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2013年 05月 31日

憲法便り#26 憲法公布記念シリーズ(第15回)「当時の愛媛県では」

「宇和島警察署長も、宇和島税務署長も」

今日は、『愛媛新聞』昭和21年11月3日付から、ふたつの紙面を紹介します。

ひとつ目は、11月3日付一面下半分に掲載された二段の祝賀広告です。

「民主日本の礎 新憲法公布を祝す」
これは、上の段にある企業10社の祝賀広告です。
伊予鉄道株式会社、日本通運、三越などの名前が並んでいます。

下の段は、他の新聞にもよく出ていた、出版社21社(22件)のセット広告です。
当時の出版の様子が分かって、興味ふかいものです。

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ふたつ目は、11月3日付二面下半分に掲載された祝賀広告です。
上段は、西条市長、今治商工会議所をはじめ、今治の企業、新居浜市長が名を連ねています。
下段は、宇和島市役所・市長・助役、宇和島営林署長、宇和島勤労署長、宇和島郵便局長、宇和島税務署長、宇和島警察署長のほかに、宇和島の企業・団体が名を連ねています。

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2006年2月11日に「愛媛九条の会」の招きにより、松山で講演を行ったことがあります。
翌12日午後に、「広島革新懇」からも講演依頼を受けていましたので、せっかく松山まで行きながら、松山城にも、道後温泉にも行けなかったことを残念に思っています。

松山での講演の際、飛行機が嫌いな私が、前日の10日に新幹線と特急を乗り継いで松山まで行った時のことを、詩の形で書きのこしています。
今日は、趣きを少し変えて、これを紹介します。

『早春の四国で』(憲法講演の旅より)

新幹線を降りた岡山で
私は「しおかぜ」に乗る
海にかかった大橋を渡り終えると
そこは父の故里につながる懐かしい四国

単調なレールの響きが
昼食後の眠気をさそう
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

いつの間にか眠りにおち
目をあけるたびに景色が変わる
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

おだやかな瀬戸内の海は
何事もないように青く美しい
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

お椀をふせたような島
トンガリ帽子のような島
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

反対側の窓を見ると
高い山にうっすらと雪がある
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

伊予柑の畑に
大きな実が落ちている
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

学校帰りの中学生たちが
ゆるい坂道を自転車でのぼってゆく
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

かわら屋根の家並
大きな町のコンクリートのビル
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ガタンゴトーン ガタンゴトーン
ウトウト~ ウトウト
ウトウト~ ウトウト

夕陽の中
列車はようやく松山に着き
私は駅の食堂で
「じゃこ天うどん」を食べた。

(2006年2月10日記)

明日は、
○「第96条の問題について」
○『心踊る平和憲法誕生の時代』の感想・紹介
○「笑いのめそう!安倍政権」


※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから
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by kenpou-dayori | 2013-05-31 07:00 | 憲法公布記念シリーズ
2013年 05月 30日

憲法便り#25 憲法公布記念シリーズ(第14回)「当時の大分県では」

2013年5月30日

憲法便り#25 憲法公布記念シリーズ(第14回)「当時の大分県では」

「神話と伝説よ 左様なら」

今日は、『大分合同新聞』昭和21年11月3日付から四つの紙面を紹介します。

ひとつ目は、11月3日付二面の下半分に掲載されたふたつの祝賀広告。

民主日本の暁鐘 祝 新憲法公布」
この広告を出したのは、馬車、牛車、荷車の大量製作をしている大分市内の大分車輛工業株式会社。
平和国家建設 祝 新憲法公布」
これは、同じく大分市内にある大分鉄工株式会社による広告。

民主日本と平和国家建設が謳われています。

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ふたつ目は、11月3日付三面の上半分に掲載された「新憲法 けふ華々しく公布」の記事。

神話と伝説よ 左様なら」「晴がまし 主権在民 よろこび胸に、けふの言葉」と題して、県民13人の顔写真入りで、談話を報じています。13人のうち、9人は女性です。これは、全国的にみても、当時としては珍しい紙面構成です。その女性たちの談話の見出しとお名前を紹介しましょう。この紙面は下半分まで続いており、皆さん、とても意欲的です。

