岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2017年 05月 11日

憲法便り#2003:5月1日ー5月10日掲載『憲法便り』一覧リスト!

2017年5月11日

憲法便り#2003:5月1日ー5月10日掲載『憲法便り』一覧リスト!


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by kenpou-dayori | 2017-05-11 20:23 | 憲法便り掲載記事一覧
2017年 05月 09日

憲法便り#2001: 憲法第九十九条違反の「改憲発言」を続ける 安倍首相暴走の起点は、石原慎太郎議員との共同謀議、密談であった!

2017年5月9日(憲法千話)

憲法便り#2001: 憲法第九十九条違反の「改憲発言」を続ける 安倍首相暴走の起点は、石原慎太郎議員との共同謀議、密談であった!


安倍首相の暴走は、とどまるところを知らない。

国会での発言は、言を左右にする言い逃れの連続で、真面目さがなく、一国の首相としての品格がない。

この暴走の起点となった、2013年年2月12日の予算委員会で代表質問に立った日本維新の会石原慎太郎議員が、前置きのあと改憲について最初に質問し、安倍晋三首相が答えた場面である。

この場面を報じたマスコミ各社の記事を、国立国会図書館新聞資料室で調べたが、その危険性の気づいているものはなく、「石原節(ぶし)復活!」と、冷やかしているような、面白がっているような書き方をしていた。

私は、この危険性を知らせるために、同年3月31日付けで自費出版した『心躍る平和憲法誕生の時代ー戦後の新聞61紙に見る「憲法民主化の過程』の冒頭に、この実録を取り上げた。

この実録は、同書の改題・補訂第二版である『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!ー押し付け憲法論への、戦後の61紙に基づく実証的反論』の冒頭に、そのまま収録した。

しかしながら、わずか2,000部の自費出版では、多くの人々に伝わらないもどかしさを感じ、出版直後から、インターネットを活用して、『憲法便り・日刊憲法新聞』の発行を考え始めた。

以下は、その『憲法便り』の第1号である。

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【再録】
2013年5月4日

憲法便り#1:安倍政権暴走の起点「安倍首相が歴史を捏造した予算委員会の答弁について」

今日は、『心踊る平和憲法誕生の時代』の「はじめに」(刊行の言葉)の冒頭を紹介します。

 はじめに
 私は第九条を変え、戦争を出来る国にする憲法改悪には、絶対に反対である。その明確な意思表示として、ここに、本書を緊急自費出版する。
 まず、嘘も含めた派手な言動と演出で、国民に真実を考える暇を与えない安倍首相の手法について述べる。

【第一…「押し付け憲法」論のでたらめ】
 二〇一三年二月十二日の予算委員会で代表質問に立った日本維新の会石原慎太郎議員が、前置きのあと改憲について最初に質問し、安倍晋三首相が答えた場面。

石原慎太郎議員「さてね、総理が、その、総選挙に、総裁選に出られる前にですね、ある人の仲立ちで一晩、会食致しましたが、その時、私いろんなことあなたにお聞きして確かめました。非常にその、心強いですね、期待しておりました。で、まずですね、この国のですね、今日の混乱、或いは退廃にですね、導いたひとつ大きな大きな原因である、現行の憲法についてですね、お聞きしたいと思いますけれども、人間の社会に存在するですね、色々な規範というものは結局は、まぁ人工的なものもあるでしょうけれども、或いはですね、人間の歴史というものの原理っていうものはこれを規制して、これに則ってると思いますね。で、この、戦争の勝利者が敗戦国を統治するために強引に作った即製の、えー、基本法というものが、えー、国破れ統治されてた国が独立した後ですね、数十年に亘って存続しているという事例を私は歴史の中で見たことがない。で、もしですね、因みに、日本という独立国のね、主権者である、つまり最高指導者、総理大臣が、この歴史の原理に則って、かつて勝者が作って押し付けた憲法というのもを、「認めない」と、「これを廃棄する」ということをですね、宣言した時にこれを拒む法律的見解は果してあるんでしょうかね? そういうものを含めてね、あなたが今、日本の憲法について、いかにお考えかお聞きしたい」
安倍首相「確かに今、石原先生がおっしゃったように、現行憲法は、えー、昭和、あー、二十一年に、ま、日本がまだ占領時代にある中に於いて作られ、そして『マッカーサー試案』が、えー、毎日新聞によってこれがスクープをされる訳でありますが、スクープを見た、えー、マッカーサーが怒り狂い、えー、これはもう日本に、えー、任せておく訳にはいかないということで、えー、ホイットニーに命じて、そしてホイットニーが二月の四日に、えー、民政局の次長でありますケーディスに命じて、二月の四日だったんですが、えー、二月の十二日までに作れと言って、ほぼ八日間、一週間ちょっとで、えー、作り上げた、あー、それが原案、ま、現憲法の原案で、えー、あった訳でございますが、それが、あー、現在の現行憲法の、えー、もとであると、このように認識をしております」
石原議員「ですからね、その憲法をね、もし、今の日本の最高指導者であるあなたがね、これを廃棄すると、仮に言われた時にですね、これをですね、法的に阻害するその根拠ってのは、実際は無いんですよ、どこにもね」

 自信のない答弁だから「えー」「あー」「ま」が多い。
不勉強な官僚が作った答弁書に基き、さらに不勉強な安倍首相が行った答弁は、歴史の捏造と言うべきものである。彼が言う「マッカーサー試案」は存在しないし、マッカーサーが怒り狂った事実もない。
『毎日新聞』が報じたのは、憲法問題調査委員会(通称松本委員会)の試案とされるものである。このスクープ報道は、実は誤報であったが、その真相については本書第二部で詳述する。
 国立国会図書館で翌十三日の四十五紙を調査したが、答弁の誤りを指摘した新聞は、記事を誤用された『毎日新聞』を含めて一紙もない。私は新聞報道のこの現実に危機感を覚える。したがって、インターネット審議中継の録画から音声を文字におこして、ここに収録した。

 それにしても、石原議員の発言は単なる「暴走」ではなく、クーデターをそそのかす憲法違反の暴言である。
 日本国憲法は、第十章「最高法規」で次のように定めている。「第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し、擁護する義務を負ふ。」
 憲法改正の経緯については本論で詳しく述べるが、ここで表にして要点を示しておく。占領下にあったことは紛れもない事実であるが、石原議員の主張と安倍首相の答弁は、前段の経緯をすべて無視し、*印を付けた三つの時点を、でたらめに強調しているに過ぎない。

