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2013年 06月 30日

憲法便り#89 「笑いのめそう!安倍政権」(30) 『刺客(しかく)』

『刺客(しかく)』

記者A:「安倍降ろしに四人の刺客」
     という記事があったが? 
記者B:そんな者は、無用だろう!
     すでに息切れしているさ。
         ―「誤報社」発
  (新宿区・天才デコポン)


明日は、
○連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第四回)
○「笑いのめそう!安倍政権」

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから
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by kenpou-dayori | 2013-06-30 08:00 | 天才デコポンが追及する!
2013年 06月 30日

憲法便り#88 連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第三回)

2013年 06月 30日
憲法便り#88 連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第三回)

第二の理由
(天皇の特権的地位に関する四項目)の前半(第一項目及び第二項目)
さらに共産党は、当憲法草案が発表された時、主権在民を明記することを主張しました。幸いにして我々の要求は容れられ、前文にこれが明記されました。これはこの憲法の一歩前進である。しかしそれではこの草案は果して主権在国民の思想を一貫したものであるかどうか。遺憾ながら実質はそうではない。ここに問題がある。
主権在民の羊頭を掲げて、非民主的な狗肉、言換えれば、主権在君の狗肉を売らんとするのがこの憲法であります。先程どなたかがそこらで羊頭狗肉と言われたがその通りだと思います。これが当草案の本質である。これは一体どう云う意味であるかと言えば、第一にもし国民に主権があるならば、なぜ憲法の第一章に先づ国民に付いての規定を設けないのか。この草案では第一章に国民が来るのではなくて、国民の中の一人に過ぎない天皇の規定が第一に来て居ります。金森国務大臣は之を説明して曰く、天皇は国民の統合の象徴だから……(「其の通り」と呼ぶ者あり)。
しかしどうして象徴を前にして実体を後にしなければならないのか。ここに問題がある。天皇の地位は国民の意思に由来すると憲法に明記してある。これは国民が実体であって、天皇は単なる象徴に過ぎない、こう書いてある。それならば実体である所の国民が先づ第一に規定されるべきである。
日の丸の旗は我が国の象徴である。では第一章第一条に日の丸の旗を規定することを政府は賛成されるでありましょうか。勿論賛成されない。世界の何処の憲法にも、象徴である国旗を劈頭に掲げるものはない。それではなぜ政府は此のようなことをするのであるか。それは即ち天皇を神聖化し、天皇に特権的地位を与え、天皇を国民の上に君臨させようとする政府の意図があるからであります。
第二に、抑々民主主義とは、国民が自らの手に依って政治を行なうことであります。したがって国家機構の中に、国民の意思に依って自由に選任し、或は罷免することの出来ない機関を設けることは、これは徹底した民主主義ではない(「ノー、ノー」)。これは必要なことです。
ところが、当草案には、国民の選任し罷免することの出来ない世襲の天皇を存置し、その天皇の手に諸種の重要な特権を与えて居ります。即ち当草案の第六条第七条に依って、天皇の手には十一の色々政治的な、あるいは儀式的な国事が与えられて居る。その中には総理大臣の任命、国会の召集と解散、総選挙の執行の如き重要な権限が含まれて居ります。かくの如き重要な権限を天皇に与えることは、民主主義の原則から言えば、明かに逆行するものである。
これらの天皇の権限は、国会の指名や或は内閣の承認と助言が必要でありますが、しかし天皇が総理大臣の任命や国会の召集、解散や総選挙の執行を拒絶した時にはどうなるか、この憲法には拒絶しないと云う保障は一つもありませぬ。ここに我が国の政治の将来に取って重大な危険があると我々は考えるのであります。過去の日本の歴史にあっては、官僚や軍閥が天皇の特権を利用して凡ゆる虐政を行って来た。この憲法草案では、そのようなことが将来再び起らないと云う保障はないでのあります。天皇の特権的地位が将来再び官僚や保守反動勢力の要塞とならないと云う保証はないのであります。我が共産党が当憲法に賛成しない理由もここにあるのであります。
(次回に続く)