「私ども婦人の夜明け」大分市婦人会長 山上アヤ子さん
「再建に微力を捧げる」大分市船頭町内第三班 井村ヨネさん
「希望に生き抜こう」第一高女教諭 藤沼恵さん
「権利の裏に義務あり」明星美容専門女塾長 貝沼梅子さん
「男性依存にお別れ」大分管理部 原口幸子さん
「多年の努力の成果」大分師範女子部本科二年 吉富シズ子さん
「忠実な実行者たろう」第一高女五年 吉原澄江さん
「はかり知れぬ慶びあり」豊州高女四年 安部八重子さん
「仲よく手をつないで」大分市春日町校六年 玉繁満池子さん

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三つ目は、11月3日付三面の下半分。
「祝 民主日本の新憲法公布」と題した祝賀広告。
国立大分病院、国立別府病院、国立亀川病院と、三つの国立病院が揃っての意思表示です。

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四つ目は、11月3日付四面下半分の祝賀広告です。

「祝 民主日本の新憲法公布」と題した、24の企業・団体・個人の祝賀広告がありますが、
これに目を奪われて見逃してはいけない祝賀広告が、最下段の右隅にあります。

「新憲法公布記念 祝賀 仮装大舞踏会
「余興沢山あり、オールダンサー仮装でお相手!」
「お客様の仮装歓迎!」
これは、別府・北浜の「立花ダンスホール」が、11月3日夜に開催したもの。
庶民は、したたかです。

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大分県には、湯布院や国東半島など訪ねてみたいところがありますが、まだその機会をもっていません。
大分県平和委員会の方からは何回もご注文をいただいたことはありますが、その他には、なかなか接点ができませんでした。
ところが、つい先日、いつもお世話になっている郵便局の局員の方のひとりが、大分県のご出身であることがわかりました。
このおかげで、大分県が、ぐっと身近かになったような気がしています。

明日は、愛媛県です。

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by kenpou-dayori | 2013-05-30 07:00 | 憲法公布記念シリーズ
2013年 05月 29日

憲法便り#24 憲法公布記念シリーズ(第13回)「当時の鹿児島県では」

2013年5月29日
憲法便り#24 憲法公布記念シリーズ(第13回)「当時の鹿児島県では」

「歓呼の嵐に迎えられて けふ新憲法公布さる」「世紀の黎明!」

今日は、『南日本新聞』昭和21年11月3日付および4日付の紙面から、四点を紹介します。

ひとつ目は、11月3日付一面の下半分に掲載された、祝賀広告の素晴らしい文章です。
鹿児島県と鹿児島市が共同で出したものです。文章は、右から左へ書かれています。

まずは、見出し。
世紀の黎明!」「歓呼の嵐に迎えられて けふ新憲法公布さる

次に、下記の四行の文章です。
*新日本建設の国民的念願による日本国憲法は茲(ここ)に公布された‼
*われわれは平和と文化を熱望する自覚と責任を深めなければならない
*新生日本の暁鐘は高らかに耳朶(じだ)に響く!
*いざわれら この新憲法の基盤の上に新日本を正しく強く築かん!

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ふたつ目は、11月3日付二面の下半分に掲載された「祝 恒久平和の新憲法公布」の祝賀広告。
高山町、東串良町、鹿屋市、鹿児島市にある企業・団体、そして個人では衆議院議員、弁護士、鹿屋市長が名を連ねています。二階堂進衆議院議員の名前もあります。

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三つ目は、11月4日付二面の上半分。

「新憲法に湧きたつ佳節」「南日本にえがく慶祝一色の朗景 各地 歓びの行事に賑わう」の見出し。
そして、鹿児島市、鹿屋市、宮崎市、都城市、延岡市の様子が報じられている。
写真には、「市庁庭の賑わいと、南日本新聞社本社屋上からあげられたお祝いのアドバルーン」と説明されています。アドバルーンの下には、「祝 新憲法公布」の文字があります。

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四つ目は、11月4日付二面の下半分。
「祝 新憲法公布 復興は貯蓄から!」
これは、鹿児島の銀行7行が共同で出した祝賀広告です。

その斜め下に、黒沢明監督作品『わが青春に悔なし』の広告が掲載されています。

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明日は、大分県です。

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by kenpou-dayori | 2013-05-29 07:00 | 憲法公布記念シリーズ
2013年 05月 28日