断言するが、二月十三日にGHQが提示した草案は、高野岩三郎、鈴木安蔵らの「憲法研究会」案を基礎に作成された、当時の日本国民の世論を反映したものである。

一九四五年(昭和二十年)
 八月一四日 ポツダム宣言受諾(憲法改正の必然性)。
 八月一七日 東久邇宮内閣発足。 
 九月二一日 『朝日新聞』で「国家基本法」(注・憲法)の再検討が論じられる。
 十月二日 『北日本新聞』がいち早く「憲法改正と国民の自覚」と題する論説を掲げる
 十月四日 マッカーサー・近衛会談/マッカーサーが近衛国務相に、民主主義的要素を十分に盛り込んだ改憲の必要性を言明。
 十月五日 東久邇宮内閣総辞職。
 十月七日 『福井新聞』、『静岡新聞』が憲法改正について論じたのを皮切りに、年末までに全国各紙で憲法改正の世論形成が進む。
 十月九日 幣原内閣発足
 十月十一日 マッカーサー・幣原会談/マッカーサーが幣原首相に、憲法の自由主義化を示唆
 十月二五日 憲法問題調査委員会(通称松本委員会)が設置される。幣原首相は松本国務相に丸投げし、松本は単に時間稼ぎをする。
 十二月六日 GHQ民政局法務班長ラウエルが『日本の憲法についての準備的な研究と勧告の報告書』(明治憲法の緻密な研究)を提出。
 十二月二六日 憲法研究会が『憲法草案要綱』を発表
 十二月二八~三〇日 全国二十二紙が同案を報道。
 十二月二九日『讀賣報知』が一面で、「憲法改革を人民の手に」の社説を掲げる。年末までに「憲法民主化」の世論が形成されていた。
 十二月三一日 連合国翻訳・通訳部が憲法研究会案の翻訳を発表。
一九四六年(昭和二十一年)
 一月二日 米国務長官宛の政治顧問書簡第一五三号に憲法研究会案の別個の翻訳が添付される。
 一月十一日 二つの翻訳を参考に、ラウエルが報告書『民間研究団体による憲法改正案に関する註解』を作成。憲法研究会案を高く評価し、同案が後に、GHQ草案の原型となる。
*二月一日  毎日新聞の「スクープ」報道。(実は誤報)
*二月四日  GHQ民政局が草案作りを始める。
*二月十三日 外務大臣官邸で行われた「オフレコ」の会談で、GHQ草案を日本側に手渡す。

      (注:本書で「官邸」を、入力ミスにより「公邸」としたところは、「官邸」と訂正します)

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〔まとめのひと言〕歴史の捏造と、不正確な歴史認識に基くキャンペーンによる憲法改悪を、絶対に許してはならないと思います。

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by kenpou-dayori | 2017-05-09 21:59 | 安倍首相への抗議・反論
2017年 05月 07日

憲法便り#2000:「(訂正版)『2000号記念:日本国憲法制定に伴う民法改正の経過―女性の権利確立の視点から』

2017年5月7日(日)(憲法千話)

2017年5月12日(金)訂正作業開始

2017年5月20日(土)訂正作業終了


憲法便り#2000:(訂正版)『2000号記念:日本国憲法制定に伴う民法改正の経過―女性の権利確立の視点から』


【はじめに】

2013年5月3日にブログを開設してから丸4年が経ちました。何回か長い中断の時期がありましたが、2000号まで回を重ねてきました。スタートした当時は、娘に過重な負担をかけてしまいましたが、現在は自立して続けています。

憲法研究に取り組み始めたのが、2004年1月ですから、14年目も半ばにさしかかっています。そして、2004年6月30日に『検証・憲法第九条の誕生』(初版、5000冊)を自費出版してから、間もなく満14年を迎えます。

現在の最大の課題は、『日本国憲法成立史の実証的再検討』と題する学位論文を完成することです。

しかしながら、今年3月末までは、日本国憲法施行に伴う付属法令改革の全体像を把握していないことに、私自身、大きな不満を持っていました。

でも嬉しいことに、一昨年、東京・本郷の文生書院から入手した、司法省民事局編『日本國憲法の施行に伴う民法の應急的措置に關する法律理由書』(民事月報号外)を手がかりに、研究はいま大きく前進しています。

特に、熊本女性学研究会編『新女性史研究』に寄稿することを申し出て、了承していただいたことにより、研究意欲と集中力が高まり、大きな力となりました。

熊本女性学研究会および『新女性史研究』については、『憲法便り』で、すでに繰り返し紹介していますので、ご記憶の方もあると思います。


憲法施行70年を迎えて、新聞、テレビ、雑誌等が、いろいろと特集を組んでいますが、この『憲法便り2000号記念』では、現在、『新女性史研究』のためにまとめつつある、『日本国憲法制定に伴う民法改正の経過―女性の権利確立の視点から』(仮題)の概略を紹介します。これには、私自身の研究の深化を確認する意味もあります。

典拠は、上述の『日本國憲法の施行に伴う民法の應急的措置に關する法律理由書』、我妻栄編『戦後における民法改正の経過』(日本評論社)、アカギ書房編集部編『日本国憲法全文及び解説 附民法改正要綱案』、官報、新聞記事、その他です。


【日本国憲法施行に伴う付属法令検討の組織】

日本国憲法は、昭和21年(1946年)11月3日公布、そして半年後の昭和22年(1947年)5月3日から施行されました。

しかしながら、憲法を実効性のあるものとするために、憲法施行までに付属法令を整える必要がありました。

第90回帝国議会衆議院において日本国憲法の政府案が提案、論議され始めたのは昭和21年6月25日ですから、その一週間後のことです。


付属法令全体の審議のため、まず、内閣のもとに「臨時法制調査会」が設置されます。民法に関しては「同調査会の第三部会」が担当することになります。

それに加えて、司法省に「司法法制審議会」が設置され、「臨時法制調査会」の第三部会を兼ねることが決定されます。そして、民法に関しては「臨時法制調査会第三部会」を兼ねる「司法法制審議会の第二小委員会」が担当し、さらに、「同第二小委員会」に「起草委員会」を設け、「同起草委員会」に三つの班を設け、細かい任務分担するという、何層にもわたっての組織作りが行われます。


 したがって、いつ、どの会議で、何が審議され、何が決定されたのか、経過を整理し、正確に把握することが重要な作業となりました。各組織について、もう少し詳しくふれておきます。


(1)臨時法制調査会

1946年7月2日:臨時法制調査会官制(昭和21年7月3日、勅令348号公布)により、内閣のもとに「臨時法制調査会」が設置されます。

 任務は、「内閣総理大臣の諮問に応じて憲法改正に伴う諸般の法制の整備に関する重要事項を調査審議する」こと。

ただし、下記の構成は、委員59人(現在)、幹事35人(現在)、新聞界1人(他に2人手続き間に合わず)を見てわかるように、最終的に確定したものではありません。また、全体で94人の構成のうち、女性はたったの3人です。

「臨時法制調査会」の構成

 会長  内閣総理大臣 吉田茂

 副会長 国務大臣 金森徳次郎

 委員  59人(現在)

     内訳

     (1)官庁関係 24人

     (2)学会   14人

     (3)新聞界   1人(他に2人手続き間に合わず)

     (4)婦人会   3人(久布白落実、村岡花子、川崎なつ)

(5)法曹界   3人

     (6)自治体関係 1人

     (7)貴族院議員 7人

     (8)衆議院議員 6人

 幹事   35人(現在)(ここでいう幹事とは、補助的な役割をさします)

     (1)官庁関係 30人

     (2)学会    5人


(2)臨時法制調査会に四つの部会を設置

7月11日:臨時法制調査会の第一回総会開催。

臨時法制調査会には、四つの部会が置かれ、下記の任務分担が決定された。

第一部会 皇室及び内閣関係法律案の要綱の立案

第二部会 国会関係法律案の要綱の立案

第三部会 司法関係法律案の要綱の立案(部会長 有馬忠三郎委員)

第四部会 財政関係その他の部会の所管に属しない法律案の要綱の立案


(3)司法省のもとに「司法法制審議会」を設置

「臨時法制調査会」第一回総会開催と同じ7月11日、司法省の下に「司法法制審議会」が設置されます。そして、前述の通り、この「司法法制審議会」は、「臨時法制調査会」の第三部会を兼ねることが決定されます。

 ただし、第三部会と司法法制審議会のメンバーに違いがありますので、比較検討をしているところです。


(4)「司法法制審議会」に三つの小委員会を設置

7月12日:司法法制審議会の第一回総会

 司法法制審議会に、三つの小委員会が設けられ、下記の通り任務分担。

  第一小委員会・・・裁判所関係

  第二小委員会・・・民事法関係

  第三小委員会・・・刑事法関係


(5)第二小委員会に起草委員会を設ける

7月13日:第二小委員会の第一回会議

第二小委員会の主査は、坂野千里(当時、東京控訴院長)。

まず、坂野から、民法改正要綱草案を起草するための、起草委員3人、およびこれに付随する幹事8人の指名が行われた。肩書きは、当時のものです。

起草委員:我妻栄(東大教授)、中川善之助(東北大教授)、奥野健一(司法省民事局長)