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by kenpou-dayori | 2013-06-30 07:00 | 日本共産党が反対した四つの理由
2013年 06月 29日

憲法便り#87 「笑いのめそう!安倍政権」(29) 『裏ぐち』

『裏ぐち』

秘 書:96条の改悪は、
     裏口入学だと騒いでますが。
首 相:気にするな!
     裏口に、表口と書いておけ!
        ―『誤報社』独占入手
  (新宿区・天才デコポン)

明日は、
○連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第三回)
○「笑いのめそう!安倍政権」

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by kenpou-dayori | 2013-06-29 08:00 | 天才デコポンが追及する!
2013年 06月 29日

憲法便り#86 連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第二回)

2013年 06月 29日
憲法便り#86 連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第二回)

【第一の理由】
当草案は集会、結社、言論、出版等の自由の保障をして居ります。しかしこれらの紙の上において規定されただけでは、貧乏人がこの自由を行使するに必要な、例えば集会の「ホール」、出版に必要な印刷所、紙、これらが国家に依って保障される時、初めて勤労民は集会や出版の自由を獲得するのであります。それ故に共産党は、憲法の上におけるこれらの自由に対する物質的保障を要求したのであります。
さらに共産党は勤労の権利と共に最低賃金、八時間労働制、失業者が保護を受ける権利、勤労婦人が特殊の保護を受ける権利、寡婦が保護を受ける権利、老年者や疾病者や労働災害者が保護を受ける権利、労働者や戦災者が住宅を保障される権利、農民に対する耕作権の確立、以上の如き規定を当憲法に設けることを主張したのであります。なぜならばこれらの権利は働く者に取っては基本的なものであり、これは憲法において規定され、保障されるべきものであって、議会内の多数決に依って容易に変更し得るような一般法律の上で規定さるべきものではない、斯く我々は信ずるのであります。
しかしこれらの要求は総て否決されたのであります。当草案には、財産権の保護の為には非常に鄭重な規定があります。これは財産を持って居る資本家や大地主の保護であることは言うまでもない。これは財産のない貧乏人に取っては意味のない条項であります。このように政府は金持ちの保護の為には熱心であるが、貧乏人の生活権や労働権を保障するような規定を設けることには反対して居る。我々は勤労者の保護の規定を十分に含まないような憲法に賛成することは出来ない、これが我々の憲法に反対する第一の理由であります。
(次回に続く)

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by kenpou-dayori | 2013-06-29 07:00 | 日本共産党が反対した四つの理由
2013年 06月 28日

憲法便り#85 「笑いのめそう!安倍政権」(28) 『狂言まがい』

『狂言まがい』

くにぬし :太郎冠者おるか。
太郎冠者:おん前に。
くにぬし :天下治まり太平の世なれば
      遠国への旅に出ようと思う
      汝、留守居をせい。
太郎冠者:かしこまってござる。
くにぬし :絵草紙にうつつをぬかさず、
      摺り師黒田に、新札を作らせよ。
太郎冠者:こころえました。
      たやすいことでござる。
     ―『新コテンコテン文学全集』より
          (新宿区・天才デコポン)


明日は、
○連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第二回)
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by kenpou-dayori | 2013-06-28 08:00 | 天才デコポンが追及する!
2013年 06月 28日

憲法便り#84 連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第一回)

今日から六回に渡り、『日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由』を連載いたします。

日本共産党の当時の主張をどのように判断するかは立場によって違いがあるのは当然です。
しかし、当時の状況と論議の内容抜きに、「反対」したことだけを取り上げて共産党攻撃を行なっている場面をテレビの討論番組で見ることがあるし、選挙その他の場面で行われることをことを聞き及んでいます。
事実に基づかない論議は、公平ではないと思います。
したがって、ここに議事録を紹介しておきたいと思います。

ただし、野坂参三議員の発言内容について、日本共産党が現時点でどのような見解を持っているのかは問い合わせておりません。

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野坂参三議員が日本共産党の代表として述べた反対意見を紹介します。

