2013年8月28日(水)
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私は、東京革新懇からの要請を受けて、参院選の投票日が迫った2013年7月18日(木)に、『東京革新懇ニュース7・8月合併号』へ、一文を寄稿しました。
その寄稿文を、『東京革新懇ニュース』に先駆けて、参院選投票日の二日後、7月24日付の『憲法便り号外(2)』において、下記のタイトルで公表しました。
「ナチスの手口と酷似した改憲派の攻撃を撥ね返そう!」
文章の冒頭は次の通りです。
「国会議事堂の放火したのは共産党だ!」。1933年2月、ナチスが政権を獲得した直後の放火事件。ナチスはこの事件を口実に、共産党を徹底的に弾圧し、さらに憲法の基本的人権に関する一連の条項を停止する緊急条例を発布。第二次大戦後、放火はゲーリングらナチス犯行説が有力となったが、真相は不明。
放火事件を利用したナチスの手口と、改憲派のデタラメ言いたい放題及び言論抑圧の手口は酷似している。
改憲派は「占領下の日本政府にGHQが草案を押し付けた」と繰り返し、事実関係については嘘も含めて言いたい放題で世論を誘導している。日本が占領下にあったこと、GHQが草案を提示したことは事実であるが、当時の世論や国民の姿には一切ふれない。一方、平和憲法を護ろうとする側も、様々な憲法書を読んでも、当時の「憲法民主化」の世論や国民が平和憲法を歓迎した姿に確信を持って運動を進める材料が乏しかった。
4月に緊急出版した『心踊る・・・』は、正確な歴史的事実を以って「押し付け憲法」論に対して痛烈な反撃を行い、護憲運動にとっては大きな確信につながる憲法書である。
(以下、略)
その一週間後、麻生太郎副総理大臣の「ナチス発言」が報じられ、大きな問題として取り上げられるようになりました。
八月半ばに、妻宛に届いた知人・新堰義昭さんからの暑中お見舞いに、私の寄稿文についての感想が述べられていましたので、ご本人の了解を得て、ここに紹介します。
「さて、行雄さんの原稿は、ナチスの国会放火事件を切り口に書かれていますが、その後、例の麻生副総理の暴言があり、改憲勢力の本質を見抜く先見性に関心しております。
嬉しい感想です。
私は、東京革新懇ニュースへの寄稿文を書いた時点では、勿論、麻生太郎のあまりにも「バカ」正直な発言までは予見しておりませんでしたが、ぶろぐでの「ナチスの憲法」についての連載の準備をしておりましたので、夏休みもとることなく、予定を繰り上げて連載を続けた次第です。
憲法便り 号外(2)「ナチスの手口と酷似した改憲派の攻撃を撥ね返そう!」
憲法便り 号外(6)麻生太郎副総理の「ナチス」発言に断固抗議する!
憲法便り 号外(7)ナチスは国会議事堂放火事件の翌朝に憲法の基本権を停止した!
憲法便り#169 日本共産党の皆さん必見!ナチスの手口(1)共産党弾圧
憲法便り#172 ナチスの手口(2)「人身の自由」の剥奪
憲法便り#175 ナチスの手口(3)「住居の不可侵」を侵す
憲法便り#178 ナチスの手口(4)「信書・郵便・電信・電話の秘密」への干渉
憲法便り#181 ナチスの手口(5)「意見表明の自由、検閲の禁止」を葬り去る
憲法便り#186 ナチスの手口(6)「集会の自由」の圧殺
憲法便り#188 ナチスの手口(7)「結社の自由」を奪う
憲法便り#192 ナチスの手口(8)「所有権、公用収用の規定」の侵害
憲法便り#196 ナチスの手口(9)地方自治権の破壊
憲法便り#200 ナチスの手口(10)法律無視、最高刑死刑の厳罰化
憲法便り#204 ナチスの手口(11)大統領令発布、即施行
憲法便り#207 「ナチスの憲法」の全体像についてまとめました
憲法便り#211 ナチスの憲法(12)立憲主義否定、政府が立法、憲法に違反出来る条文を規定
憲法便り#214 ナチスの手口(13)法律で地方自治破壊、共産党の議席を剥奪
憲法便り#216 ナチスの手口(14)「ライヒ総督法」を定め、総督による地方直接支配確立
憲法便り#219 ナチスの手口(15)共産主義者、社会民主主義者、非アーリア人種の官吏罷免
憲法便り#222 ナチスの手口(16)「国民投票法」の施行による、国民投票の改悪
憲法便り#225 ナチスの手口(17)政党新設禁止法
憲法便り#228 ナチスの手口(18)立法により、党と国家の一元化をはかる
憲法便り#231 ナチスの手口(19)立法により各州の議会廃止、国への州の従属
憲法便り#234 ナチスの手口(20)立法により参議院を廃止し、一院制に
憲法便り#237 ナチスの手口(21)大統領職をヒトラーの総理大臣職に統合
憲法便り#240 「ナチスの憲法」出現の時代背景
憲法便り#243 ナチス関連記事のまとめ:ナチスの手口(1)~(21)ほか
「ナチスの憲法」の全体像(ライヒ大統領令および主要な法律)
文中の、ライヒは「国」、ラントは「州」を意味します。
ヴァイマルは、一般的には「ワイマール」と表記されています。
I 民族および国家の保護のためのライヒ大統領令(1933年2月28日)
Ⅱ 民族および国家の危難を除去するための法律(1933年3月24日)
Ⅲ ラントとライヒとの均制化に関する暫定法律(1933年3月31日)
Ⅳ ラントとライヒとの均制化に関する第二法律(1933年4月7日)
Ⅴ 職業官吏制の再建に関する法律・・・・・・・(1933年4月7日)
Ⅵ 国民投票法・・・・・・・・・・・・・・・・(1933年7月14日)
Ⅶ 政党新設禁止法・・・・・・・・・・・・・・(1933年7月14日)
Ⅷ 党および国家の統一を確保するための法律・・(1933年12月1日)
Ⅸ ライヒの改造に関する法律・・・・・・・・・(1934年1月30日)
Ⅹ ライヒ参議院の廃止に関する法律・・・・・・(1934年2月14日)
ⅩⅠ ドイツ国元首に関する法律・・・・・・・・(1934年8月1日)
この内容と問題点を正確に伝えるために、次の文献を引用しました。
高田敏(たかだ・びん)・初宿正典(しやけ・まさのり)編訳
『ドイツ憲法集〔第3版〕』〈講義案シリーズ17〉(2001年、信山社)※本書『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、
こちらから