(6)起草委員会の中に三つの班を作り任務分担

7月13日:第二小委員会の第一回起草委員会

幹事の分担を決め、20日までに幹事案を作成することを決定。

起草にあたる幹事を三つの班に分けた。

A班(家、相続、戸籍法)

B班(婚姻)

C班(親子、親権、後見、親族会、扶養)


なお、この他に、司法省側の組織として、民事局に、事実上「民法改正調査室」と称したものがありました。


【具体的な作業の経過】

諮問第一号は「憲法の改正に伴ひ、制定又は改正を必要とする主要な法律について、その法案の要綱を示されたい。」というもの。

通常の立法作業の進め方は、「要綱案」を起草し、審議を経て確定したのち、「法案」の作成に取り掛かります。

しかしながら、当時は、5月3日の憲法施行に間に合わせるため、要綱案の審議と、法案作成が並行して行われました。

つまり、帝国議会での憲法改正案審議と並行して、「民法改正要綱案」、および「民法改正案」の作成が同時進行するということになりました。

詳細な日誌に関しては、資料の付け合わせをしながら作成の努力をしてきました。ほぼ完成していますが、正確を期すために点検中です。今回は掲載を見送り、『新女性史研究』に寄稿するために、月中の完成を目指しています。


通常、私たちが目にするのは、決定された条文です。

ところが、民法改正要綱案、および民法改正案の決定に至る経過には、当時の民主的改革派と現状維持を主張する保守派の激しい論争がありました。

主要な争点は、民法上の「家」制度の廃止か、存続かを巡ってのものでした。その具体例を示しておきます。

民法改正要綱案の条項は、最終的に「第四十二」までありますが、ここでその「第一」の条項の変化を見ておきます。

①起草委員第一次案(昭和21年7月27日)(この時点では「第三十四」まで)

「第一 民法上の家を廃止すること」

②起草委員第二次案(昭和21年7月29日)(「第一」から「第四十」まで)

「第一 民法上の家を廃止すること」

③第二小委員会決議(昭和21年7月30日)(「第一」から「第四十」まで)

「第一 民法上の家を廃止すること」

④司法法制審議会第二回総会決議(昭和21年8月15日)

 「民法の戸主及家族に関する規定を削除し親族共同生活を現実に即して規律すること」

上記の通り、①から③までは単純明快だった「第一」の条項が、④では,回りくどく判りづらい表現に変化しています。明らかに保守派に譲歩した表現です。

 しかしながら、我妻栄起草委員は「最初に決定された要綱案の大原則―民法上の「家」を廃止することというもの―に従って立案し、要綱の審議に際しては、決して譲れない一線として死守した点でありました」と述べており、内容的には譲歩していなかったと考えられます。

もうひとつ具体例を示しておきます。妻の権利を認める次の規定は、条項の数が増えたため、位置が移動していますが、表現は一貫しています。

①起草委員第一次案(昭和21年7月27日)

「第九 妻の無能力に関する規定を削除すること」

②、③も同文(省略)

④民法改正要綱(昭和21年9月11日)(司法法制審議会第3回総会決議)

「第十一 妻の無能力に関する規定を削除すること」

民法改正要綱案は、821日に記者発表され、8月22日付『読売新聞』朝刊が、「新憲法の付属法規 改正十六試案成る きのう調査総会へ報告」の見出しのもとに、全文報道しています。

しかしながら、民法改正要綱はすぐには決定せず、10月24日の臨時法制調査会第3回総会においてようやく決定します。


一方で、肝心の「民法改正案」作成は、昭和21年の8月6日以来続けられていました。法制局の条文審査を経て日本文が整い、英訳も準備して、GHQに提出し、昭和22年5月3日の日本国憲法施行に間に合うように審議を求めました。

しかしながら、憲法施行前で、仕事が集中していたGHQの担当部局が「不可能である」と返答をして来たため、日本政府は、冒頭で紹介した司法省民事局編『日本國憲法の施行に伴う民法の應急的措置に關する法律理由書』(民事月報号外)の刊行を決定しました。執筆者は、奥野健一司法省民事局長。彼は、民法改正要綱草案を起草するために指名された、起草委員3人のうちのひとりです。


全体は、十カ条から成っていますが、最初の三カ条、および時限立法であることを示す付則を紹介します。

なお、公報で示されたのは条文のみで、(理由)は削除されています。

第一條 この法律は、日本國憲法の施行に伴い、民法について、個人の尊嚴と兩性の本質的平等に立脚する應急的措置を講ずることを目的とする。

 (理由)本條は、この法律の目的を明かにしたものである。即ち、新憲法は、すべて國民は個人として尊重せられ法の下に平等であること、及び法律を制定するには、個人の尊嚴と兩性の本質的平等に立脚しなければならないことを宣言した。然るに現行民法には、この趣旨に牴觸する幾多の規定を含んでいるから新憲法の基本原則に適合させるため、これを根本的に改正しなければならないが、種々の事情から、新憲法の施行の日迄にこれを制定公布することができないため、取り敢えず、新憲法の基本原則を實現する上に特に必要な諸點につき、民法の改正に至る迄の最少限度の應急的措置を講じ、以て新憲法の施行と民法の改正とが時期を異にするために生ずる種々の混亂をできるだけ防止しようとするものである。

第二條 妻又は母であることに基いて、法律上の能力その他を制限する規定は、これを適用しない。

 (理由)本條は、女性の法律上の能力の制限を撤癈することを目的とする。現行民法は夫婦間の共同生活の圓滿を期するために、妻を無能力とし、又母の能力を危ぶんで母の新權を制限している。然しかような規定は、新憲法第二十四條の、夫婦は同等の權利を有すること及び兩性は本質的に平等でなければならぬという規定に違反すること勿論である。よって、妻の無能力に關する規定及び母の親權についての制限の規定を適用しないことにするのがこの規定の趣旨である。

第三條 戸主、家族その他家に關する規定は、これを適用しない。

 (理由)本條は、戸主、家族その他家に關する規定の適用の排除を目的とする。現行民法の下では、戸主は、家の統率者として家族に對し、居所指定權、婚姻及び縁組の同意權その他各種の權力を認められているが、これらは個人の尊嚴と兩立しないため、新しい憲法の下では、これを認めることができない。そして、これらの權力を否定すれば、最早民法上の家の制度は、法律上はその存在の理由を失うのみならず、これを法の上に殘すことは却って戸主の權力を癈止する趣旨を不明瞭にする虞れがある。よつて戸主、家族その他家に關する規定はすべてこれを適用しないこととした。これにより現行民法上戸主が戸主たる資格に基いて家族の上に有する各種の權利は全部認められなくなる。尚家の存在を前提とする各種の規定例えば繼親子、嫡母庶子關係、親族入籍、取引入籍、分家、癈家、癈絶家再興、一家創立、離籍、入夫婚姻、隠居、法定推定家督相續人等に關する諸規定はすべてその適用がなくなるのである。尚、ここに留意すべきことは、右の樣に民法上の家の規定はこの法律によって今後すべて適用されなくなるのであるが、これはわが國において現實に營まれている、親子夫婦等の親族の精神的結合自體をも否定する趣旨ではないことである。常識的、倫理的意味における所謂家族制度とは、これを指すものと考えるが、これはわが國において民法の制定以前から存在し、民法が變更になっても變わることがないのであり、この法律もまたこの點には何等の變更をも試みんとするものではないのである。

(第四条―第十条は省略)

