岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2017年 09月 03日

憲法便り#2152:シリーズ『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では、No.42: 愛媛篇』

2017年9月3日(日)(憲法千話)

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憲法便り#2152:シリーズ『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では、No.42: 愛媛篇』

岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より

【愛媛新聞】公布記念(十一月四日付二面より)
「今ぞ“魂”還る 街に村に歴史飾る慶び」戦い敗れてここに一年有余、誤れる神がかり的な世界観に指導されて来た国民は、真の自由と責任ある権利を確保、表現した。
憲法公布の日を、きょう菊の佳節に世界の視線を浴びて迎えた。
天皇は雲上から降りて国民の象徴となり、また世界に戦争の放棄を宣言し、さらに封建的な奴隷的家族制度を打破した男女同権……等の微笑ましい幾多の民主的要素を盛った憲法は、数々の希望を沸き立たせて輝かしい民主歴史の第一頁を飾ったのである。
顧みれば、明治二十二年の憲法発布以来半世紀に亘る矛盾に満ちた憲法は、民主的一大飛躍を成し遂げて国民の懐に還って来たのである。
――この日、朝来の晴天、菊花は燎乱と咲き薫り、新憲法発布に弾む足どりは、内省的な静かな式典から始められて徐々に高まり、運動会に、旗行列に、また特配酒に心浮かせた仮装行列となって夜遅くまで続き、喜ぶ団欒の光景は県下の街頭に、村落にも様々に点綴された。
腹はへっても“魂の還元”に謳い酔いしれる終日であった。

[松山]
「音楽会や講演」
学校、各職場別に記念式典を挙げ、市庁ホールでは記念講演会や音楽大会等を開催。また、愛媛師範学校では県庁前グランドで開校四周年記念を兼ねた運動会を挙行、約一千五百の男女生徒と付属児童が体育絵巻を展開。その他女学校でもそれぞれ記念の催しがあり、農村地区でも青年の演芸大会などが開かれた。

△愛媛新聞社主催「愛媛美術工芸展」(十一月三日~七日)
 第一会場(洋画・日本画)本社階上ホール、第二会場(同)本社別館、第三会場(美術工芸品)三越階上
[宇和島]記念式を三日午前九時から市議事堂で開催した。記念行事としては、旧グランドで職域野球、市民及び青年団のゴザネプリ、六千メートルのマラソン競争等あり、商工会館では中井コツフ氏の日本書個人展があり、各町内会で常会を行った。△宇和島市主催・愛媛新聞社後援の新憲法公布記念行事の「五社巡りマラソン」は、三日九時二十分市役所前を出発、参加十数チームが新生日本のスタートに相応しい秋空の下に敢闘、二十三分十二秒で坂下津青年団がトップを切ってゴールイン。続いて半秒の差で小池青年団、三番哈青年団で、十時から賞品授与式が行われた。
[今治]
市では三日新憲法公布に際し市役所で記念式典を挙行、新憲法全文を朗読した。引続き市民より募集の憲法公布用語入選発表等があった。
△なお同日一般市民へは祝賀用として、食糧営団今治支所を通じて家族三人まで一キロ、三人から五人まで二キロ、六人以上は三キロの割で新米を配給した。
△市は記念行事として、十日午後一時越智中学校講堂で憲法公布記念模擬市会を開催、青年団から三十名の議員を選出、市庶務課長の指導で模擬市会を行い、市政並びに憲法及び地方自治行政の実□を研究する。
[西条]
「花自動車や仮装行列」十時から西条高女講堂で記念式を挙行、この日同市では二台の花自動車がブラスバンドを乗せて町内を練り、また市内二ヶ所の演芸場では素人演芸が終日催されたほか、各町内会の仮装行列や山車が繰り出されて、民主日本の門出を寿いだ。
[新居浜]
三日の午後六時から市公会堂で祝賀講演会を開催、同日午後八時から討論会を行い、昼間は素人演芸大会を催し、また町内会では仮装行列を賑やかに繰り出した。
[八幡浜]
記念式を三日午前九時から市庁ホールで開き、市長の訓話を行った。
[伊予]
伊予地方事務所では憲法発布を記念して三日から年末まで伊予郡同胞援護強化運動を展開する。
[宇摩郡]
宇摩郡町村主催で学校、諸団体合同の式典と、三島、川之江、金生、上分の町村中には仮装行列、太鼓台が担ぎ出された。
▲三島勤労署は午前八時から三島中学校運動場で百三十工場従業員(五千六百七名)秋季運動会を開き、また三島青年団では敬老会を開いた。