憲法便り#23 憲法公布記念シリーズ(第12回)「当時の長崎県では」

2013年5月28日

憲法便り#23 憲法公布記念シリーズ(第12回)「当時の長崎県では」

「蛇踊りも」

今日は、『長崎新聞』昭和21年11月3日付と4日付の紙面からふたつ紹介します。

ひとつは、11月3日付二面の下半分に掲載された祝賀広告です。

「新憲法公布 明るく躍る佐世保商工界 平和な楽しい郷土建設
この祝賀広告にある言葉が、すべてを表わしていると思います。

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ふたつ目は、11月4日付三面の上半分の記事。

新時代の黎明 憲法公布の歓び湧く 各地で厳かに祝賀式典」
この見出しの下に、長崎、佐世保、島原、大村など各地の行事を伝えています。

その記事の隣には、「復興祭三日」の記事があります。見出しは、
「久しぶりの“蛇踊”」「昔懐かし“モッテコイ モッテコイ”の連続」とあります。

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原爆で壊滅的な打撃を受けた長崎の人々の、復興に立ち向かう姿です。

明日は、鹿児島県です。

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by kenpou-dayori | 2013-05-28 07:00 | 憲法公布記念シリーズ
2013年 05月 27日

憲法便り#22 憲法公布記念シリーズ(第11回)「当時の佐賀県では」

2013年5月27日

憲法便り#22 憲法公布記念シリーズ(第11回)「当時の佐賀県では」

今日は、『佐賀新聞』昭和21年11月3日から三つ、11月4日からひとつの紙面を紹介します。

『佐賀新聞』を調べる以前は、佐賀県との関連で思い出すのは、
早稲田大学創設者大隈重信さんの出身県、
唐津港、
伊万里焼、
吉野ヶ里遺跡、
熱気球大会、
と限られたものでした。

しかしながら、昭和21年11月3日の憲法公布記念日前後を調べているうちに、印象は一変しました。

公布当日、県内各地での記念行事は、とても活発でした。
憲法公布祝賀広告にも、各界からの平和日本再建、民主日本再建、復興への意欲が明確に打ち出されています。

それらを、以下の四つの紙面で紹介します。

ひとつ目は、昭和21年11月3日一面下の祝賀広告です。
「祝 新憲法発布 平和日本再建」の見出しの下に、各官署、学校等の名称が列記されています。

佐賀県庁、
佐賀市役所 職員一同、
佐賀地方裁判所長、
佐賀地方裁判所検事正、
佐賀高等学校長、
内務省佐賀国道改良事務所長・兼 鳥栖国道改良事務所長、
農林省 佐賀食糧事務所長、
佐賀警察署長、
佐賀郵便局長、
佐賀専売局長、
佐賀少年刑務所長、
佐賀県町村会長一同、
佐賀郡市中等学校 校長会、
佐賀市会議員一同。
個人名は省略しましたが、実にさまざまな人たちが意思表示をしています。

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ふたつ目は、昭和21年11月3日二面に掲載された、浦崎造船所単独での祝賀広告です。
「祝 憲法発布」「生産再開へ 一路驀進」という言葉の他に、船を建造中のイラストがあります。

「造船従業員 大募集」「採用人員 二〇〇名」とありますが、職種が興味深い。
木型工、鋳型工、熔解工、混砂工、旋盤工、
組立工、管工、製罐工、罫書工、撓鉄工、
電気瓦斯溶接工、組合工、取付工、船台木工、
鋲打工、鍛工、仕上工、銅工、塗装工、
船具工、木工、穿孔工。
船の建造が、多くの技術の共同作業であったことが判ります。

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三つ目は、昭和21年11月3日四面の、光り輝く国会議事堂と鳳凰のイラストを配した、「新憲法制定 民主日本再建」の祝賀広告です。
唐津市と東松浦郡の企業、および唐津市会議員30人の名前が連なっています。
それらの中に、時代を感じさせる「貝島炭礦株式会社 岩屋炭礦」の名前があります。
「唐津酒造界 東ノ木屋、古屋、酒井屋」とあるのも、日本酒ファンの私には気になるところです。

上の段には、「歌劇座、蓬莱座、大正座」が連名で出した「新憲法発布記念大興行」の広告。
祝賀広告とはなっていないが、その右隣に、「大日本相撲協会 東京大相撲 羽黒山、照国一行 百五十名一挙来演」とあり、さらに隣には、昭和館跡「平和劇場」の広告。この時代、各地の道路や橋、公園などにも「平和」という名称が付けられていました。

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四つ目は、昭和21年11月4日一面下の、佐賀県農業会による祝賀広告。
左に国会議事堂、右に鳩を配し、会長および4名の理事、常任監事、部長および室長11名の
名前が列記されています。

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佐賀県のみなさーん、私は、鳥取県と徳島県同様、佐賀県からもご注文をいただいたことがありません。よろしくお願いします。