附 則

この法律は、日本國憲法施行の日から、これを施行する。

この法律は、昭和二十三年一月一日から、その効力を失う。

(理由)この法律は、日本國憲法の施行後、民法の本格的改正に至る迄の應急的措置を講ずるに過ぎないので、特にその有効期間を限定した。


日本政府は、昭和22年4月19日、「日本国憲法の施行に伴う民法の応急措置に関する法律(昭和22年法律第74号)」を公布します。

この「日本国憲法の施行に伴う応急的措置に関する法律」は、日本国憲法と同じく、昭和22年5月3日に施行されました。

なお、民法改正の作業はその後も続けられます。そして、第一回国会での審議を経て、新民法が昭和23年1月1日に施行されます。

 

【終りに】

我妻栄編『戦後における民法改正の経過』(1956)をつぶさに読むと、民法の改正が、GHQの指示ではなく、日本人の意思で行われたことがよく判ります。

全体は378頁で、そのうちの203頁から最後までを「第三部 資料」が占める、素晴らしい本です。皆さんにも、ぜひ一度読んでいただきたいと思います。

同書の125頁で、批判や、避難や、誤解に対して我妻栄が述べている部分を紹介しておきましょう。

「とにかく、問題は、起草者の主観がどうあったかということではない。わが国の社会の実際に適合した制度であるかどうか、それによって家庭生活の民主化の理想に近づきうるか、それとも反対の作用をするかどうか、そうした点を冷静に考慮すべきことでしょう。」

 今回の調査の中で、昭和30年(1955年)から、家制度復活を目指す「民法再改正」の動きがあったということを、今回の調査のなかで、知りました。「押し付け民法」論です。憲法改悪の動きと、同じ時期に出てきたものです。

 民主的、論理的な審議を重ねてきた努力を、無遠慮に、平気で踏みにじる輩が、昔も今も横行しています。

 日本国憲法の施行や、民法の民主的改革が行われても、日常生活において、家制度、戸主制度の封建的な思想にしがみつき、意識の変化を拒む頑迷な人々の存在がありました。

 『新女性史研究』に寄稿する文章は、民法改正の審議の中でのエピソードを交えたものです。刊行されましたらお知らせします。是非そちらもお読み下さい。


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by kenpou-dayori | 2017-05-07 22:42 | 民法、女性史
2017年 05月 03日

憲法便り#1999:昨日、国立公文書館の特別展『誕生 日本国憲法』を再び見てきました!

2017年5月3日(水)憲法記念日特集

憲法便り#1999:昨日、国立公文書館の特別展『誕生 日本国憲法』を再び見てきました!

TBSの報道特集が取り上げたこともあって、今回は、来場者がかなり増えていました。

初回には、疲れていたため、かなり見過ごしていたことがありました。
NHKの憲法特集は、この特別展を先取りして取材し、番組制作をしていたことも、鮮明に分かりました。その評価については、改めてふれることにしますが、5月7日(日)まで開催中です。ぜひとも、おすすめします。
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以下に、4月25日(火)に掲載した、『憲法便り#1988』を再録します。

憲法便り#1988:国立公文書館『平成20年春の特別展 誕生 日本国憲法』

編集 | 削除

2017年4月25日(火)(憲法千話)

憲法便り#1988:国立公文書館『平成29年春の特別展 誕生 日本国憲法誕生』

再開第2回目は、地下鉄東西線竹橋駅から徒歩5分のところにある、国立公文書館で開催中の『平成29年春の特別展 誕生 日本国憲法誕生』の紹介です。

日本国憲法に関連した展示は、これまでいくつか見たことがありますが、今回の展示は出色です。

日本国憲法の原本を初めとして、展示されている60点は、すべて原資料です。
これだけまとまった形で展示されることは、今後、またあるかどうか判りませんので、是非とも閲覧なさることをお勧めします。

入場は、無料です!

5月7日(日)まで、土日、祝日も含めて無休で開館していますので、連休中に訪問することも可能です。

また、展示品の写真と解説をまとめた資料集が素晴らしい。第一級の資料集です。
A4判、本篇70ページ、主要人物紹介・用語解説、関係年表、展示資料一覧7ページ、主要文献等一覧1ページの構成で、カラー印刷。

これが500円で販売されているいので、是非ともご購入なさることをお勧めします。

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by kenpou-dayori | 2017-05-03 11:34 | 今日の話題
2017年 05月 03日

憲法便り#1998:日本国憲法施行時の全国各紙の社説等50件の一覧リストを一挙掲載!



2017年5月3日(水)晴れ、憲法記念日特集

憲法便り#1998:日本国憲法施行時の全国各紙の社説等50件の一覧リストを一挙掲載!

憲法便り#1997もご覧下さい。

以下は、2016年1月6日付「憲法便り#1522」および2016年7月27日付「憲法便り#1793」にも掲載した、日本国憲法施行時の全国各紙の社説50件の一覧リストです。

(*50紙の個々の社説と、50紙の社説一覧リストを、簡単に往復出来るリンク作業は完了しています)
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パソコンの機能により、タイトルがNo.1-16と、No.17-50で、違いますが、内容は一貫しています。
いま読み返してみても、日本社会再建の息吹、民主化など、新鮮な感じです。


