2014年12月31日(水)(憲法千話)
憲法便り#694:歴史クイズ第八問と第九問の答;日本に対して宣戦布告したのは?
第八問:日本に対して、開戦から敗戦時までに宣戦布告をしてきたのは何カ国?
答 :日本に対して宣戦した諸国は、15ヵ国
日本に対して断交し、その後宣戦した諸国は、17ヵ国
以上合計:32ヵ国
第九問:日本に対して宣戦布告はしなかったが、国交断絶を通告してきたのは何カ国?
答 :6カ国
*大本営政府連絡会議は、昭和十六年一一月一五日に『對米英蘭蔣(介石)戰爭終末促進ニ關スル腹案』を決定しているが、それは、あくまでも日本に都合のよい願望を並べたてた、いわば「妄想」ともいうべきもので、戦争が長期化し、また、これほど多数の国々が宣戦、断交することは予定も、予想もしていなかった。
上記の資料『對米英蘭蔣(介石)戰爭終末促進ニ關スル腹案』全文は、『憲法便り#700』に掲載する予定です。
【出題の典拠とした史料】
『日本外交文書 第一冊』(平成二十二年)p.35‐41。
(資料No.)14 昭和16年12月16日
第七十八回帝国議会における東郷外相演説
(付 記)
昭和二十二年五月
宣戦及び斷行事情摘要
條約局法規課
目 次
一、敵國
(一)我國より宣戰したる諸國
米國及び英國(濠洲連邦、カナダ、南阿連邦及びニュー・ジーランド)
(二)我國に對し宣戦したる諸國
コスタリカ國、ドミニカ國、ホンデユラス國、グアテマラ國、ニカラグア國、サルヴアトル國、ハイテイ國、パナマ國、オランダ國、キューバ國、リベリア國、シリヤ國、レバノン國、サウデイ・アラビア國、ソヴィエト社會主義共和國連邦
(三)我國に對し斷交しその宣戰したる諸國
ベルギー國、メキシコ國、イラーク國、ボリヴイア國、エクアドル國、ぺルー國、パラグアイ國、ヴエネズエラ國、ウルグアイ國、トルコ國、エジプト國、アルゼンテイン國、イラン國、チリ國、ブラジル國、ギリシヤ國、ノルウエー國
二、斷交國
コロンビア國、フィンランド國、ルーマニア國、ブルガリア國、スペイン國、デンマーク國
宣戰及斷交事情摘要(昭和二十年八月十五日調)
一、敵國
(一)我國より宣戰したる諸國
米國及び英國(濠洲連邦、カナダ、南阿連邦及びニュー・ジーランド)
昭和十六年十二月八日
(二)我國に對し宣戦したる諸國(すべて現地時間)
「コスタ・リカ」國(昭和十六年十二月七日)
「ドミニカ」國(昭和十六年十二月八日)
「ホンデユラス」國(昭和十六年十二月九日)
「グアテマラ」國(昭和十六年十二月九日
「ニカラグア」國(昭和十六年十二月九日)
「サルヴアトル」國(昭和十六年十二月八日)
「ハイテイ」國(昭和十六年十二月八日)
「パナマ」國(昭和十六年十二月九日)
「オランダ」國(昭和十六年十二月十日)
「キューバ」國(昭和十六年十二月十日)
「リベリア」國(昭和十九年一月二十七日)
「シリヤ」國(昭和二十年二月二十六日)
「レバノン」國(昭和二十年二月二十七日)
「サウデイ・アラビア」國(昭和二十年三月一日)
「ソヴィエト」社會主義共和國連邦(昭和二十年八月八日)
(三)我國に對し斷交しその宣戰したる諸國
○ベルギー國(昭和十六年十二月十八日斷交、昭和十六年十二月二十日宣戰)
○メキシコ國(昭和十六年十二月八日斷交、昭和十七年五月二十二日宣戰)
○イラーク國(昭和十六年十一月十六日斷交、昭和十八年一月十七日宣戰)
○ボリヴイア國(昭和十七年一月二十八日斷交、昭和十八年十二月四日宣戰)
○エクアドル國(昭和十七年一月二十九日斷交、昭和二十年二月九日宣戰)
○ペルー國(昭和十七年一月二十四日斷交、昭和二十年二月十二日宣戰)
○パラグアイ國(昭和十七年一月三十日斷交、昭和二十年二月十三日宣戰)
○ヴエネズエラ國(昭和十六年十二月二十一日斷交、昭和二十年二月十四日宣戰)
○ウルグアイ國(昭和十七年一月二十五日斷交、昭和二十年二月二十二日宣戰)
○トルコ國(昭和二十年一月六日斷交、昭和二十年二月二十三日宣戰)
○エジプト國(昭和十六年十二月八日斷交、昭和二十年二月二十六日宣戰)
○アルゼンテイン國(昭和十九年一月二十六日斷交、昭和二十年三月十七日宣戰)
○イラン國(昭和十七年四月十三日斷交、昭和二十年二月二十八日宣戰)
○チリ國(昭和十八年一月二十日斷交、昭和二十年四月十二日宣戰)
○ブラジル國(昭和十七年一月二十八日斷交、昭和二十年六月六日宣戰)
○ギリシヤ國(昭和十六年十二月二十三日斷交、昭和二十年六月二十六日宣戰)
○ノルウエー國(昭和十七年三月三十日斷交、昭和二十年七月六日宣戰)
二、斷交國
コロンビア國(昭和十六年十二月八日)
フィンランド國(昭和十九年九月二十二日)
ルーマニア國(昭和十九年十月三十一日)
ブルガリア國(昭和十九年十一月七日)
スペイン國(昭和二十年四月十二日)
デンマーク國(昭和二十年五月二十三日)※平和憲法を守る闘いに寄与するため、2014年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―
(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
「アベノミクス」のみを前面に打ち出していた今回の衆院選で国民の信任を得たとして、安倍首相は、早くも憲法改悪を「自民党結党以来の目標」「歴史的チャレンジ」として強調し始めました。
彼らの論拠は、「押し付け憲法」論です。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』は、実証的反論です。
是非とも本書を活用していただきたい。
ご注文は、下記の書店へ
美和書店 電 話03-3402-4146
FAX 03-3402-4147