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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2013年 12月 03日

憲法便り#462 昭和20年11月30日付『中国新聞』社説「憲法改正と今期議会」

12日1日
今から68年前の帝国議会での論議の在り方を読むと、先人たちが、戦争を反省し、民主主義の確立に努力している様子が手に取るように判る。
現在、自公政権およびその補完勢力の日本維新の会、みんなの党によって我々の眼の前で行われている民主主義破壊、戦前への回帰と対照的である。

以下に、昭和20年11月30日付『中国新聞』の社説全文を紹介する。

【見出し】
「憲法改正と今期議会」
【記事】
「第八十九回臨時議会は早くも活発な論議が展開されつつあり、民主主義日本を目指しての議会政治の力強い足どりを見せている。われわれは既に屡々今回の議会に対する要望を行い、正しい民意を反映させた真摯な論議が行われ、従来の歪曲された議会政治が正常な方向を取戻して本来の途を力強く発展して行くように希求したのである。議会は、いま漸くはじまったばかりであり、今後の成行をみないでは、早急に是非の論は出来ないが、兎も角も軍閥政治、官僚政治の枠を取外された現在の環境から申して活発な論議が展開されようとする傾向が看取されるのはわれらの欣快とするところである。われらの要望するところはつねに国家民族のため真の議会政治の正しい発展であり、われらの時たま発する苦言忠告はことごとくその為にするものであることは論をまたぬ。
まことに正しい議会政治の発展はくして、なんで正しい民主主義的な国家社会の進展があり得よう。議会政治によってのみ民意の暢達があり、政治上の合理主義が可能なのである。独裁的な政治がいかに国家民族のために危険きわまりないものであるかは、いまやわれらが身を以て経験したところではないか。過ぎ去ったことは既に致し方ないが、もしわが国に真の正しく力強い議会政治が行われ、一君万民の國體が明確に把持されておったとしたならば、日本の姿は今日とは遥かに異なり、世界における一進歩的国家として世界の文化に偉大な寄与を遂げておったことであろうと思われる。明治大帝が不磨の大典として帝国憲法を欽定し給うた御趣旨は此処に存すると拝察するのである。しかるにわが議会政治は本来の正しい途を外れ、軍閥政治、官僚政治の進出を許し、一君万民であるべき國體は天皇と国民との間に介在する幕府的存在や夾雑仏的存在のために不明徴なものとなり、おそれ多い次第ではあるが、民草(たみくさ=が正しい大御心を認識申し上げることを甚だ困難とさせたのである。
大東亜戦争の悲劇は実に上述のような悲しむべき事情によって展開されたものである。宣戦の御詔勅に示された「豈(あに)朕が志ならむや」との御言葉がいかに重大な意義を示すものであるか、大多数の国民は戦後はじめて覚って愕然とした次第であった。もし、あの当時、大御心が正しく民草の上に反映し、真の民意尊重の政治が確立されておったならば、われらの今日の不幸は招来されなかったであろうと思惟されるのである。われらは、何はともあれ、正しい議会政治の発展を志し、一君万民の國體を真に明徴せねばならぬと考えるのである。かくしてこそはじめて民主主義日本の発展が可能なのである。
いまや、ポツダム宣言を基礎としてわが国の民主主義化があらゆる面において活発に行われ、民主主義日本への力強い足どりが展開されている。不磨の大典として制定発布された帝国憲法も新しい時代に即応するように改正されようとしている。わが憲法は疑いもなく欽定憲法であり、硬性憲法であるが、それが改正を必須とされた所以(ゆえん)は固(もと)より今次の敗戦の結果である。このため、かしこくも聖慮により憲法の改正が行われようとしているが、これにより今次議会の政治的比重はいよいよ増大し、真にわが国の政治方向を決定する任務をもつに到ることは疑いを容れぬところである。かくして国家が多年堯望していた真の民意を反映した議会政治が、花を咲かせようとしているのである。思うに今期議会が、内外の注目をあつめつつある所以は、左様した日本が政治の全面的な転換が果して正しい方向に発展する可能性ありや否やという試金石とみられるところにあるのである。制度だけの改革では到底民主主義の正しい発展は望めない。形式に伴って内容の充実が求められねばならぬ、またいかほど形式をかえてみても、直ちに内容がそれに伴うものでもない。やはり着実に一歩一歩前進して行くところにこそほんとうの進歩があるのである。かく考えると今期議会のもつ意義はさらに重大となるのである。一言一行いやしくもせぬという心構えが政府といわず議員といわず要望される次第である。」

なお、紙面のコピーは2013年6月16日付『憲法便り#59』ですでに紹介済みなので、そちらを参照して下さい。

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by kenpou-dayori | 2013-12-03 08:45


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