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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2013年 08月 05日

憲法便り#169 日本共産党の皆さん必見!ナチスの手口(1)共産党弾圧

2013年8月5日

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1933年2月27日夜、国会議事堂放火事件(炎上事件ともいう)がありました。
その翌2月28日朝、ナチス政権は「民族および国家の保護のためのライヒ大統領令」を公布しました。
明らかに、予め仕組まれた陰謀です。
ナチス政権は、この大統領令により、共産党を弾圧し、憲法の基本権をすべて停止し、ワイマール憲法を窒息させました。
これが、いわゆる「ナチスの憲法」の始まりです。

一夜にして、ドイツを事実上の戒厳令状態にした、ナチスの手口を見習うということは、民主主義の破壊を意味します。
「ワイマール憲法は、いつの間にか変わっていた」という麻生副総理の発言は、まったくの誤りであり、デタラメです。

国会議事堂放火事件を利用した大統領令の発布は、1月30日にヒトラーが首相に就任し、ナチス政権が誕生してからわずか1カ月後のことです。

安倍首相の答弁のデタラメぶりは、すでに5月4日の憲法便り#1および7月16日の#120で明らかにしていますが、麻生副総理のデタラメはそれ以上のものです。

その内容と問題点を正確に伝えるために、次の文献を引用しました。
高田敏(たかだ・びん)・初宿正典(しやけ・まさのり)編訳
『ドイツ憲法集〔第3版〕』〈講義案シリーズ17〉(2001年、信山社)

文中の、ライヒは「国」を意味します。
ヴァイマルは、一般的には「ワイマール」と表記されています。

同書の(5)ナチスの憲法(153-155頁)から、最初の部分の訳文および(注1)を紹介します。

5.ナチスの憲法(1933-1934)

I 民族および国家の保護のためのライヒ大統領令(1933年2月28日)(注1)

 ライヒ憲法〔=ヴァイマル憲法〕第48条第2項に基づき、共産主義的な、国家公安を害する暴力行為を防止するため、以下のことを命令する。

§1〔基本権の停止〕
 ライヒ憲法第114条、第115条、第117条、第118条、第123条、第124条、および第153条は、当分の間効力を停止する。人身の自由・言論の自由権(出版の自由を含む)・結社および集会の権利の制限、信書・郵便・電信・電話の秘密に対する干渉、家宅捜索および押収の命令並びに所有権の制限等は、これに関する一定の法律上の制限を超えるときにおいても、認められる。

(注1)ナチスは、1933年3月5日の総選挙に際して、テロルの行動に出、また政治集会・政治団体等の弾圧を行った。そして、2月27日夜のライヒ議会議事堂放火事件の翌朝に、本令が公布されたのである。したがって、本令は、「ライヒ議会炎上命令」(Reichstagsbrandverordnung)と呼ばれることがある。
 本令は、形式的にはヴァイマル憲法第48条第2項にもとづく大統領の非常措置であるが、実質的には、このような制定過程を反映した内容となっている。まず本令は、ヴァイマル憲法第48条第
2項に掲げられた基本権の全部を停止している(§1)。そして、この停止は「当分の間」なされることとされていたが(同条)、本令は1945年まで効力を失うことはなかったのである。また本令§5は、刑法の定める刑罰に変更を加えている。さらに、ヴァイマル憲法第48条第5項は同条の措置に関する詳細を法律で定めることとしていたが、その法律の制定のないままに本令が発布されている。

なお、ワイマール憲法の各条文の内容等、詳しくは、8月3日付の憲法便り号外(7)をご覧ください。

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by kenpou-dayori | 2013-08-05 08:00 | ナチス


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