皆さんにもぜひ、お読みになって頂きたく思います。

昭和21年11月3日の日本国憲法公布の際は、喜びと歓迎の論調が中心でしたが、施行日の論調は、当然のことながら、具体的な課題に言及しているものが多くなっています。

日本国憲法施行日の社説No.50:『日向日日新聞』5月3日の日向論壇「デモクラシー・デー」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-25 22:46 ]
日本国憲法施行日の社説No.49:『大分合同新聞』5月3日社説「新らしき権威の確立」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-25 22:11 ]
日本国憲法施行日の社説No.48:『熊本日日新聞』5月3日社説「新憲法実施せらる」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-25 21:50 ]
日本国憲法施行日の社説No.47:『長崎日日』5月3日論説「新日本の門出 吾等自らも魂の革新」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-25 21:00 ]
日本国憲法施行日の社説No.46:『佐賀新聞』5月3日社説「新憲法と国民の覚悟」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-25 15:40 ]
日本国憲法施行日の社説No.45:『西日本新聞』5月3日社説「新憲法施行に際して」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-24 21:53 ]
日本国憲法施行日の社説No.44:『高知新聞』5月3日社説「歴史的新憲法実施さる」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-24 16:43 ]
日本国憲法施行日の社説No.43:『愛媛新聞』5月3日社説「新憲法実施の歓び」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-24 16:18 ]
日本国憲法施行日の社説No.42:『四国新聞』5月3日論説「憲法の理解と実践」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-24 15:45 ]
日本国憲法施行日の社説No.41:『徳島民報』5月3日論説「憲法の実施」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-20 08:00 ]
日本国憲法施行日の社説No.40:『徳島新聞』5月3日社説「義務の増大にめざめよ」(ここをクリックしてください
[ 2015-04-20 07:23 ]
日本国憲法施行日の社説No.39:『合同新聞』5月3日社説「首途に立つ民主新憲法」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-19 17:41 ]
日本国憲法施行日の社説No.38:『中国新聞』5月3日社説「新しい憲法の施行」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-19 15:43 ]
日本国憲法施行日の社説No.37:『島根新聞』5月3日社説「五月三日を祝福す」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-19 15:07 ]
日本国憲法施行日の社説No.36:『山陰日日新聞』5月3日社説「新憲法の施行を」祝す」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-19 14:48 ]
日本国憲法施行日の社説No.35:『神戸新聞』5月3日社説「新憲法を護るみち」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-18 20:18 ]
日本国憲法施行日の社説No.34:『産業経済新聞』5月3日一面トップ記事「新憲法と世論の育成」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-18 19:48 ]
日本国憲法施行日の社説No.33:『大阪新聞』5月3日社説「新憲法いよいよ実施」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-18 17:47 ]
日本国憲法施行日の社説No.32:『滋賀新聞』5月3日一面左上の社説相当の記事(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-18 17:26 ]
日本国憲法施行日の社説No.31:『京都新聞』5月3日社説「新憲法実施の日を迎えて」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-18 16:50 ]
日本国憲法施行日の社説No.30:『伊勢新聞』5月3日社説「新憲法の実施と吏道の粛正」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-12 10:38 ]
日本国憲法施行日の社説No.29:『大和タイムス』5月3日社説「晴れの新憲法施行」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-11 20:30 ]
日本国憲法施行日の社説No.28:『中部日本新聞』5月3日社説「新憲法施行を迎えて」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-10 20:30 ]
日本国憲法施行日の社説No.27:『東海夕刊』5月3日付一論一評「新憲法を生活の中へ」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-08 22:25 ]
日本国憲法施行日の社説No.26:『岐阜タイムス』5月3日社説「新しき日本の門出に誓う」(ここをクリックしてください
[ 2015-04-07 06:00 ]
日本国憲法施行日の社説No.25:『信濃毎日新聞』5月3日社説「民主日本の誕生」(ここをクリックしてください
[ 2015-04-06 07:16 ]
日本国憲法施行日の社説No.24:『山梨日日新聞』5月3日社説「新憲法の実施」(ここをクリックしてください
[ 2015-04-05 06:35 ]
日本国憲法施行日の社説No.23:『福井新聞』5月3日社説「新憲法の実施」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-04 06:20 ]
日本国憲法施行日の社説No.22:『北国毎日新聞』昭和22年5月3日社説「憲法祭を迎えて」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-03 06:15 ]
日本国憲法施行日の社説No.21:『富山新聞』昭和22年5月3日社説「新憲法実施を祝福す」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-02 06:15 ]
日本国憲法施行日の社説No.20:『北日本新聞』5月3日社説「新憲法の実施を祝う」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-01 06:55 ]
日本国憲法施行日の社説No.19:『新潟日報』5月3日社説「新憲法を生かすもの」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-31 06:30 ]
日本国憲法施行日の社説No.18:『埼玉新聞』5月3日一面社説「歓喜と義務」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-30 06:39 ]
日本国憲法施行日の社説No.17:『上毛新聞』5月3日一面社説「新憲法実施」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-29 06:03 ]

憲法千話・憲法施行に際しての社説No.16:昭和22年5月3日『下野新聞』社説「新憲法の実施」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-28 06:47 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.15:昭和22年5月5日『福島民友』社説「新生日本の発足」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-27 06:18 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.14:『福島民報』5月4日付の民報評論「新憲法と婦人の立場」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-26 06:32 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.13:昭和22年5月3日『山形新聞』社説「新憲法の出発」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-25 06:50 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.12:『秋田魁新報』5月3日付の社説「新憲法と民主化の創造」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-24 06:26 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.11:昭和22年5月3日および5月4日の『河北新報』社説(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-23 06:01 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.10:昭和22年5月3日『新岩手日報』社説「新憲法の施行と県政」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-22 06:21 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.9:昭和22年5月3日『東奥日報』社説「民主憲法施行」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-21 06:08 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.8:昭和22年5月3日『北海道新聞』(札幌版)(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-20 06:27 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.7:昭和22年5月3日『日本経済新聞』社説「新しい憲法とともに」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-19 06:16 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.6:昭和22年5月3日『時事新報』社説「憲法を守護する者」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-18 06:26 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.5:『東京新聞』社説「新しい憲法 明るい生活」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-17 06:55 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.4:昭和22年5月3日付『讀賣報知』(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-16 06:54 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.3:昭和22年5月3日『毎日新聞』東京版と大阪版の比較(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-15 06:55 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.2:昭和22年5月3日朝日新聞東京版と大阪版の紙面比較(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-14 09:06 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.1:朝日新聞(東京)「新しい日本出発」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-13 12:48 ]

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by kenpou-dayori | 2017-05-03 11:13 | 日本国憲法施行日の社説
2017年 05月 03日

憲法便り#1997:日本国憲法さん、70歳のお誕生日おめでとうございます!

2017年5月3日(水、晴れ)(憲法千話)憲法記念日特集

憲法便り#1997:日本国憲法さん、70歳のお誕生日おめでとうございます!


日本国憲法さん、70歳のお誕生日おめでとうございます。

私は、今日、妻の健康を気遣って、大きな集会への参加ではなく、二人で大好きなイタリアレストランに行き、あなたの古稀のお祝いをします。

70年前にあなたがその大きな歩みを始めた時、私は5歳でした。

私が4歳の時、妹が生まれました。その夜、布団の中で、兄や姉たちの会話に混じって、どんな名前がいいか、私も思い付いた名前を主張していたことを覚えています。

昭和20年に戦争が終わり、疎開先の小名浜から東京・葛飾に戻ってきた翌年のことです。

でも、日本国憲法さんの誕生日のことは、残念ながら、何も覚えていません。

そこで、今朝、日本国憲法さんの誕生を日本国中の皆さんが、どのようにお祝いをしていたのかを思い起こすために、昭和22年(1947年)5月3日付の日本中の新聞に、目を通してみました。

そして、日本国中の人たちが、あなたの誕生をきっかけに、平和国家、文化国家、民主国家の実現を目指し、敗戦の苦しみ、焼け跡の中から、復興の努力を続けていたことを改めて認識しました。

古稀、とても良い響きの言葉です。
あなたは、この古稀、「古来まれな」という言葉に最もふさわしい、戦争放棄を掲げた「平和憲法」です。

ところが、今、あなたを「亡きもの」にしようとする、「平和憲法」暗殺者集団がいます。戦争屋の集団です。

「老人は早く死ね!」とばかりに、年金も、医療も、次々と改悪している集団です。

日本国憲法さん、私は、今朝、あらためて思いました。

多くの人たちと手をたずさえて、あなたを守り、私の命がある限り、あなたと共に歩き続けようと!

おわりに、もう一度、繰り返します。

日本国憲法さん、お誕生日おめでとうございます。
そして、古稀のお祝いおめでとうございます。

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以下は、2016年1月6日付「憲法便り#1522」および2016年7月27日付「憲法便り#1793」にも掲載した、日本国憲法施行時の全国各紙の社説50件の一覧リストです。

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いま読み返してみても、日本社会再建の息吹、民主化など、新鮮な感じです。