明日は、長崎県です。

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by kenpou-dayori | 2013-05-27 07:00 | 憲法公布記念シリーズ
2013年 05月 26日

憲法便り#21 ご存知ですか?シリーズ(第5回) 「婦人参政権はベアテの贈り物ではありません」

ベアテさんが戦後、GHQで働くために5年ぶりに再来日したのは、昭和20年12月24日です。
ところが、それより1週間前に12月17日に、衆議院議員選挙法改正が公布・施行されています。

昭和20年10月9日に、幣原喜重郎内閣が誕生しましたが、この内閣の初仕事は、10月11日の午前中に行なった初閣議において、「婦人参政権」を閣議決定したことでした。

マッカーサーとの初めての会談で話題になったことについては、昨日すでに述べました。

閣議決定以来、帝国議会で論議を重ね、衆議院で議決のみならず、12月17日に枢密院で可決され、直ちに公布・施行されました。

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この選挙法改正により、婦人参政権のみならず、二十歳以上の男女に選挙権が認められ、有権者の数は、それまでの約三倍に増えました。

『ベアテの贈り物』という映画の上映運動が行われてから、主人公のベアテさんが多くの講演に呼ばれていました。
その影響で、日本の女性の権利はすべてベアテのおかげでもたらされたと信じ込んでいる方がかなりいます。
しかし、これは違います。

最初に述べましたように、女性の権利の中で最も重要な「婦人参政権」は、彼女が再来日する一週間前に、日本政府の提案と帝国議会での論議により、憲法改正を待つことなく確立しています。

講演でこの歴史的事実を話しますと、とたんに落ち着きがなくなる人を見かけることがあります。東京のある「九条の会」の講演でこの話をしたところ、驚いたことに、後日、狂信的なベアテ・ファンが、「ベアテさんに失礼だから謝れ」という手紙を寄こしたことがあります。
研究に基づく正確な歴史認識に対して、非論理的な熱狂により謝罪を求めるというやり方は、戦前のファシズムのやり方に通じるものであり、「九条の会」の運動にとって、相応しい態度ではないと思います。

この件については、改めて詳しく論じることが必要かもしれません。

明日は、憲法公布記念シリーズ(第11回)「当時の佐賀県では」

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by kenpou-dayori | 2013-05-26 07:00 | ご存知ですか?シリーズ
2013年 05月 25日

憲法便り#20 ご存知ですか?シリーズ(第4回) 「婦人の解放(社会参加)を唱えたマッカーサー」

いま、安倍首相は得意げに
「成長戦略の中核は女性の活躍」
「待機児解消」
と、何の具体的な保証もないのに、さも女性の味方であるような、無責任な発言を繰返しています。

でも、戦後の歴史を見れば、戦前から女性解放運動を続けていた方々を別として、最初に「婦人の解放(社会参加)」を日本政府に要望する形で公言したのは、マッカーサーです。

それは、昭和20年10月11日午後5時に、幣原首相が新任挨拶のためマッカーサーを訪れた時のことです。
この会談の冒頭で、マッカーサーは幣原首相に対して、「ポツダム宣言」の達成にあたっては「憲法の自由主義化」を前提とすること、そして、改革五項目の速やかな実行の期待を伝えます。
その五項目は、以下の通りです。

婦人解放(社会参加)、
労組結成奨励、
学校教育自由化、
秘密審問撤廃、
経済機構民主化。

最初に婦人解放と書きましたが、これは私が順位をつけたのではなく、幣原とマッカーサーとの会談記録に書いてある通りの順番です。

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この話を始めるに際に、マッカーサーは、
「決して無理なことを期待しているのではない。もしも、無理または実行不可能と考えられることは、忌憚なく指摘するように」と付言しています。

これに対して、幣原首相は憲法には言及せずに、
「閣僚と相談の必要はありますが、五項目を通して実行が全く不可能なことはなく安心しました。第一の婦人参政権の件は、その実施については、閣議において内定しています」と応えています。

これを聞いたマッカーサーは、「素晴らしい。是非とも、そのように実行してほしい」と伝えています。

安倍首相の口先だけの薄ペッらな演説よりも、マッカーサーの五項目の要望の方が、社会的視点が民主的・進歩的です。

明日は、ご存知ですか?シリーズ(第5回)「婦人参政権はベアテの贈り物ではありません」

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by kenpou-dayori | 2013-05-25 07:00 | ご存知ですか?シリーズ
2013年 05月 24日

