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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2013年 12月 20日

憲法便り#502 自著紹介:『検証・憲法第九条の誕生―自ら平和条項を豊富化した論議の全過程』

2015年5月10日(日)(憲法千話)

2013年12月20日

憲法便り#502 自著紹介:『検証・憲法第九条の誕生―自ら平和条項を豊富化した論議の全過程』

12日20日
憲法便り#502 自著紹介:『検証・憲法第九条の誕生―自ら平和条項を豊富化した論議の全過程』_c0295254_836305.jpg


『検証・憲法第九条の誕生―自ら平和条項を豊富化した論議の全過程』は、私の本格的な憲法研究の原点となった著作である。
本書には、昭和21年に開催された第九十回帝國議会における憲法改正論議の中から、第九条に関する論議を党派に関わりなくすべて抽出し、収録してある。したがって、当時の論議の「全体像がわかる」との評価を得ている。
出典は、衆議院本会議議事速記録、同憲法改正案委員会議録、同憲法改正案委員小委員会速記録に基づいている。
小委員会は秘密会とされたので、50年間後の1995年に公開された資料である。私は運よく50年後に議事録の全文を読み、研究に利用することが出来たが、日本国憲法が制定された当時に論議に関わった議員、学者、ジャーナリストのみならず、国民全体が詳細を知ることはできなかったのである。
これらのほか、関連する資料も収録した。
第五版では、映画『日本の青空』で紹介された「憲法研究会」の『憲法草案要綱』を収録すると共に、国際貢献と軍備に「国連加盟申請書と証言」を18頁にわたって増補した。詳しくは、目次を掲載したので、そちらを参照して頂きたい。
公表した発行部数の合計は、下記の通り24,200冊だが、実際には印刷所の好意で、毎回乱丁などの予備として多めに頂いているので、約25,000冊になる。
第六版は刊行するつもりがなかったので、講演会などで紹介するために残しておいたものが、すでに100冊を切った。
すべて自費出版したので、“奇蹟的”と言われている。
通常、「自費出版」と呼ばれるものは、出版社に数百万円単位のお金を出してすべてを任せるケースも多く、詐欺まがいの出版社による被害が新聞紙上で報じられることがある。
しかし、私の場合は印刷と製本以外は、調査、入力、編集、表紙デザイン、宣伝、発送、代金の回収まですべて自分ひとりで行ってきた。
初版の出版前に、出版社3社から「わが社で」というお話を頂いたが、その時点では1冊500円という価格で千冊近い注文をうけていた。利益などは全く考えていない私が出した条件は、印税も原稿料もいらない、完成した本を二冊もらえばいい、但し1,000円以下の価格設定というもの。
出版社が希望する1冊1,500円~2,000円という価格設定との折り合いがつかず、私は当初の予定通り1冊500円のまま、自費出版の刊行に踏み切った。
ここで、出版社の弁護をしておくが、人件費、取次への手数料、在庫管理、宣伝費等を考慮して営業として成り立たせるためには、1,500円ないし2,000円という価格設定は当然のことであって、私の価格設定が出版社の常識的な考えと大きく隔たっているということである。
私の本を見て「これだけの本が、よくこの価格で出来ますね」という人がいるが、「出来る、出来ない」の問題ではなく、憲法を守る闘いのために利益を度外視してやっていることである。
たまたま「九条の会」発足と時が重なり、初版刊行時には、すでに1,750冊ほどの予約注文を受けており、5千冊は3ヵ月間で完売となった。
類書がなかったことと、小泉政権下で危機感を強めていた人々の期待が寄せられたことによる。
初版から第五版までの「まえがき」と「あとがき」に、その時どきの情勢などにふれているので、併せて紹介しておきたい。

【発 行】 
2004年6月30日 初版              5,000冊(完売)
2004年11月3日 増補・改訂第二版第一刷 3,000冊(完売)
2005年2月20日 増補・改訂第二版第二刷 2,000冊(完売)
2005年8月15日 増補・改訂第三版第一刷 3,000冊(完売)
2005年12月26日増補・改訂第三版第二刷 2,000冊(完売)
2006年5月3日  増補・改訂第三版第三刷 3,000冊(完売)
2007年3月31日 増補・改訂第四版第一刷 3,000冊(完売)
2007年9月2日  増補・改訂第四版第二刷 2,000冊(完売)
2008年10月12日増補・改訂第五版第一刷 1,200冊 B5判、191頁(残部30部のみ)
(第五版は1冊300円)美和書店にて販売中 電話03-3402-4146

※本書『検証・憲法第九条の誕生』および『心踊る平和憲法誕生の時代』の注文については、こちらから
歴史的事実をもって、安部首相と石原慎太郎議員の「押し付け憲法」論のデタラメを打破するこれらの本が普及すれば、闘いは必ず勝てると思っています。
自公政権とその補完者である維新の会の暴走を食い止め、憲法改悪を阻止しましょう。

by kenpou-dayori | 2013-12-20 17:00 | 自著及び文献紹介


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