人気ブログランキング |

岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

kenpouq.exblog.jp
ブログトップ
2014年 12月 25日

憲法便り#674 キリスト者・蒋介石が昭和20年8月15日に行ったラジオ放送

2014年12月25日
体調不良のため、ブログを長期間にわたり休んでおりましたが、今日「復活」致します。
このラジオ放送は「憲法便り#474」(2013年12月5日)で、下記のコメントを付けて一度紹介した文章です。

憲法便り#474「徳を以って恨みに報いる」:蒋介石による1945年8月15日のラジオ放送演説
2013年12月5日
日中関係が緊張している今、日本の国民にも、中国の国民にも、是非とも読んでほしい資料を紹介しておきたい。
『憲法便り』で、外務省編纂『終戦史録』をもとに、敗戦(正確には9月2日まで)までの「日歴」を掲載し、9月3日以後に関しては、『朝日新聞』(縮刷版)で「日歴」を辿っている。
現在、この時代の個別の問題に関する原資料を、国会図書館において調査を行っているが、ここに紹介するのは、外務省編纂・外務省発行『日本外交文書 太平洋戦争(全三冊)』に収録された資料である。
ここに紹介する「終戦直後の蒋介石演説」は、『日本外交文書 太平洋戦争 第三冊』の「五 アジアの終戦」に収められている。
まずは、コメント抜きで、この文書のページをコピーで紹介する。
(岩田注:外交史料館に問い合わせをして、この程度のコピーならば、ブログに掲載しても問題ないとの確認済みである)

もとの訳文は、カタカナ、旧字体の漢字が使われていますが、読み易くするために、ひらがな、当用漢字に書き換え、段落を設けました。

終戦直後の蒋介石演説(1945年8月15日、ラジオ放送)
「全国軍民同胞、和平を愛好する世界の人士よ。我等の正義は必然強権に勝つという真理は、すでに最後の証明を得たが、それはまたすなわち、我等の国民革命の歴史的使命の成功を表示している。
わが中国は暗黒、絶望の時期中に於いて八年奮闘し、今日にいたってはじめて実現することができた。我等はわが面前に顕現している世界の和平に対して感謝し、全国抗戦以来犠牲となった忠勇な軍民先烈、正義、和平のために共同艱難して共同作戦した盟軍に感謝し、ことにわが国父が辛苦艱難して我等の革命の正確な途径を領導し我等をして今日の勝利の一日あらしめたことを感謝する。
しかして全世界の基督者はさらに一致して公正仁愛な上帝(天の神。天上にある万物の主催者:広辞苑より、岩田注)に感謝せねばならぬ。全国同胞が抗戦以来八年間受けた痛苦、犠牲は、年一年ト増加はしたが、しかし抗戦必勝の信念もまた日一日と増強されたことにわが淪陥區同胞は無限の圧迫侮辱を受けたが今日完全な解放を得、重ねて天日を見るにいたったのである。この数日来各地官民の歓呼、快慰の情緒も、その主要な意義はこの被占領区同胞が解放を獲得したということにあるのである。いまや我等の抗戦は勝利したが、しかしまだ最後の勝利とすることはできない。抗戦勝利の中に含まれている意義については、全世界の人類もわが同胞も、この一次の戦争が世界文明国家の参加した最後の戦争でなければならぬと希望しているであろう。
もしもそうならばわが同胞は、形容のできないほどの困苦、侮辱を受けたにせよ、犠牲が大きすぎ勝利が遲すぎると恨むことはあるまいとおもう。我等中国人民は最も暗黒の絶望的な時代において、わが民族の一貫せる忠勇、仁愛、偉大、堅忍の伝統的精神を持し、正義、人道のために奮闘することによる犠牲は、かならずよくその報償を得るであろうことを深く知っていたのである。
戦争によって連合した世界の民族相互の間に発生した信念、これが今回の戦争が我等にあたえた最大の報償である。我等の連合国は青年の血肉をもって建立したものであり、この反侵略の長城に参加した人は、臨時結合の盟友というだけではなく、人類の尊厳という共同の信仰のためにたちあがった人である。しかしてそのことはわが連合国共同の勝利でなければならない。
今後我等にとって最も重要なことは、何人のいかなる挑発も離間の行為にも破壊されないということである。地は東西を分たず、人は皮膚の色に論なく、およそ人類は日一日と加速度的に密接に連合し、一家の人のように、手足のようにならねばならぬ。今回の戦争は我等人類の互助互敬の精神を発揚し、相互信任の関係を建立し、且つ世界戦争と世界和平との不可分を証明したが、このことはさらに今後戦争発生を不可能ならしむるものである。
ここで私は、「人を待つにおのれを待つがごとくとす」及び「なんじの敵人を愛せよ」という二つの言葉を想起し、無限の感慨を覚えるのである。
同胞よ、旧悪をおもわず、人のために善をなすということは、わが民族伝統の至尊至貴の特性であって、我等は一貫して、日本人民を敵としないと声明してきた。いまや敵軍は我等と盟軍とのために打倒された。我等は当然厳格に降服條件を執行せねばならないが、報仇を企図してはならない。ことに敵国無辜の人民を侮辱してはならない。我等はただ彼等に憐憫を表示し、彼等をしてその錯誤、罪悪を自省せしむべきである。もしも暴行をもって敵人の従来の暴行に回答し、侮辱をもって彼等の従来の誤まった優越感に回答するならば、冤は冤と相報じ、永しえに終止することはないであろう。軍民同胞の一人一人が今日特別に注意しなければならないところである。
同胞よ、中国を侵略した敵人の帝国主義は我等に打ち敗られたが、我等はまだ真正の勝利の目的を達成していない。我等は侵略の野心、武力を徹底的に消滅させなければならないのである。戦後には艱難な工作があるであろう。我等は戦時よりも更に巨大な力量をもって改進し、建設せねばならない。或いはこの時期において、困難な問題に出会わすかも知れない。というのは、敵人をして錯誤、過失を承認せしめ、我等の主義に悦服せしめ、公平、正義の戦争が彼等の武力掠奪及び強権よりも、真理と人道との要求に合しているということを承認させなければならないからである。しかしてこのことはわが中国と連盟国との、和平後における最も艱難なる工作である。
全世界永久の和平は、人類平等自由の民主精神、及び博愛互助の合作の基礎上に建立せられるのであり、我等は民主合作の大道上に邁進し、共同して全世界永久の和平を擁護せねばならないと信ずる。我等の武装の下に獲得せられた和平は、永久和平の完全な実現ではない。敵人が理性の戦場において我等の征服するところとなり、徹底的に懺悔して我等と同じように和平を愛好するにいたったとき、全人類の求める和平、即ち今次世界大戦の最後の目的が達成せられるのである。
(中央社重慶一九四五、八、一七)

※平和憲法を守る闘いに寄与するため、2014年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―
(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)

「アベノミクス」のみを前面に打ち出していた今回の衆院選で国民の信任を得たとして、安倍首相は、早くも憲法改悪を「歴史的」な課題として強調し始めました。
彼らの論拠は、「押し付け憲法」論です。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』は、実証的反論です。
是非とも本書を活用していただきたい。
ご注文は、下記の書店へ
美和書店 電 話03-3402-4146
FAX 03-3402-4147

by kenpou-dayori | 2014-12-25 15:10 | 今日の話題


<< 憲法便り#676 太平洋戦争に...      憲法便り#673 沖縄からのメ... >>