「有識者だって?」
若手の噺家の中に、客の受けを狙って
「我々は落後者で」なんてことを言う奴がいたが、
あれは、いただけないね。芸じゃねえからな。
だがな、もっといただけないのが、
「有識者」って言い方だ。
「有識」の反対は、「無識」ってえことだから、
こりゃあ明らかに差別だよ。
それにだ、もっといただけないのは、
「有識者」なる者が言ってることだ。
ほとんどの連中が偉そうな理窟をこねちゃあいるが、
消費税引き上げに賛成してるじゃねえか。
政府に媚をうって、あわよくば、
利権だの、助成金だの、
その他もろもろ下心が見えている。
いってみりゃあ、取り巻きのゴマすり集団だ。
「恥を知れ」と言いてえ。
その点、主婦連の会長は実に立派だよ。
政府と取り巻き集団の真っただ中で、
誘惑に弱い人間なら、ふらつきそうな時にだ、
堂々と断固反対の主張を貫いたんだからな。
こういうのを、「あっぱれ!」と言うんだ。
ところで、むかし、「憲法研究会」ってのがあって、
憲法草案に消費税のことが書いてあったそうだ。
「租税の賦課は公正なるべし。苟(いやし)くも、
消費税を偏重して、国民に過重の負担を負わしむるを禁ず」
どうだい、見事だねえ!
まるで、いまの政治を見透しているようじゃねえか。
草案は昭和二十年の十二月に作られたってえから、
いまから68年も前のことだ。
これが良識ってもんだ。
こういうことを考えるお人を有識者ってえんだ。
取り巻きのゴマすり集団に、
彼らの爪の垢でも煎じて飲ましてやりてえよ!
―よこかわ男子
(新宿区・天才デコポン)
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