皆さんにもぜひ、お読みになって頂きたく思います。

昭和21年11月3日の日本国憲法公布の際は、喜びと歓迎の論調が中心でしたが、施行日の論調は、当然のことながら、具体的な課題に言及しているものが多くなっています。

日本国憲法施行日の社説No.50:『日向日日新聞』5月3日の日向論壇「デモクラシー・デー」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-25 22:46 ]
日本国憲法施行日の社説No.49:『大分合同新聞』5月3日社説「新らしき権威の確立」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.48:『熊本日日新聞』5月3日社説「新憲法実施せらる」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.47:『長崎日日』5月3日論説「新日本の門出 吾等自らも魂の革新」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.46:『佐賀新聞』5月3日社説「新憲法と国民の覚悟」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.41:『徳島民報』5月3日論説「憲法の実施」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.40:『徳島新聞』5月3日社説「義務の増大にめざめよ」(ここをクリックしてください
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日本国憲法施行日の社説No.39:『合同新聞』5月3日社説「首途に立つ民主新憲法」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.38:『中国新聞』5月3日社説「新しい憲法の施行」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.37:『島根新聞』5月3日社説「五月三日を祝福す」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.34:『産業経済新聞』5月3日一面トップ記事「新憲法と世論の育成」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.33:『大阪新聞』5月3日社説「新憲法いよいよ実施」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.32:『滋賀新聞』5月3日一面左上の社説相当の記事(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.31:『京都新聞』5月3日社説「新憲法実施の日を迎えて」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-18 16:50 ]
日本国憲法施行日の社説No.30:『伊勢新聞』5月3日社説「新憲法の実施と吏道の粛正」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-12 10:38 ]
日本国憲法施行日の社説No.29:『大和タイムス』5月3日社説「晴れの新憲法施行」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.28:『中部日本新聞』5月3日社説「新憲法施行を迎えて」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.27:『東海夕刊』5月3日付一論一評「新憲法を生活の中へ」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.26:『岐阜タイムス』5月3日社説「新しき日本の門出に誓う」(ここをクリックしてください
[ 2015-04-07 06:00 ]
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[ 2015-04-06 07:16 ]
日本国憲法施行日の社説No.24:『山梨日日新聞』5月3日社説「新憲法の実施」(ここをクリックしてください
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日本国憲法施行日の社説No.23:『福井新聞』5月3日社説「新憲法の実施」(ここをクリックして下さい
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日本国憲法施行日の社説No.22:『北国毎日新聞』昭和22年5月3日社説「憲法祭を迎えて」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-03 06:15 ]
日本国憲法施行日の社説No.21:『富山新聞』昭和22年5月3日社説「新憲法実施を祝福す」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-02 06:15 ]
日本国憲法施行日の社説No.20:『北日本新聞』5月3日社説「新憲法の実施を祝う」(ここをクリックして下さい
[ 2015-04-01 06:55 ]
日本国憲法施行日の社説No.19:『新潟日報』5月3日社説「新憲法を生かすもの」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-31 06:30 ]
日本国憲法施行日の社説No.18:『埼玉新聞』5月3日一面社説「歓喜と義務」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-30 06:39 ]
日本国憲法施行日の社説No.17:『上毛新聞』5月3日一面社説「新憲法実施」(ここをクリックして下さい
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憲法千話・憲法施行に際しての社説No.14:『福島民報』5月4日付の民報評論「新憲法と婦人の立場」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-26 06:32 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.13:昭和22年5月3日『山形新聞』社説「新憲法の出発」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-25 06:50 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.12:『秋田魁新報』5月3日付の社説「新憲法と民主化の創造」(ここをクリックして下さい
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憲法千話・憲法施行に際しての社説No.11:昭和22年5月3日および5月4日の『河北新報』社説(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-23 06:01 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.10:昭和22年5月3日『新岩手日報』社説「新憲法の施行と県政」(ここをクリックして下さい
[ 2015-03-22 06:21 ]
憲法千話・憲法施行に際しての社説No.9:昭和22年5月3日『東奥日報』社説「民主憲法施行」(ここをクリックして下さい
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[ 2015-03-18 06:26 ]
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憲法千話・憲法施行に際しての社説No.2:昭和22年5月3日朝日新聞東京版と大阪版の紙面比較(ここをクリックして下さい
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憲法千話・憲法施行に際しての社説No.1:朝日新聞(東京)「新しい日本出発」(ここをクリックして下さい
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by kenpou-dayori | 2017-05-03 09:07 | 日本国憲法施行日の社説
2017年 05月 01日

憲法便り#1995:第88回中央メーデーに参加してきました!

2017年5月1日(月)(憲法千話)

憲法便り#1995:第88回中央メーデーに参加してきました!

11時の開会に少し遅れましたが、12時半の閉会まで参加してきました。参加者は3万人。

原宿駅を出ると、自由法曹団の多数の方々が共謀罪に反対する呼びかけと共に、
2017年春夏 特集『これが共謀罪です!あなたも逮捕されるかも 共謀罪って、一般の人は関係ないんじゃないの!?』と題するリーフレットを配布していました。
お祭り気分ではなく、緊張感が走ります。

連帯あいさつの後に行われた被災地からの訴え。
政府による、支援打ち切りの冷たい仕打ち。
「まだ道半ばです。声に耳を傾けて下さい。どうぞ忘れないで下さい。』との訴えが、胸を打ちます。

団体決意表明の中で、出版労連の代表は、共謀罪の危険性について、横浜事件に詳しくふれ、憲法第21条を具体的に引用し、共謀罪に強く反対。そして闘う決意を表明しました。
第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
 検閲は、これをしてはならない、通信の秘密は、これを侵してはならない。
この条文を、帰宅してから、もう一度読み返しました。

会場近くに、土建関係を中心に、宣伝カーがずらりと並んでいましたが、小型トラックに積まれたデコレーションは、なかなかの力作がそろっていました。カメラを持たずに出かけたのは、失敗でした。
メモをたくさん取ったのですが、疲れているので、二つだけ紹介します。

軍事パレードを思わせるミサイルの模型がありましたが、「ミサイル上げるな、賃金上げろ!」の文字。

意表を突いたのは、これが500億円原寸大と書かれた、大きな立方体。その側面に「みんなんで内部留保を切り崩そう」「大企業の内部留保はこの6000倍、300兆円」

このメモを取っている時、「岩田さん」と声をかけられました。
振り返ると、4月13日にインタビューを受けた、連合通信編集長の伊藤篤さんです。
嬉しい出会いでした。



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by kenpou-dayori | 2017-05-01 21:36 | 今日の話題
2017年 05月 01日

憲法便り#1994:4月に収録した『憲法便り』記事一覧リストを掲載しました!

2017年5月1日(月)(憲法千話)

憲法便り#1994:4月に収録した『憲法便り』記事一覧リストを掲載しました!

長い休載のあと、体力の温存をはかりながら、4月24にちから一日一項目だけを掲載してきましたが、結構きついです。

でも、続けます。

憲法を中心にしながらも、現在の政治状況についての批判を、風刺も交えて書いてみたいと思っています。
そうしないと、頭の中に、ゴミが詰まっているような、苦しさを抱え込んでしまっていますので!

今日はメーデーですが、今から参加しようかどうか、まだ、迷っています。

2017年 04月 ( 8 ) > この月の画像一覧


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by kenpou-dayori | 2017-05-01 10:16 | 憲法便り掲載記事一覧
2017年 04月 30日

憲法便り#1993:9・11直後のアメリカを振り返り、現在と比較してみました!

2017年4月30日(日)(憲法千話)

憲法便り#1993:9・11直後のアメリカを振り返り、現在と比較してみました!

去る4月20日(金)に国立国会図書館内で、偶然、弁護士の河内謙策さんに会いました。およそ20年ぶりです。
その時、すぐに思い出したことがあります。
あの忌まわしい9・11の当時、彼がアメリカに滞在していたこと、そして、彼が書いた手紙が当時所属していた城北法律事務所の新年の挨拶のニュースに載っていたことです。

憲法便り#318(2013年9月21日)、
憲法便り#324(2013年9月24日)、
憲法便り#328(2013年9月25日)、
憲法便り#330(2013年9月26日)に収録した文章を手がかりに、現在のアメリカと日本を考えてみました。
状況があまりにも酷似しており、さらに悪化しています。

【2013年9月21日付 憲法便り#318の再録】
今日は、12年前の9・11の直後に書いた、私の誌を掲載します。
正式なタイトルは、「『アメリカの友へ』―二〇〇一年十一月十八日の手紙」。
同人誌『ひろば 190号』(2002年2月)に掲載されたものです。
当時は、イラク戦争の前夜でした。
現在は、シリアへのアメリカの軍事行動が当面は阻止された状況ですが、予断は許しません。
こういう時こそ、世論の力が戦争をくいとめる、そう信じます。
イギリスでは、世論がイギリス政府の手を縛りました。

