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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2013年 06月 06日

憲法便り#38 昭和20年の憲法民主化世論 新聞記事編(第4回)

「幣原内閣発足翌日、第一回幣原・マッカーサー会談前日に」

今日は、昭和20年10月10日付『高知新聞』の社説を紹介します。
論理が明快で、日本が民主化を進める上での本質的な問題点を鋭く指摘しています。
さすが、『高知新聞』です。

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「民主主義化と憲法改正」
「冷嚴深刻な幾多の政治的事實が次ぎ次ぎに現れてくる。後継内閣の組織が案外早く行はれさうで、しかも案外おそかつた事實、それは複雑な問題が繫がつてのことゝ思はれるが、最近内閣総辭職の原因なるものが、宮様首相の□□□□□通りに「終戦事務の一段落」に加へて、更に山崎内相罷免の眞相に関聯する「政治、信教並に民權に自由に對する制限の撤廢」についての覺書によることが判明した。即ち覺書の要求する 天皇陛下、皇室制度に對する自由な討論制限を撤廢することは、宮様内閣として到底實行し得ないことであり、又内務大臣以下の全國の警察首脳部、全特高警察機関を廢止しては國内の治安確保には責任が持てないといふことが、その直接原因であるといふのだ。
 だからわれらの所見として既に開陳しておいた内閣改造問題の行き詰まりといふよりは、もつと根本的な問題から發生した内閣総辭職であつたことが知られる。いはばそれら、冷嚴深刻な問題の解決途上にある波紋または過程としての政變であつた見るが至當で、これが解決のなかなか容易でないごとく、これが解決に直面する内閣の改造なり、組織なりのまゝ以て一層容易でないことが想像される。然らばその根本問題とは何か。いふまでもなくポツダム宣言の實行者としての新日本民主主義國家の建設にある。そのためには當然國家統治、根本原則を規定する帝國憲法の改正を見ねばならぬ。このことについては、目下眞摯嚴粛なる攻究檢討がわが國當局や識者間において行はれつゝあるやうであるが。しかしそれは合法妥當な立憲的方法によらねばならぬとして、自然議會の協賛を経ねばならぬ。さればこそこれに関聯する議會の解散、総選擧の施行、これが準備としての選擧法や議院法の改正などが必要とされ、それに到達する前提として、すでに言論、結社、出版等の自由が實施されてゐる現状に考へ、日本はいま□くべきところ、行かねばならぬところへ日一日進みつゝあることを知らねばならぬ。これは國民として将悲しむべきかの問題でなく、それを超越して 冷嚴な一種の脱皮作用ともみるべきだ。
 わが國の民主主義への轉換については畏くも 聖上陛下から米記者に對するお答へが不文の鐡則を示す。即ち英國のやうな立憲君主□を望□せられ、また日本の政體を即時革命的 變更することは可能でもなければ望ましくもないとの仰せ、立憲的手續きを通じて表明された國民の総意に従ひ、その線に沿つて必要な變更が實行されるべきであるとされてゐる□が、われら國民□進むべき途であるまいか。かくてわが帝國憲法の改正は、當□必至の問題と見て、これに□□る國民の覺悟がなければならぬ。そしてその根本問題は新日本民主主義 確立であり、それは實にポツダム宣言と相反しない、否寧ろそれを實行する方途とも考へられる。と同時に日本傅□の國體護持の精神にも副ふものでなければならぬ。それがなかなか至難の大業であるわけだ。惟ふに新内閣は國民の窮迫せる生活問題の解決について重大な責任をもつ一面、更にこの歴史的な一大事業をも完遂せねばならぬ。もとより、國民□くがこれに協助□でなければ、その目的は達成されない。

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by kenpou-dayori | 2013-06-06 07:00


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