岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2015年 03月 10日

名文紹介:昭和22年5月5日付『朝日新聞』の社説「国会図書館への期待」

2015年3月10日

不勉強な安倍首相と中谷防衛大臣に送る名文!
国会図書館は、国会議事堂のす隣りにある。首相官邸からも、
すぐ近くである。
立法考査局、憲法関係や占領期の資料を集めた憲政資料室、議会の議事録等を集めた議会官庁資料室、新聞のバックナンバーも集めている新聞資料室など、専門性の高い部局が揃っていて、その気になれば、生まれる前のことをいくらでも遡って調べることが出来る。
それをやらずに、しらないことを平気で口走るのは、本人の怠慢と、秘書たちの怠慢である。
(旧漢字、旧仮名遣いは改めた。)

昭和22年5月5日付『朝日新聞』「社説」

国民の代表であり、国の最高機関である国会議員は、知的にも国民の最高水準に立つものでなくてはならぬ。しかるに、国策を論議し法案を起草するに当って、依然として属僚の知識に頼らなくてはならぬようでは、総合的に事物の大局をつかみ、客観的に妥当な見地に立って、その職責を完うすることは困難だといわなければならない。
国会法がこの点に着眼し、議員の調査研究に資するため国会図書館を設置し、同時にこれを一般の利用に供せしめることを規定したのは、図書その他内外の資料を収集して、大規模な調査研究機関とし、何よりもまず議員の知的源泉たらしめようとする趣旨にほかならないのである。わが議会制度上画期的なことであり、新憲法下の議会の内容を豊富ならしめるもっとも喜ぶべき企てだというべきである。アメリカの議会図書館に範をとった、この国会図書館の具体的構想について、その道の権威者や民間団体が、いち早く活発な反応を示し、熱心に意見の交換を行っているのは、文化国家日本の建設のため歓迎すいべき現象である。
国会図書館は、国策樹立役立つあらゆる内外図書はもちろん、統計、広報など、あらゆる資料文献を丹念に収集整理し、これに確固たる体系を与えて完備した調査研究機関たらしめ、併せて一般国民の文化向上に資することを眼目としなくてはならない。従って既存資料の収集については、経費をおしまず零細な断片に至るまで、これを網羅する十分の努力が払わるべきであり、また終戦後の出版物については、納本制の廃止に伴い、徒らに貴重な資料を散逸するに任せている現状が、速かに改められねばならぬ。従来のような内務省への納本制を非とするならば、アメリカのように、国会図書館に出版書類を登録せしめるなり、あるいは国会図書館の経費をもって、すべての文献を買上げるなり、必要資料集大成の線に沿って、十全の努力がおしまれてはならない。
 一定の図書館への貴重な古文書類の集中、一般民衆の教養機関としての公私立図書館の整備、文部官僚式の図書館行政の是正、技術的には図書資料分類法の全国的統一など、図書館一般について要望されるところは二、三にとどまらないが、少くともまず国会図書館が活きた資料の集大成として確立され、ひいては、雄大な文化日本建設の基礎としての図書館再建完備のさきがけとなることを期待してやまないのである。


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(新宿区立中央図書館所蔵縮刷版より)
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by kenpou-dayori | 2015-03-10 10:13 | 名著・名文・名言紹介


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