いま、改めてこの詩を読んでみると、日本は本当に変わってきていると思います。
しかしながら、私は諦めません。
いかなる戦争も反対です。

9・11事件当時、私は、「来日ロシア人研究会」がその研究活動の一環として、2001年10月6日に、早稲田大学において開催を予定していた国際会議「日本におけるロシア文化の受容<過去から未来へ>」で研究発表をするために、原稿の仕上げの段階にありました。テーマは、「エマヌイル・シュテインの亡命ロシア人詩集コレクションについて」。
エマヌイル・シュテインは1934年ポーランド生まれのユダヤ人で、5歳のときに第二次世界大戦が勃発して以降、数奇な運命を辿り、1968年に不本意ながらアメリカに亡命している。彼は、残念ながら1999年にこの世を去っており、アメリカで刊行された「シュテイン・コレクション目録」および彼の経歴については、オリガ夫人と手紙のやりとりで、情報を提供していただいていました。ところが9・11以降、アメリカでは手紙が果たして届くかどうか判らない、高い警戒レベルになり、友人の協力を得てメールのやり取りをしました。エマヌイル・シュテインの運命については、改めて紹介したいと思います。

前段が長くなりましたが、詩とともに投稿した文章がありますので、その中から詩を書いた経緯についての部分をここに再録します。

「『アメリカの友へ』は、「高校生の平和のつどい」、「世界の子どもの平和像を東京に」、「報復戦争反対、平和を求める高校生一万人署名」などの運動を続けている高校生たちへの激励の気持ちを込めて書いた散文詩です。
 最近の世界情勢と私の戦争体験、ベトナム戦争後に南北が統一する前の北ベトナムを訪問して来た体験、そしてユーゴスラヴィア空爆の時にはNATO軍に基地を提供しているイタリアに滞在していた経験を重ねあわせました。
 私の中にはもっと書きたいこと、もっと大きな怒りがありますが、いろいろな人に読んでもらうために表現を抑え、問いかける手紙の形式をとりました。
 昨年(2001年)十月六日に早稲田大学を会場にして来日ロシア人研究会が開催した国際シンポジウムで『エマヌイル・シュテインの亡命ロシア人詩集コレクションについて』と題する研究発表をするために、アメリカ在住のオリガ・シュテインさんと昨年(2001年)の九月末から十月にかけてメールのやりとりをしたこともきっかけになっています。
 「高校生の平和の集い」の実行委員宛てに激励の手紙とこの詩を送ったところ、顧問の先生からお礼の手紙が届きました。「平和の集い」実行委員の反省会で顧問の先生が私の手紙を読み上げ、高校生の皆さんでこの詩を輪読して下さったそうです。そして、歴史について改めて話し合うきっかけにして下さったとのことでした。
 『アメリカの友へ』は(二〇〇二年)一月十八日に新宿平和委員会をはじめとする新宿区内の平和五団体により開催される「アフガンは今―パキスタン現状報告・二〇〇二年新春平和の集い」でも朗読されることになりました。」

なお当時、私は、「報復戦争反対、平和を求める高校生一万人署名」に協力するため、友人・知人に署名用紙を郵送して、五百筆を大きく超える署名を届けたことを付記しておきます。
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※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから


憲法便り#324 『9・11直後のアメリカ論(1):アメリカは狂っている?』

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9月21日付の『憲法便り#318』で、『「国際平和デー」に寄せて:9・11直後に書いた散文詩「アメリカの友へ」』と題して、12年前の9・11の直後に書いた、私の誌を掲載しました。正式なタイトルは、「『アメリカの友へ』―二〇〇一年十一月十八日の手紙」。
同人誌『ひろば 190号』(2002年2月)に掲載されたものです。

私は、この詩の投稿をした際に、9・11の直後に書いた「アメリカ」論も同時に寄稿しています。
いま読み返して見ても、当時の問題点だけではなく、現在の問題にも踏み込んで書いています。
『アメリカの友へ』と同時に、是非読んでいただきたい文章なので、全3回に亘って掲載します。
「戦争の世紀」と呼ばれた20世紀に別れを告げ、戦争のない平和な世紀が期待された21世紀への希望と夢は、9・11によって打ち砕かれました。
 あれから12年。通信技術や軍事技術は進歩したが、歴史に進歩はあったのか、人類に進歩はあったのかを改めて問いかけたいと思います。


同人誌『ひろば 190号』(2002年2月)より

新年(2002年)に届いた池袋の城北法律事務所ニュース第四十六号の中に、私も以前からよく存じ上げている河内謙策弁護士が書いた「今、アメリカで……」という文章がありました。アメリカの現状が非常によく表されているので、その全文を紹介します。
「二〇〇二年明けましておめでとうございます。
 私は昨年の四月に渡米し、現在、ハーバード大学ライシャワー研究所の客員研究員としてボストンで暮らしています。皆様に十分連絡もとらずにアメリカに来てしまった失礼をお許し下さい。
 最近のアメリカの状況を一言でいえば、アメリカは狂い始めているのではないかと思っています。アメリカの支配的なエリートの言動は、我々の常識をはるかに超えています。九月十一日事件直後にブッシュが先頭に立って戦争を言い始めた時にもぞっとしましたが、現在は、アフガニスタンの後はイラクだとかソマリアだとかいう議論が盛んです。信じられない感覚です。ハーバード大学の学長は、クリントンの時に財務長官だったサマーズですが、彼は、大学は死を覚悟している軍人たちを支持する義務があるなどと言い始めました。気が狂っているとしか言いようが有りません。
 狂い始めているのは支配的エリートだけではなく、アメリカ国民もそうです。九月十一日以後、多くのリベラルと言われている人たちが転向しました。ブッシュを85%とか90%が支持しているというのは、異常としか言いようがありません。
 アメリカ国民はだまされていると言う見方もあるかも知れませんが、私はアメリカに来て、そのような見方は、あまりにも素朴だと思うようになりました。根は深いのです。
 この様な中で今回の戦争に異議を唱えた人たちには、救われる思いがします。愛国青年だけでなく、反戦青年も増えています。ボストンで今回の戦争に反対している最も有力な集団の一つが、キリスト教の一分派とも言えるクエーカー教徒たちです。クエーカーは、十七世紀以来、平和のために闘い、弾圧に耐えてきた徹底した非暴力の平和主義者で、リーダーのジョセフ・ガーソンは本当に尊敬出来る人です。」
(第2回:「キューバ危機とケネディ」に続く)

《追加のひと言》
1956年製作、1957年に公開されたアメリカ映画『友情ある説得』は、南北戦争時代のクエーカー教の牧師一家の愛と喜びと悲しみを描いた名作です。
製作・監督は、ウイリアム・ワイラー。『ローマの休日』、『大いなる西部』、『ベン・ハー』など数々の名作を残した名監督です。
主演は、名優ゲイリー・クーパー。『真昼の決闘』はあまりにも有名です。
牧師の妻役は、ドロシー・マクガイア。

