「花神輿(大鯛の神輿)」「天狗神輿と男女同権神輿」
今日から、憲法公布記念シリーズの連載を始めます。『心踊る平和憲法誕生の時代』を補完する目的で、同書に収録できなかった写真記事を、シリーズ化して順次紹介します。昭和21年11月3日の憲法公布記念日を中心にその前後の記事も併せて紹介する企画です。原則として各都道府県を一回ずつ紹介しますので、一巡すると約50回になります。
この記事開始を機に、ブログのタイトル「岩田行雄の憲法便り」を「岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞」と変更します。日刊とする理由は、これまで蓄積して来た研究成果の中で伝えたい多くのことがあること、安部政権になってから憲法をめぐる情勢が逼迫していることによります。
紹介する新聞資料の中には、私が調査した時点で国立国会図書館が所蔵していなかったため、各県立図書館を訪問して、収録した資料が多く含まれています。この企画は、憲法研究史上初めての試みで、必ずや皆さんのお役に立つことと思います。資料収集のため訪問した各地の図書館は、次の通りです。
宮城県図書館
群馬県立図書館
茨城県立図書館
千葉県立図書館
埼玉県立浦和図書館
山梨県立図書館
静岡県立図書館
富山県立図書館
福井県立図書館
徳島県立図書館
香川県立図書館
鳥取県立図書館
広島市立図書館
以上の他に、滋賀県立図書館に依頼をして収集した『滋賀新聞』の記事もあります。
したがいまして、資料収集にまつわるエピソードも併せて紹介しますのでお楽しみに。
憲法公布記念シリーズ終了後は、昭和22年5月3日の憲法施行記念シリーズを予定しています。
憲法公布記念シリーズ第一回は、「当時の岐阜県では」です。
今日は、『岐阜タイムス』昭和21年11月4日付二面より、柳ケ瀬を練り歩いた岐阜魚介組合の「花神輿(大鯛の神輿)」、渋谷町の「天狗神輿と男女同権神輿」、そして「金津の花街手踊」の写真を紹介します。
岐阜県から始めたのは、それなりの理由があります。ご本人の了解を得て紹介しますが、岐阜県の加藤正吉さんからいただいた『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文葉書は、驚いたことに入院中の病床からの発信でした。
文面には「前略 折りしも戦後最低の投票で国家理想を破壊する強大な改憲勢力が誕生した昨年暮、御病気との格闘をすり抜けられ、新著を手掛けて頂いた迫力ある御手紙本日手にしました。早速手持の資金と、どうしても読ませたい人、読んでもらいたい人を数えました結果、15部御送付頂きたいと存じます。正直、我が世代の退廃文化の統領“太陽の季節”がマスコミを利用し、クソ腹の立つ年末年始でした。それが原因かは不明ですが、この申込書も病棟の片隅で書いています。」(後略)
私はすぐにお見舞いのお茶を添えて手紙を送りましたが、その後快方に向かわれたということで、さらに五部の追加注文を頂きました。そして、加藤さんから『心踊る平和憲法誕生の時代』を贈られた蕨市の方から3部の御注文を頂きました。私の著作はいつもこのような御協力により、広めて頂いています。
5月9日に電話を差し上げたところ、その後、お元気でお過ごしとのことでしたので、加藤さんの健康回復のお祝いの意味を込めて、大鯛の花神輿の写真がある紙面を選びました。この紙面は、国立国会図書館のマイクロフィルムが劣化していて文字が判読できないため、岐阜県立図書館に依頼して、送っていただいたコピーを利用したものです。
もうひとつ、11月3日付『岐阜タイムス』二面から、祝賀広告を紹介します。(コピーの下が切れているのは、マイクロフィルム作成時の問題です)
全国の祝賀行事と祝賀広告については、『心踊る平和憲法誕生の時代』の第四部、第五部をご覧ください。
明日は、徳島県です。
※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、
こちらから