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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2015年 01月 03日

憲法便り#697 歴史クイズに含めなかった重要文書II:①中国居留民よりも、御真影の方が優先された!

下記の文書の(一)の(イ)を参照して下さい。
居留民(中国在留の日本人)よりも、まず、御真影と御紋章の取り扱いに万全の措置を取るように指示が出されています。

【典拠とした史料】

『日本外交文書 第三冊』(平成二十二年)p.1945‐1946
「ポツダム宣言受諾をふまえての現地機構及び在留邦人保護に関する訓令」
(別電) 本省8月14日発
合第七一六號(館長符號扱、緊急)
大使初メ出先公館職員ハ大御心ヲ體シ政府ノ方針ニ從ヒ率先垂範シ最後迄職責ノ完遂ニ任シ且居留民ノ保護指導ニ付萬全ノ措置ヲ講ス

(一)大東亜省出先公館ニ於ケル措置
(イ)御眞影、御紋章ノ取扱ニ付萬全ノ措置ヲ採ル
(ロ)機密文書、電信符號、暗號機械ハ状況ニ依リ遅滞ナク毀却ス

(二)居留民ニ對スル措置
 一、一般方針
(イ)帝國カ今次措置ヲ採ルノ已ムナキニ至リタル事情ニ付キ周到懇切ニ説示スルト共ニ大御心ニ從ヒ冷静沈着皇國民トシテ恥スルナキ態度ヲ以テ時艱ニ善處スル如ク指導ス
(ロ)居留民ハ出來得ル限リ定着ノ方針ヲ執ル
(ハ)居留民ノ生命財産ノ保護ニ付テハ萬全ノ措置ヲ講ス
 二、具体的措置
(イ)大使ヨリ御詔勅ヲ奉戴シ全居留民ニ對シ諭告ヲ發シ新局面ニ即應スル心構ヲ徹底セシム
(ロ)僻地ノ居留民ハ適當ノ地ニ集結ス
(ハ)必要ニ應シ我方利益代表國又ハ赤十字社等ニ對シ保護ヲ依頼スル等ノ措置ニ付研究ス
尚特ニ支那ニ在リテハ帝國民間人、地方官憲等ノ協力活用ヲ考慮ス
   
以下、(ニ)から(チ)は省略。

なお、次の企画として「憲法クイズ10問」を用意しています。

※平和憲法を守る闘いに寄与するため、2014年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―
(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)

「アベノミクス」のみを前面に打ち出していた今回の衆院選で国民の信任を得たとして、安倍首相は、早くも憲法改悪を「自民党結党以来の目標」「歴史的チャレンジ」として強調し始めました。
彼らの論拠は、「押し付け憲法」論です。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』は、実証的反論です。
是非とも本書を活用していただきたい。
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by kenpou-dayori | 2015-01-03 15:13 | 歴史クイズ


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