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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2013年 08月 25日

憲法便り#235『希望の種』奨学金提唱者の坂田雅子監督からのメールを紹介します

8月21日付『憲法便り#223 ご存知ですか?シリーズ(第17回)』で、「ベトナム枯葉剤被害者支援『希望の種』奨学金について(グレッグ・ディビス追悼)」と題して、この奨学金制度をお知らせする投稿をしました。
どの程度の反応があるか心配していたのですが、当日のパソコンへの記事別アクセス数は、この記事がトップでした。

私は、8月21日早朝に、坂田さんにブログへの投稿を関して、下記の通りメールでお知らせしたところ、坂田さんからの返信が届きました。
ご本人の了解を得て、その返信もここに掲載いたします。

【岩田からのメール】(8月21日)
坂田雅子様
8月10日のベトナムダイオキシンデー会場でのサインセールの際にお目にかかりました、憲法研究者の岩田行雄を申します。
本日午前八時に、ブログ『岩田行雄の憲法便り#223』とツイッタ―で、『希望の種』奨学金について、お知らせを掲載します。
後ほど、こころばかりのカンパをお送りします。取り急ぎお知らせまで。
岩田行雄

追伸 妻が「映画友の会」の友人たちと共に、8月13日に岩波ホールで(広島、長崎に関する)2作品を鑑賞しました。その際に、幸運にも坂田さんの通訳で、監督挨拶を聞けたと喜んでいました。

【坂田雅子さんからの返信】(8月21日)
岩田さま

メールとお電話ありがとうございました。
さっそくブログを拝見しました。またときどき拝読させていただきます。『希望の種』のご紹介ありがとうございます。細々とした活動ではありますが、できるだけ続けていきたいと思っておりますので、ご協力感謝します。ちなみにこの奨学金は、2011年1月に始めました。

岩波は友情出演でつたない通訳でしたが、奥様にご来場いただき、幸いでした。

奨学生の動向などまた折にふれ報告させていただきます。

坂田


以下に、8月21日の憲法便り#223を再録いたします。

憲法便り #223 ご存知ですか?シリーズ(第17回)
ベトナム枯葉剤被害者支援『希望の種』奨学金について(グレッグ・ディビス追悼)

憲法便り(10)で、8月10日(土)に参加してきた「ベトナムダイオキシンデー第3回ニッポン2013」ことを紹介しました。
今日は、その会場でいただいてきたリーフレット『希望の種』奨学金について(グレッグ・ディビス追悼)の文章を、そのまま紹介します。
これは、ドキュメンタリー映画『花はどこへいった』および『沈黙の春を生きて』を製作した坂田雅子監督が提唱している奨学金の制度です。

【『希望の種』奨学金について(グレッグ・ディビス追悼)】
夫を亡くした悲しみから何とか立ち直ろうと、私は『花はどこへいった』というタイトルの枯葉剤についてのドキュメンタリー映画をつくりました。私が枯葉剤問題に関わる原動力となったグレッグの死を、再び生きる力に変えるという望みをもってこのように名付けました。

【枯葉剤とはなにか】
ほぼ10年前、1961年8月10日に米軍はベトナムでの枯葉剤作戦を始め、それは約10年間続きました(1961年から1971年まで)。枯葉剤は人類に前例のない死と苦悩をもたらし、南ベトナムとその周辺地域の環境は破壊されました。
8千万リットルもの、最も毒性の強い化学物質ダイオキシンを高濃度含むエージェント・オレンジに代表される枯葉剤は、480万人のベトナム人に散布され、そのうち300万人が影響されたと推定されます。被害は戦争後に産まれた第2世代、第3世代にまで及び、今日まで続いています。

【被害の現状】
ベトナム枯れ葉剤被害者の会(VAVA)は2004年に米国の枯葉剤を製造した化学会社ダウ・ケミカル、モンサントなどに対し補償を求める訴訟を起こしましたが、2009年、最高裁の棄却により法的手続きによる米国からの救済は不可能となりました。現在は市民団体などが議会を動かし補償をする立法をめざしていますが、楽観できません。その間も、ベトナムの被害者達は困難な生活を余議なくされています。

被害者を抱える家族の多くは大変貧しい生活を強いられていて、彼らを学校にやることも出来ません。
貧困と障害に苦しむ枯葉剤被害者の子供達にも、大きな可能性が秘められています。この奨学金の制度によって希望の種が芽生え、苦脳の生活の中にも一縷の光りをもたらすことが出来るかもしれません。

