人気ブログランキング |

岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

kenpouq.exblog.jp
ブログトップ
2013年 07月 02日

憲法便り#92 連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第五回)

2013年 07月 02日
憲法便り#92 連載:日本共産党が日本国憲法草案の採決で反対した四つの理由(第五回)

【第三の理由】
それだけではありませぬ。さらに第四章には参議院を規定して居る。ここに保守反動勢力を温存しようとする計画が行われて居る。しかも驚くべきことは、今日に至るまで参議院の性格、構成、選挙方法等についての政府の具体案が今なおこの議会に提出されていない。当草案に依れば、参議院は国権の最高機関である国会の重要な一構成要素である。
だからこの憲法草案が当議会を通過する時には、当然参議院の内容が我々議員に明らかにされていなければならない。参議院がどんなものであるか、政府にも我々にも分からないままにして、この憲法を通過させることは不当であり、また違法であると言うことが出来る。それにも拘わらず、政府はなぜ参議院をこのような状態にして設置することを頑強に主張されるのであるか。
(次回に続く)

(注)幣原内閣で憲法担当大臣だった松本烝治が、昭和29年(1954年)7月7日に日本自由党憲法調査会で行った講演の中で、参議院について次のように述べています。

「私の当時の考えでは、どうも直接選挙で全部の議院を選出することはどうだろうか。もしやるならば地方議会を選挙母体にしたらどうか。それから職能代表も趣旨で商工会議所とか、その他いろんなものを母体の中に入れて行くということにしたらどうか、そういうものによっての選挙にしたらどうか。それからなおほかに推薦制を設けて、全然出たくない人、あるいは出たいと言わない人を政府が特別の独立の委員会を設けて、そこで推薦してきめるということを入れたらどうか。前の勅選(ママ)議員の制度をある程度残しておくことはどうだろうかというようなことを考えておったのですが、これらの点は全然いけませんでした。その結果、今ある参議院というものは、私は二院制の存在理由を十分充しているかどうか多少疑うものでありますが、しかし、それでもまあ幾らかないよりはたしかにいいと思うのであります。」

これは、昭和21年2月13日に総司令部側から示されたGHQ草案が一院制を提起していたことに対して、二院制を主張した時のことを述べているものです。このように、参議院の創設には、貴族院の仕組みを残そうとする策動があったことも事実なので、日本共産党の反対意見は単なる杞憂ではなかったことを書き添えておきます。

※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから

by kenpou-dayori | 2013-07-02 07:00 | 日本共産党が反対した四つの理由


<< 憲法便り#93 「笑いのめそう...      憲法便り#91 「笑いのめそう... >>