典拠は、『昭和二十一年八月二十五日の官報号外 第九十回帝国議会 衆議院議事速記録第三十五号 第二読会』の514-516頁に収録された野坂参三議員の反対理由の全文です。
長文なので下記の六回に分けて連載します。原文には小見出しはありませんが、私が小見出しをつけ、その部分は赤字で示しました。
なお、原文は旧字体、カタカナ、旧仮名遣いですが、書き改めてあります。

第一回【はじめに】
第二回【第一の理由】…勤労者保護規定を十分に含まない
第三回【第二の理由】天皇の特権的地位に関する四項目の前半(第一項目及び第二項目)
第四回【第二の理由】天皇の特権的地位に関する四項目の後半(第三項目及び第四項目)
第五回【第三の理由】…参議院は保守反動勢力の温存計画
第六回【第四の理由】及び【まとめ】

【はじめに】
○野坂参三君 私は日本共産党を代表しまして、今上程されました委員長報告修正案及びこれと切離すことの出来ない全憲法草案に付て、私達の所見を述べ、この修正案及び原案全体に対して反対の意見を述べたいと思うのであります。
当憲法改正草案が現在行われて居る憲法よりも進歩的である、この事実を我々は率直に認めるものであります。しかしこの草案の条文及び本議院に於ける諸大臣の答弁を慎重に吟味する時、この草案は「ポツダム宣言」の要望するような、また我が国民の欲するような完全な民主主義を実現せず、むしろ不徹底と曖昧と矛盾に満ちて居ると我々は考えるのであります(「ノー、ノー」)。なぜそのようなことが起ったのか、それは、幣原前内閣及び吉田現内閣が、心の底からの熱意を持って、これを作ったのではないからであります。即ち世界の民主主義的輿論と日本国内人民の民主主義的要望の圧力に抗し得ずして、実はいやいやながら作ったのである(「ノー、ノー」)。しかも吉田内閣は、この草案を余りに民主主義的にすることは、自己の意思に反すると共に、国内の保守反動勢力の反撃に遭うのである。斯くして内外の民主的勢力と国内の保守勢力との間を政府がうろついた結果の苦悶の産物が、即ちこの憲法草案である。形だけは民主的であるが、内容は出来るだけ封建的遺制を遺そうとする苦心の跡が歴然と現れて居る(「ノー、ノー」)。共産党はこの草案が出来るだけ民主主義的に修正されることを主張した。併し此の主張はことごとく容れられなかったのであります。そこで共産党は此の草案の衆議院通過に反対せざるを得なくなった。以下にその理由を出来るだけ簡単に述べたいと思います。
(次回に続く)

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by kenpou-dayori | 2013-06-28 07:00 | 日本共産党が反対した四つの理由
2013年 06月 27日

憲法便り#83 「笑いのめそう!安倍政権」(27) 『最後のつぶやき』

『最後のつぶやき』

クソ内閣の、クソ大臣に
左遷されてしまいました(笑)!
オレはホンネをつぶやいただけで、
悪いことは何もしてませーん。
オレより悪い奴なんて
ウヨウヨしてるのにさあ(怒)!
           ―クソ官僚より
(新宿区・天才デコポン)

明日は、
○連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第一回)
○「笑いのめそう!安倍政権」

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by kenpou-dayori | 2013-06-27 08:00 | 天才デコポンが追及する!
2013年 06月 27日

憲法便り#82 ご存知ですか?シリーズ(第7回) 「衆議院本会議での『日本国憲法草案』の採決結果」

まず、日本国憲法確定に至る一日の経緯を、簡単にまとめます。

昭和21年8月24日(土)午前10時に招集された本会議は、午前10時50分に「第一読会の続き」として開催された。開会時の出席議員数は406名。(注:「読会」については、この項の最後に説明します。)

最初に事務的な報告、磯貝詮三議長の辞任と山崎猛の新議長就任が報告され、二人の挨拶および議員代表による前議長への挨拶並びに新議長への祝辞が述べられた。
本題に入り、芦田均憲法改正案委員長から修正案および四項目の付帯決議の報告が行なわれた。
最初の発言として、質疑の通告をしていた尾崎行雄議員から賛成討論があり、委員長答弁なしで午後零時39分に休憩。