憲法便り#19 憲法公布記念シリーズ(第10回)「当時の富山県では」 『北日本新聞』編 その3

今日は、昭和21年11月3日付四面と11月4日付二面の紹介です。

ひとつ目は、昭和21年11月3日付四面の上半分。
「老政客五人男の感慨」と題して、写真入りで5人の次の発言を紹介している。

「遠く多難な航路」元代議士 荒井建三翁
「これこそ人間の憲法」山川亨翁
「権利八分 義務十二分」日給十銭からたたきあげた高島義一翁
「生かすも殺すも人間ぢや……と」往年の闘士 菅原滋治翁
「慶賀より反省を 有頂天は禁物」片口安太郎翁

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ふたつ目は、11月3日付四面の下半分。
企業10社と6農業会の祝賀広告は、
「新日本再建 民主憲法公布 平和文化建設へ」とあります。

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三つ目は、11月4日付二面の上半分。
「くにのあゆみの 第一日」「永劫に記念して 県下は祝賀の一色」の記事に付されている写真「街のニコニコ風景」の説明は次の通りです。
1.お祝いのお菓子特配にニコニコ(富山市呉羽国民学校にて)
2.新湊町の慶祝山車……中町の曳山
3.可愛い祝賀おどり『京の四季』 二日夜県会議場での舞踊と音楽の会
4.高岡市中を練り歩く仮装行列
5.大和高岡店前で舞い狂う獅子

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四つ目は、11月4日付二面の下半分。

「富山東二業組合」の45店が連名で出した祝賀広告の言葉は、次の通り。
平和の新しき首途を祝す 民主憲法公布」

二業とは、『広辞苑』によれば、「芸者屋と料理飲食店の営業」です。
芸者さんを呼んだ酒席で、「今日からは、男女同権」などという会話が交わされたかどうか?


なお、二面の上下にまたがった部分に、北日本新聞社が主催する「新憲法公布記念」行事が伝えられている。
1.第一回 富山市学童野球大会 五日~七日 不二越グランド
2.秋の芸術祭(九日 高岡 歌舞伎座、十日 富山 富山座
3.県下 柔道選手権大会 十一日 富山座

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明日は、ご存知ですか?シリーズ(第4回)「婦人の解放(社会参加)を唱えたマッカーサー」です。

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by kenpou-dayori | 2013-05-24 07:00 | 憲法公布記念シリーズ
2013年 05月 23日

憲法便り#18 憲法公布記念シリーズ(第9回)「当時の富山県では」『北日本新聞』編 その2

今日は、昭和21年11月3日付二面と三面の紹介です。

ひとつ目は、昭和21年11月3日付二面の上半分。
「新憲法の意義と国民の心構え」と題しする記事に、憲法担当大臣金森徳次郎、衆議院憲法改正案委員会委員長芦田均、憲政の最長老尾崎行雄の談話が掲載されています。
その右側には、「黎明日本の歓び」と題する写真があります。

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ふたつ目は、11月3日付二面の下半分に掲載されている祝賀広告です。
「国家の繁栄と国民の福祉へ 民主 新憲法公布 一路永遠の自由と平和へ」とあります。 

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三つ目は、11月3日付三面の上半分。
「くり展ぐ奉祝絵巻」という記事とならんで、「“街の祝賀”風景」と題する四点の写真が掲載されています。その説明は、
1.大和劇場のチケット売り場
2.明治屋喫茶店
3.ヨイコたちに配給される祝賀のお菓子(富山市五福、製菓組合にて)
4.大居商事のショーウインドウ

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四つ目は、11月3日付三面の下半分。
「祝 新憲法公布 民主国日本建設」の祝賀広告は、「日本の再建はあなたの貯蓄で!」という富山銀行協会の言葉で始まっている。
その下に、「自由の輝き燦たり 新憲法公布」と題した、企業五社の広告があります。

また、上の中央にある「新憲法を祝う 今日の催し」欄には、次のことが報じられている。
記念県民大会、
高岡市民体育祭、
高岡競馬大会、
論文募集 題『大高岡論』

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明日は、11月3日付四面と11月4日付二面の紹介です。

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by kenpou-dayori | 2013-05-23 07:00 | 憲法公布記念シリーズ
2013年 05月 22日