対象生徒:ベトナムの南、北、中部それぞれから一省(北:ホアビン省、中部:クアンチ省、南部:カントー)のVAVA支部から候補となる生徒6~7人を推薦してもらい、その中から15~20人を選びます。対象となるのは高校を卒業して大学、あるいは専門学校に行きたいが資金がない子供達。一人一月25ドルあれば彼らの望みがかなえられます。これらの省はことに貧しく、被害者の多いところです。

資金:約20人の生徒に計月500ドルを3年間補償します。奨学金は3ケ月分まとめて生徒にわたされます。当初3年分の18,000ドルは確保していますが、募金、会費、寄付金などが集まれば、より多くの子供達が学校へ通うことができるようになります。そして、それは彼らの自立をたすけ、家族への負担も軽減されます。

コミュニケーション:被害者の方々が必要としているのは、経済的な援助だけではありません。自分たちの住んでいる地域、国の外に実情を知り、同情し、援助の手を差し伸べようとしている人々がいることを知るだけでも大きな力になり得るのです。奨学生たちに定期的にレポートを書いてもらい、彼らの実情を知るとともに、こちらからも励ましの手紙や訪問で応援します。映像、写真、ニューズレターなどで彼らの生活をフォローアップし、金銭面のみならず親交を深め、インターネットを活用し寄付をして下さった方への報告もしていきます。

アメリカの大きな財団など寄付の額は大きいものの、なかなか被害者には届かないと聞いています。私たちが提供できる額は僅かですが、草の根には草の根のやり方があると思うのです。援助できる子供達の数は限られていますが、その小さな波紋がいつかは広がっていくでしょう。なお、資金が間違いなく被害者の子供達の手に届くことを見届ける責任はハノイのVAVAおよび提唱者坂田雅子が全面的に負います。

VAVAについて
正式名称 Vietnam Association of Victims of Agent Orange/Dioxin
2003年12月、ベトナム国務省、許可NO84/2003/QD-BNDの認可を受けて正式に発足。枯葉剤被害者、その支持者らのボランティア団体で、現在ベトナム国内の50省に支部をもつ。その活動目的は枯葉剤被害者達に国内および国際的な援助の手を差し伸べ、彼らの社会的参加を可能にし、生活を改善すること、米国の責任を明らかにし、この化学剤による問題の解決をはかることである。

坂田雅子氏について
ドキュメンタリー映画監督。
1948年、長野県生まれ。65年から66年、AFS交換留学生として米国メイン州の高校に学ぶ。帰国後、京都大学文学部哲学科で社会学を専攻。
2003年、夫のグレッグ・ディビスの死をきっかけに、枯葉剤についての映画製作を決意し、ベトナムと米国で、枯葉剤の被害者やその家族、ベトナム帰還兵、科学者等にインタビュー取材を行う。
2007年、『花はどこへいった』を完成させる。
作品は毎日ドキュメンタリー賞、パリ国際環境映画祭特別賞、アースビジョン審査員賞などを受賞。日本はじめ世界各地で上映されている。
2011年、第2作を完成する。「枯葉剤の傷痕を見つめて」はNHK ETV特集で放映され、ギャラクシー賞受賞。劇場版『沈黙の春を生きて』は、岩波ホールを皮切りに全国で上映されている。アイチ国際女性映画祭・観客賞受賞。

グレッグ・ディビス氏(Greg Davis)(1948-2003)
フォト・ジャーナリスト。1948年、ロサンゼルス生まれ。ベトナム戦争激戦期の67年から70年、米軍兵士として南ベトナムに駐留。70年から74年、京都在住。この時、坂田雅子氏と出会う。75年からパリやニューヨークのフォト・エージェンシー「シグマ」に所属、アジア各国を撮影。87年から『タイム』誌契約写真家としてアジア各国、ロシア極東地域、中国、南太平洋地域を取材。2003年4月19日、胃の不調、足の腫れを訴え、入院。5月4日、肝臓がんにより逝去。

入会申し込みについて
会員A:年会費  7,500円
会員B:年会費 15,000円
会員C:年会費 30,000円
(Aは4名で1人、Bは2名で1人、Cは1名で1人の生徒を援助していただくことになります。

会費申込書  A B C
ご氏名
ご住所
ご職業
会員種類
Tel & E-Mail Address

会費支払先; 口座名:ベトナム枯葉剤被害者の会
       代 表:坂田雅子
三菱東京UFJ銀行(0005) 青山通支店(084)
普通:0006502

*会員以外の随時のカンパも大歓迎です。

〒379-1303 群馬県利根郡みなかみ町上牧1490
masakosakata@gmail.com
Tel:0278-72―5573

ニューズレター、インターネットなどで、
定期的に活動報告をいたします。
皆様のご協力、こころより感謝申し上げます。

www.seed-o-hope.com

by kenpou-dayori | 2013-08-25 08:13 | ベトナムダイオキシンデー


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