毎日新聞(6月21日付・地方版)に記事が掲載されました。
掲載紙が届きましたら、改めてお伝えいたします。
自費出版:戦後の新聞に見る憲法 研究者の岩田行雄さん、国民の熱気伝える /宮城
毎日新聞 2013年06月21日 地方版
憲法研究者の岩田行雄さん(70)が「心踊る平和憲法誕生の時代−戦後の新聞61紙に見る『憲法民主化』の過程」を自費出版した。日本国憲法が生まれた時期の毎日新聞、河北新報、熊本日日新聞など全国の新聞の紙面が収められているが、大半の新聞が新憲法の公布(1946年11月3日)を「国民が待ち望んだ憲法」との認識で報じており、当時の熱気がうかがえる。【小原博人】
岩田さんは、新憲法成立史を研究するため、全国の図書館などで公布に関する当時の新聞記事を収集した。
河北新報の46年11月4日付1面は「新生日本へ大行進」の見出しで、「(前略)自由、民主、平和の三大原理を骨子とする新憲法は、武器を捨てた国民の“世界永遠の平和”へのひたむきな願いを反映し(後略)」と報じた。2万人が集まった県庁前広場での公布祝賀行事や、県民の新憲法に寄せる思いを多面的に伝えている。
多くの新聞が新憲法を歓迎する中、評価色が薄かったのは、共和制を掲げる共産党機関紙「赤旗」など2紙だったという。
同書は、GHQ(連合国軍総司令部)と幣原喜重郎内閣の「憲法問題調査委員会」の折衝など、新憲法誕生に至る経過を概説。民間の「憲法調査会」の憲法草案がGHQ案に反映されたことや、45年末までに民主憲法を求める世論が形成されていたことなどを伝え、「改憲派の“押しつけ憲法”批判は当たらない」としている。公布時の吉田茂首相の「押しつけ憲法批判」への反論も紹介している。
岩田さんは東京都在住。戦時中、福島県への疎開体験がある。「戦争協力を反省した新聞が民主憲法の誕生に果たした役割を明らかにできた」と話す。
1050円。2000部発行。問い合わせは美和書店(03・3402・4146)。
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