巷の義人、警察、消防官吏などより)
②文化賞(文化団体、文芸、美術、芸能家中より)
③体育賞(県下における運動競技新記録樹立者より)

「公布当日出生児祝頌」
〔資格〕十一月三日午前零時より二十四時までの間における兵庫県下の出生児で、両親、家庭または知人などより推薦申し込みのある方に限ります。

主催 神戸市・神戸新聞社「記念大講演会」
〔日時〕十一月十五日午後一時より
〔会場〕市役所正庁
〔講師〕法学博士佐々木惣一氏

神戸市・神戸新聞社主催「神戸市青年弁論大会」
〔日時〕十一月十日午後一時より〔会場〕市役所正庁〔弁士〕市内七区より各三名づつの代表弁士を選出。

兵庫県・兵庫県体育連盟主催 神戸新聞社後援「青年団駅伝継走大会」
〔期日〕一九四七年一月中旬 〔区間〕赤穂郡上郡町―神戸市間(二十二里半)

兵庫県・神戸市主催/後援在神各新聞社・神戸新聞社「記念展覧会」
〔期日〕十一月四日より十日まで〔会場〕神戸三越二階

主催兵庫県/後援在神各新聞社・神戸新聞社「記念音楽会」
〔期日〕十一月十八日=アマチュア・コンクール(県下アマチュア音楽団体競演)、十九日=歌劇(東京神宮寺歌劇団)宝塚歌劇団賛助出演〔会場〕宝塚大劇場

【 施行記念】(昭和22年5月3日号より)
兵庫県記念行事八つ(リズム体操祭、県民歌発表大会、茶華道大会、浪曲大会、青年相撲大会、青年野球大会、その他に青年行事と子供向け行事)

[神戸新聞社文化賞制定]
五月三日 神戸新聞社

〔編集中記⑦〕一九四六年十一月三日付で、兵庫県警察部警務課から『日本國憲法の解説』が刊行されている。同書はポツダム宣言全文、憲法改正に関する勅語、吉田首相の国会への提案理由説明、金森徳次郎による「憲法改正の特質、日本国憲法逐条解説、日本国憲法正文の構成で、逐条解説は条文ごとに「参考」として、議員名と共に質疑応答の要点が記されている。「はしがき」「あとがき」はなく、警察の職務との関係は一切記されていない、ごく普通の憲法解説書である。サイズは縦十八・八、横十二センチで、八十七頁。
インターネット検索で公的機関の所蔵が確認できたのは、京都大学図書館が同窓生から寄贈を受けた一冊だけ。友人の協力でコピーを入手したが、その後京都大学に行き、現物を確認している。個人で所蔵されている方があれば、ぜひ国立国会図書館に寄贈して頂きたく思っている。近く、神戸新聞社にその旨の投稿を予定している。」
(岩田注1:残念ながら、この投稿は、現時点では、まだ行っていない。)
(岩田注2:「編集中記」は、私の造語。編集後記では、問題点から遠く離れてしまうので、文献注とは別に、関連したエピソードを書き込んだもの。)

昭和21年11月4日付『神戸新聞』二面
すでに見たように、神戸新聞社が主催、または後援を行った文化事業は、かなり多数に及んでいる。
下段に、「慶祝 新憲法公布」と題した、兵庫県の祝賀広告が掲載されている。
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(画像の典拠は、国立国会図書館所蔵マイクロ資料:請求記号YB-677)

*次回は、奈良篇。

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以下は、再録です。

2013年6月1日

憲法便り#28 『心踊る平和憲法誕生の時代』の感想・紹介 第一回『神戸新聞』

『心踊る平和憲法誕生の時代』の感想・紹介
第一回は、「『神戸新聞』の巻」です。

神戸新聞社会部記者岸本達也さんから、次の御手紙と共に2013年5月21日付『神戸新聞』夕刊をお送り頂きましたので、紹介します。

「前略 大変遅くなりましたが、紙面化となりましたので、掲載紙を送付させていただきます。
5月21日付の夕刊です。(8ページ)
ご指摘の点、字数の問題などからすべてを反映することができませんでした。
このたびは、大変勉強になりました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
暑くなって参りましたが、お体、ご自愛下さいませ。」

5月3日前後の掲載を目指すということでご連絡を受け、4月末から、郵便、および電話とファックスで何回かのやり取りを経ての実現です。

記事の内容は、岸本さんが『心踊る平和憲法誕生の時代』の第四部を丹念に読んで下さったことが反映しています。見出しが、とても分かりやすく、「素晴らしい」と喜んでいます。

この夕刊が発行された当日から、代々木の美和書店には注文が相次ぎ、中には2冊、3冊の注文も。また、ある「九条の会」からは、相談をして後でまとめて注文をしたいという電話があったそうです。

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(記事部分)
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※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

以上は、再録部分です。
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※平和憲法を守る闘いに寄与するため、2014年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―

(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
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闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
ご注文は、下記の書店へ
美和書店 電 話03-3402-4146  FAX 03-3402-4147

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by kenpou-dayori | 2017-09-02 11:26 | 日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では


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