憲法便り#328 『9・11直後のアメリカ論(2):キューバ危機とケネディ、二大政党制の危険性』

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「河内氏の文中で使われている「気が狂う」という表現は妥当ではなく、好きではありません。しかし、その点を除けば全体として肯んぜられるもので、彼が日頃感じていることがひしひしと伝わってきます。
私は河内氏がふれている「根の深さ」は、言い換えればアメリカにおける民主主義の「根の浅さ」、脆弱性に起因していると考えています。
 九月十一日に引き起こされた同時多発テロのショッキングな映像を見ながら、世界経済の先行き不安と同時に、私の脳裏をよぎったのは河内氏が書いているようなアメリカ社会の急激な変化の予見でした。その根拠となったのは、まだ早稲田大学の一年生だった一九六七年に聴いた服部辨之助先生の「政治学」の鮮明な記憶です。彼はソ連がキューバにミサイルを持ち込もうとして一触即発の事態となった一九六二年の「キューバ危機」の時、アメリカに留学中でした。当時のアメリカ大統領はケネディで、彼が一九六〇年の大統領選挙で獲得した選挙人の数こそ共和党のニクソン候補を三〇三票対二一九票と引き離しましたが、全米の一般投票総数では六八〇〇万票のうちわずか十一万八千票の僅差でした。彼は「キューバ危機」の時まで必ずしも評判はよくなく、論敵や政敵も多数存在していました。しかしながら、「キューバ危機」で核戦争も辞さない構えを取り、キューバを海上封鎖したケネディの支持率は急上昇し、アメリカ全体が戦争モードに一変しました。服部先生の友人で、前日までケネディを批判していたインテリ達も一斉にケネディ支持者に変わりました。
 なぜ、アメリカ社会ではこのように歯止めが利かない事態が簡単に起きてしまうのだろうか? それには、基本的政策の九〇パーセントが共通している民主、共和両党しか選択肢がない、二大政党制によるアメリカの政治構造の「根の浅さ」が指摘できると思います。
 ひるがえって日本の政治状況を見ると、元自民党員の鳩山由紀夫氏が民主党と自民党による二大政党制を盛んに主張しています。これが現実のものとなった場合には、日本でも同根の政党間での地滑り的移動が簡単に起こり得ると思います。現に、改憲論議において鳩山氏は「鷹派」の本性を表しています。」
(第3回『アメリカ民主主義の「根の浅さ」と問題の「根の深さ」』に続く)

〔追加のひと言〕日本の国民が目の当たりにしている通り、マスコミも加わって二大政党制、内容抜きの政権交代が煽られ、私の予見は不幸にも現実のものとなりました。

憲法便り#330 『9・11直後のアメリカ論(3):「根の浅さ」と「根の深さ」』

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「アメリカ民主主義の「根の浅さ」、そして問題の「根の深さ」は戦後のアメリカ社会史を見ても明瞭です。
 一九四九年秋から五年間にわたって政府活動特別委員会を舞台にして共和党上院議員マッカーシーのイニシアチブにより吹き荒れた、いわゆる、「マッカーシー旋風」は、赤狩りと思想弾圧でアメリカの真の民主主義を思想の自由を根底から覆しました。
 一九五五年からキング牧師を指導者として始められた人種差別バス・ボイコット運動を契機に南部各地に広がった黒人の運動は、一九六五年に新公民権法を制定させました。しかし、実際に差別撤廃を克ち取るまでには、キング牧師暗殺を含む多くの犠牲を伴い、長い苦難な道のりを経なければなりませんでした。キュー・クラックス・クランと名乗る人種差別主義者の秘密結社による暴力のみならず、白人の差別意識が厳然たる壁として立ちはだかっていました。今も人種差別は存在しています。
 アメリカはもうひとつ根深い問題を抱えています。「銃規制」を今も解決出来ないでいることは、アメリカ民主主義の限界であり、銃の力でアメリカ原住民から奪い取って作り上げられたアメリカ社会が内包している根本的な問題です。これは暴力によって他を支配するという発想の温床になっており、「力の論理」「強者の論理」「殺す側の論理」に連なっています。
 テキサス州の石油産業と軍事産業をバックに登場したブッシュ大統領は、アメリカ社会の行き詰まりを打開するためにテロ事件を最大限に利用し、軍事行動をつづけています。その有効性が疑問視されているミサイル防衛網構想にも、テロ事件直後に大幅な予算が承認されました。テキサス州一州だけでフランス一国と同量の炭酸ガスを排出しているアメリカは、ブッシュ大統領の登場後にいち早く「京都議定書」批准を拒否しました。アフガニスタン空爆による市民の死者の数は、すでにテロ事件の犠牲者の数を上回っています。本当の「ならず者国家」は、やりたい放題を続けているアメリカだと断言できます。
 国際世論はこの状態をながくは容認しないでしょう。声をあげ続けることが必す力になると思います。
 私は理性の勝利を信じて、これからもペンによる闘いを続けます。」

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by kenpou-dayori | 2017-04-30 22:30 | 今日の話題
2017年 04月 29日

憲法便り#1992:憲法普及会編『新しい憲法 明るい生活』(あの中学生教科書ではない)の本文を一挙掲載!

2017年4月29日(土)(憲法千話)

憲法便り#1992:憲法普及会編『新しい憲法 明るい生活』(あの中学生教科書ではない)の本文を一挙掲載!

昨4月28日夜、奈良県の女性から電話をいただきました。

2004年11月9日に、「ならコープ平和の会」のお招きにより、奈良県立婦人会館で行った講演を、お聞き下さった方
です。
以前、私が復刻版を作成した『新しい憲法 明るい生活』を最近読んでみて、憲法カフェで使いたいとのこと。

私は、この版を12,000部出版しましたが、完売になっていること、最近出版した『検証・憲法第九条の誕生』(第六版)に収録してあることを伝えました。

この拠りとりの中で、驚いたことがありました。

すでに活動をやめてしまったと伝えられていた「ならコープ平和の会」がいまも活動を続けているということでした。

その40年におよぶ活動をまとめた出版物をお送り下さることになる、楽しみに待っているところです。

以下に、2015年6月27日(土)(憲法千話)の憲法便り#1027に収録した、憲法普及会編『新しい憲法 明るい生活』(1947年5月3日)を紹介します。
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本書は、文部省が発行した中学生教科書『あたらしい憲法のはなし』よりも、四ヶ月前に刊行されたものです。

 『新しい憲法 明るい生活』は、新憲法が施行された1947年(昭和22年)5月3日付で「憲法普及会」が非売品として刊行したもの。

 同書は、A6判30頁で、活字版二千万部が全世帯に配布されたほか、約十万人の視覚障害者のために点字版も刊行、配布されました。構成は、発刊のことば、解説部分(1―13頁)、憲法前文及び条文(14―30頁)からなり、表紙には「大切に保存して多くの人人で回読して下さい」と書かれています。
 
 小冊子とは言え、敗戦後の紙不足を考えれば、大変な事業であり、同書の刊行、全世帯配布は、憲法普及会が行った活動の中で最も大規模な取り組みでした。

 内容は大人向きの解説で、挿絵は端的かつユーモラスに満ちています。戦争放棄の挿絵は、同書の刊行から5ヶ月後の8月2日に文部省から中学生教科書として出版された『あたらしい憲法のはなし』で有名な「るつぼ」の絵の原型です。

 当時の点字版が公的機関に残っていないため、岩田が2008年に解説部分の点字版を自費出版して、国立国会図書館及び全国に約八〇館ある点字図書館と、『点字毎日』で知った希望者に贈呈しましたが、その後も希望があり次第、贈呈を行っています。

 憲法普及会は衆議院、貴族院、政府により創設されました。1946年12月1日に発足し、「新憲法の精神を普及徹底し、これを国民生活の実際に浸透するよう啓蒙活動を行うことを目的として」一年間全国的な活動を行いました。本部は帝国議会内に置かれ、会長には芦田均が就任しました。

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 <b>この後は、日本国憲法の前文及び条文が続きますが、省略します。</b><br>
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 なお、憲法普及会の活動全般については、<a href="http://kenpouq.exblog.jp/19992897/" target="_blank">『心踊る平和憲法誕生の時代』</a>の第六部(220―232頁)をご覧ください。<br>
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by kenpou-dayori | 2017-04-29 21:27 | 新しい憲法 明るい生活