2013年5月21日
憲法便り#16 憲法公布記念シリーズ(第7回)「当時の宮崎県では」
「歴史的新憲法公布」
今日は、『日向日日新聞』から、ふたつの紙面を紹介します。
ひとつは、昭和21年11月4日付一面の下段に掲載された祝賀広告。
企業五社による大見出しは、
「歴史的新憲法公布 民主日本再建」
もうひとつは、11月4日付三面の下段に掲載された広告です。
「宮崎市復興祭」に続けて、「民主日本建設」の言葉。
二つの広告をあわせると、「新憲法公布」「民主日本再建」、「民主日本建設」と、この時代を象徴する言葉が並んでいます。
同じようなことは、『長崎新聞』や『佐賀新聞』など、他の新聞でも見かけます。
敗戦後の復興は、単なる経済的な復興ではなく、民主主義を基盤とする復興こそが、国民の思いでした。
宮崎には、2004年10月23日に開催される、「宮崎革新懇・県労連・県学習協」共催の講演に招かれて、初めて訪問しました。
前日の昼前に宮崎空港に到着すると、講演会責任者の黒木利忠さんが出迎えて下さいました。
昼食を御馳走になったあとは、彼の愛車で宮崎の観光名所巡りです。
青島、
長く続く日南海岸、
途中の絶景ポイントでの写真撮影、
飫肥城めぐり。
陽が西に傾き始めたころ、黒木さんが「岩田さんは、寅さんの映画、お好きですか」と、私に問いかけました。
私が「大好きです」と答えると、彼は、宮崎への帰り道とは反対方向に、さらに南へと向かいました。
着いた所は、堀川という町。堀川運河が流れています。
ここで、『男はつらいよシリーズ』の第45作「寅次郎の青春」が撮影されました。
マドンナ役は、風吹ジュン。彼女が演じる女性が、小さな床屋を営んでいた町です。
私は『男はつらいよシリーズ』の全作品を見ていますが、第45作を見てすぐに思ったのは、「私がこの町を訪れることは、一生、ないだろうな」ということでした。
その町に連れて行ってもらったのですから、本当に感激でした。夕暮れが迫る町の風景は、あの作品の印象とぴったり重なるもので、こうして書いている今も、鮮やかに蘇ります。
翌日、「婦人会館」で行われた講演会は大成功でした。事前に宣伝カーを市内に走らせ、市民の皆さんへのお知らせもしていて下さったと伺いました。
明日からは3回にわたって憲法公布記念シリーズ(第8回)「当時の富山県では」を送ります。
※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、
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