〔編集中記⑨〕
父が八幡浜の出身なので、私は東京生まれだが結婚するまでの本籍地は八幡浜であった。たとえ一行でも記事が載っていたのは嬉しいことである。本書の読者の皆さんも、まず故郷の記事を探すことと思い、細大もらさず載せているうちに本書第四部は八十頁を超えた。」

*次回は、高知篇。

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以下h、【再録】部分です。

【 再録 】
「宇和島警察署長も、宇和島税務署長も」

今日は、『愛媛新聞』昭和21年11月3日付から、ふたつの紙面を紹介します。

ひとつ目は、11月3日付一面下半分に掲載された二段の祝賀広告です。

「民主日本の礎 新憲法公布を祝す」
これは、上の段にある企業10社の祝賀広告です。
伊予鉄道株式会社、日本通運、三越などの名前が並んでいます。

下の段は、他の新聞にもよく出ていた、出版社21社(22件)のセット広告です。
当時の出版の様子が分かって、興味ふかいものです。
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ふたつ目は、11月3日付二面下半分に掲載された祝賀広告です。
上段は、西条市長、今治商工会議所をはじめ、今治の企業、新居浜市長が名を連ねています。
下段は、宇和島市役所・市長・助役、宇和島営林署長、宇和島勤労署長、宇和島郵便局長、宇和島税務署長、宇和島警察署長のほかに、宇和島の企業・団体が名を連ねています。
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(画像の典拠は、国立国会図書館所蔵マイクロ資料:請求記号YB-37)

2006年2月11日に「愛媛九条の会」の招きにより、松山で講演を行ったことがあります。
翌12日午後に、「広島革新懇」からも講演依頼を受けていましたので、せっかく松山まで行きながら、松山城にも、道後温泉にも行けなかったことを残念に思っています。

松山での講演の際、飛行機が嫌いな私が、前日の10日に新幹線と特急を乗り継いで松山まで行った時のことを、詩の形で書きのこしています。
今日は、趣きを少し変えて、これを紹介します。

『早春の四国で』(憲法講演の旅より)

新幹線を降りた岡山で
私は「しおかぜ」に乗る
海にかかった大橋を渡り終えると
そこは父の故里につながる懐かしい四国

単調なレールの響きが
昼食後の眠気をさそう
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

いつの間にか眠りにおち
目をあけるたびに景色が変わる
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

おだやかな瀬戸内の海は
何事もないように青く美しい
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

お椀をふせたような島
トンガリ帽子のような島
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

反対側の窓を見ると
高い山にうっすらと雪がある
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

伊予柑の畑に
大きな実が落ちている
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

学校帰りの中学生たちが
ゆるい坂道を自転車でのぼってゆく
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

かわら屋根の家並
大きな町のコンクリートのビル
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

夕陽の中
列車はようやく松山に着き
私は駅の食堂で
「じゃこ天うどん」を食べた。

(2006年2月10日記)」

以上は、【再録】部分です。
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※平和憲法を守る闘いに寄与するため、2014年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―

(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
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闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
ご注文は、下記の書店へ
美和書店 電 話03-3402-4146  FAX 03-3402-4147

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by kenpou-dayori | 2017-09-03 11:46 | 日本国憲法公布、その日、あなたの故郷では


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