2013年5月30日
憲法便り#25 憲法公布記念シリーズ(第14回)「当時の大分県では」
「神話と伝説よ 左様なら」
今日は、『大分合同新聞』昭和21年11月3日付から四つの紙面を紹介します。
ひとつ目は、11月3日付二面の下半分に掲載されたふたつの祝賀広告。
「
民主日本の暁鐘 祝 新憲法公布」
この広告を出したのは、馬車、牛車、荷車の大量製作をしている大分市内の大分車輛工業株式会社。
「
平和国家建設 祝 新憲法公布」
これは、同じく大分市内にある大分鉄工株式会社による広告。
民主日本と平和国家建設が謳われています。
ふたつ目は、11月3日付三面の上半分に掲載された「新憲法 けふ華々しく公布」の記事。
「
神話と伝説よ 左様なら」「晴がまし
主権在民 よろこび胸に、けふの言葉」と題して、県民13人の顔写真入りで、談話を報じています。13人のうち、9人は女性です。これは、全国的にみても、当時としては珍しい紙面構成です。その女性たちの談話の見出しとお名前を紹介しましょう。この紙面は下半分まで続いており、皆さん、とても意欲的です。
「私ども婦人の夜明け」大分市婦人会長 山上アヤ子さん
「再建に微力を捧げる」大分市船頭町内第三班 井村ヨネさん
「希望に生き抜こう」第一高女教諭 藤沼恵さん
「権利の裏に義務あり」明星美容専門女塾長 貝沼梅子さん
「男性依存にお別れ」大分管理部 原口幸子さん
「多年の努力の成果」大分師範女子部本科二年 吉富シズ子さん
「忠実な実行者たろう」第一高女五年 吉原澄江さん
「はかり知れぬ慶びあり」豊州高女四年 安部八重子さん
「仲よく手をつないで」大分市春日町校六年 玉繁満池子さん
三つ目は、11月3日付三面の下半分。
「祝 民主日本の新憲法公布」と題した祝賀広告。
国立大分病院、国立別府病院、国立亀川病院と、三つの国立病院が揃っての意思表示です。
四つ目は、11月3日付四面下半分の祝賀広告です。
「祝 民主日本の新憲法公布」と題した、24の企業・団体・個人の祝賀広告がありますが、
これに目を奪われて見逃してはいけない祝賀広告が、最下段の右隅にあります。
「新憲法公布記念
祝賀 仮装大舞踏会」
「余興沢山あり、オールダンサー仮装でお相手!」
「お客様の仮装歓迎!」
これは、別府・北浜の「立花ダンスホール」が、11月3日夜に開催したもの。
庶民は、したたかです。
大分県には、湯布院や国東半島など訪ねてみたいところがありますが、まだその機会をもっていません。
大分県平和委員会の方からは何回もご注文をいただいたことはありますが、その他には、なかなか接点ができませんでした。
ところが、つい先日、いつもお世話になっている郵便局の局員の方のひとりが、大分県のご出身であることがわかりました。
このおかげで、大分県が、ぐっと身近かになったような気がしています。
明日は、愛媛県です。
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