憲法便り#17 憲法公布記念シリーズ(第8回)「当時の富山県では」『北日本新聞』編 その1

「お祝の人文字も」

富山県では『北日本新聞』と『富山新聞』(昭和21年3月11日創刊)の二紙がありますが、『北日本新聞』の紙面は、『富山新聞』との比較のみならず、全国各紙の報道と比較しても、当時の世相を最もよく、広範に伝えています。
したがいまして、『北日本新聞』に基き、今日から3回にわたって富山県を特集します。

今日は、昭和21年11月3日付一面を、上下ふたつに分けて紹介します。

はじめは、昭和21年11月3日付一面の上半分です。
最上段の右から左に『祝 シンケンポウ』とありますが、これは次のように紹介されています。「よき日を祝う人文字」「新憲法公布―富山市安野屋校ではこの佳き日を祝い、全校のヨイ子たちの感激を人文字でと、先生もヨイ子も共々に『祝、シンケンポウ』の文字を鮮やかにえがきだした。」
一面トップの記事は「新憲法けふ公布 国家再建へ世紀の祝典」、左側の論説は「新憲法公布を祝ふ」です。

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ふたつ目は、11月3日付一面の下半分です。
下段に「築□□ 民主国日本 新憲法公布」の祝賀広告があり、そこには、次の言葉が書かれています。

戦争の放棄を宣言して世界平和と民主化への大道を定めた新日本憲法は今日公布された。
然して、今回の新憲法は、悲惨なる敗戦に伴う祖国再建の基本構想をあますところなく定め、国家と国民の向かうべき大道を明かにした、正に画期的な法典である。
今や我れら国民のすべては、諸国民との協和と自由の恵澤とを確保し、再び戦争の惨禍を繰返さないと固く決意し、此の憲法を自らのものとし、廃墟と窮乏の中から起ち上がって、新しい民主主義国家を建設すべき責務を銘感せねばならない。

この格調高い文章に続いて、次の人々の名前が掲載されています。
富山県知事、
富山市役所 市長、
高岡市長、
富山県会議員(議長、副議長、議員25名)。

その左上に、北陸配電株式会社の「祝新憲法公布」と書いた祝賀広告には、次の言葉があります。
「パッと明るく楽しく 平和日本の大道へ‼」

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『北日本新聞』と『富山新聞』も、3.11大震災直後の時点では国立国会図書館が所蔵していなかったため、富山県立図書館で調査した資料です。

開館と同時に入館し、マイクロリーダーの席を確保するために、自宅を六時前に出発して富山駅着。そして、富山駅からはタクシーで千数百円の距離にある、小高い山の中にある富山県立図書館へ。

この図書館で一番困ったことは、マイクロフィルムがネガフィルムのため、黒い画面にある白い文字を読まなければならなかったことです。かなり苦労した上に、コピー代は、公立図書館としては最も高い一枚50円でした。でも、コピー代を支払った時には、一万円でお釣りが少しあった程度でしたが、苦労が実ったという充実感がありました。

この富山訪問は、私にとっては2回目のことでした。
初めての訪問は、2006年9月2日(私の64歳の誕生日)に開催された「富山医療生協 2006年度通信教育会開講式記念講演」に招かれた時。この日程は、9月1日から3日まで開催される「風の盆」と重なっているため、富山市内のホテルは満杯で、高岡市内のビジネスホテルをとっていただきました。その結果、思いがけない勉強をすることになりました。

富山市は、戦争中に米軍機の激しい爆撃により壊滅的な打撃を受けましたが、高岡市は爆撃を受けなかったため、古い街並みと、昔からのたたずまいが残っていたのです。
私が講演に招かれたところでは、「非戦災地」というのは少ないので、高岡の町並みは印象的でした。

講演会は勿論成功しましたが、この講演のきっかけを作って下さったのは、映画監督本木克英さんのお母さんでした。彼女は、富山県母親大会や、富山医療生協で活発な活動をなさっており、拙著『検証・憲法第九条の誕生』を注文して下さったことがきっかけで知り合いました。

本木克英監督のことは、丹波哲郎が天狗堂という富山の製薬会社の会長を演じた『釣りバカ日誌』で知りましたが、彼は、山田洋次監督流の浜ちゃんの「裸踊り」を拒否して、自分なりの作品を作り上げた、信念の方です。
映画『おかえり、はやぶさ』で、日本中の感動を呼んだことは、納得がいく結果です。

明日は、昭和21年11月3日付二面と三面の紹介です。

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから
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by kenpou-dayori | 2013-05-22 07:00 | 憲法公布記念シリーズ