午後1時56分再開。第一読会は午前までの議事で終了とし、午後は第二読会の開催に決する。
第二読会の冒頭で、日本社会党原彪之助議員その他三名から提出された修正案が提案されたが、起立少数で否決。

その後、委員会修正案に対する各党・会派からの代表討論が行なわれた。
発言は、日本共産党野坂参三、自由党北 吉、日本社会党片山哲、協同民主党林平馬、新政会大島多蔵、無所属倶楽部田中久雄の各議員。
反対は日本共産党のみで、他はすべて賛成であった。
代表討論が終了した後、直ちに起立による採決が行われた。

【第二読会の議決】
議決に関する山崎議長の発言は次の通り。
七名を除き、その他の諸君は全員起立。よって本案は委員長報告の通り、三分の二以上の多数を以って可決致しました。これにて本案の第二読会は終了致しました(拍手)。」

【第三読会の議決】
そのあと、動議により直ちに第三読会が開かれ、記名投票による採決が行なわれた。結果は次の通り。
投票総数   429票  
白票(賛成) 421票
青票(反対)  8票
反対議員8名のこの時点での所属政党または会派は、穂積七郎が新生会、細迫兼光が無所属倶楽部、それ以外の6名は日本共産党の全議員で、柄澤すゑ子、志賀義雄、高倉輝、徳田球一、中西伊之助、野坂参三。(注:徳田球一は、選挙時は次点であったが、鳩山一郎が公職追放になったあと、繰り上げ当選となっていた。)


【10月7日の採決】
その後、直ちに貴族院に送付され、10月7日(月)に貴族院から回付された修正案の採決が行われた。
出席議員三四七名。五名を除き、全員起立。
この採決により、憲法は確定した。
したがって、これら三つの採決における賛否の票数は、すべて異なっています。

【読会】について
帝国議会衆議院本会議の議事録には、「第一読会」「第二読会」「第三読会」の三段階があります。この読会という制度について、2008年に衆議院事務局に問合せたところ、「そのような歴史的な事柄は、難しいことであって、そう簡単には判らない」ということでした。
しかし、この疑問は、『広辞苑』により、いとも簡単に解決しましたた。
下記に「読会」の項目をそのまま引用します。
「【読会】(reading)(イギリスの議会で、印刷術の進歩しなかった時代に、書記官に議案を三度朗読させたことに起るという)議会で法令などを審議する際、最初に全体的に検討し、次いで各条審議をなし、最後に重ねて全体的に検討し決定する制度。わが国の旧議院法には三読会の規定があるが、現在の国会法にはない。」

昭和21年8月24日(土)の「第二読会」における記名投票の結果
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by kenpou-dayori | 2013-06-27 07:00 | ご存知ですか?シリーズ
2013年 06月 26日

憲法便り#81「笑いのめそう!安倍政権」(26) 『安全晋話・二重唱』

『安全話・二重唱』

首 相:サイン入りの
     統一原発ですー♪
低い知:きれいで、安全
     わたしみたいにー♪
首 相:事故がなければ
     絶対安全ですー♪
低い知:事故があっても
     ひとりも死にませんー♪
首 相:売ってしまえば
     こっちの勝ちさー♪
低い知:批判なんかは
     全然気にしなーいー♪
 
ふたり:野党どもを黙らせろ!
     ジャーナリストを黙らせろ!
     シャラップ、シャラップ、
     シャラップ、シャラップ、
     売っちゃえ、売っちゃえ、
     売っちゃえ、売っちゃえ!

     規制委員を
     たたいて、押さえて、
     新規建設
     どんどん、やっちゃえ!
     再稼働も、
     やっちゃえ、やっちゃえ!

     あとは野となれ、
     あとは野となれ、
     あとは野となれ、
     やーまとなーれー♪
    
―自滅党(日本を自滅させる党)作作曲
    (新宿区・天才デコポン)


明日は、
○ご存知ですか?シリーズ(第7回)衆議院本会議での『日本国憲法草案』の採決結果
○「笑いのめそう!安倍政権」

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by kenpou-dayori | 2013-06-26 08:00 | 天才デコポンが追及する!
2013年 06月 26日

憲法便り#80 昭和20年の憲法民主化世論 「まとめと問題提起」

昭和20年の憲法民主化世論「まとめと問題提起」

「昭和20年の憲法民主化世論 新聞記事編」の連載は、昨日の第23回で終了です。

この連載を開始するにあたって、次の指摘をしておきました。

※憲法便り#30 特集・昭和20年の憲法民主化世論(解説編)

「昭和20年9月から12月までは、平和憲法誕生への道筋が敷かれた重要な時期です。
しかし、従来の憲法研究では、この時期に行われていた「憲法の民主化」及び「憲法改正手続きの民主化」の世論形成、国民の平和憲法受け入れの素地についての実証的な言及は欠落していました。その結果、粗雑な「押し付け憲法」論、「自主憲法制定」論の横行を許してきました。
また、研究においての当時の新聞報道の利用も、主として『朝日新聞』に依拠し、それを補完するように『毎日新聞』が引用されてきましたが、他の新聞は稀にしか引用されてきませんでした。
地方紙も、地域研究を別とすれば、あまり触れられることはありませんでした。
しかし、丹念に調べてみると、光り輝く社説や記事が多数存在しています。
中央目線からの研究だけでは把握出来ない、地方目線からの研究の重要性を、ここではっきりと強調しておきたいと思います。」

この主張を実証するために、ここまで23回にわたる新聞記事編で、「社説」及び「記事」の具体的内容を紹介してきました。
その結論として、下記の6点を明確に述べておきます。

①「憲法の民主化」及び「憲法改正手続きの民主化」の世論形成は、日本国民により主体的に行われた。
②この世論形成は、昭和20年12月末の時点ですでに完了していた。
③世論形成には、日本の新聞各紙が大きな役割を果たした。
④マッカーサーは、10月11日に幣原首相に対して憲法の自由主義化を前提とした5項目にわたる改革の「要望」は伝えたが、「命令」や「指令」は行っていない。会談記録を読むと、『朝日新聞』や『讀賣報知』が見出しとしている「命令」や「指令」は、翻訳の誤りである。『毎日新聞』はこれを正しく「要望」と伝えている。したがって、「押し付け憲法」論は誤りである。(この件は、すでに6月7日の#40で紹介済み)
⑤「憲法研究会」が発表した『憲法草案要綱』は、日本の世論のみならず、連合国総司令部側でも高い評価を受けた。
⑥連合国総司令部では、「憲法研究会」に依拠してGHQ草案を作成し、昭和21年2月13日に、これを日本政府に提示した。

【問題点の指摘】
憲法をめぐる情勢が一段と厳しさを増していますので、ここで先行研究の問題点について指摘をしておきます。
歴史教育者協議会編『日本国憲法を国民はどう迎えたか』(高文研、一九九七)は十六人の著者による論文集で、その六番目に渡辺賢二著「雑誌、新聞等に見る新憲法の光と影」が収められています。

この論文に「新聞「民報」が問いかけたもの」題した節があり、次のように書かれています。
「戦前、国策に積極的に協力したことについて、戦後多くの新聞がその反省を表明したが、では憲法制定に関してオピニオンリーダーの役割を十分に果したかといえば、否定的評価を下さざるを得ない。そのなかで、『民報』は異色であった。」(159頁)
 この論文には、『民報』以外には具体的な新聞名は書かれておらず、いかなる調査に基いて、新聞全体をひとくくりにしたこの断定を行なったのかについては、何ら説明がありません。
 新聞が果したオピニオンリーダーとしての役割に関しては、この「昭和20年の憲法民主化世論」シリーズにおいて多数の実例を挙げて詳述しました。

 したがいまして、憲法改悪の動きに対して積極的な闘いを展開するために、歴史教育者協議会編『日本国憲法を国民はどう迎えたか』の渡辺論文の記述に関して、同協議会の事務局長との間で行ったやり取りも含め、【問題提起】と題する別項を設け、少し詳しく論ずることと致します。

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by kenpou-dayori | 2013-06-26 07:00