2015年4月30日(木)(憲法千話)
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岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より
憲法便り#913:『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷ではNo.13: 千葉篇』【千葉新聞】公布記念(十一月三日付一面より)
「きょう新憲法公布さる」主権在民、戦争放棄による平和国家建設を二大眼目とする新憲法はきょう三日公布され、七千万国民は、今こそ世界平和の先駆者として雄々しく立ち上がることとなった。この日中央においては午前十一時を期し、貴族院で新憲法公布式典を挙行、その状況はラジオにより放送されるので、これを中心として県下各地の記念行事も展開され、特配の一級酒を飲み交わし、祝賀の気分を漲らすこととなった。平和へのスタート、民主政治への第一歩を堅く踏みしめて、我々は広くそして遠い再建の理想に邁進せねばならぬ。
「国家再建への誓い 各地で多彩な記念行事」
[県庁]
午前十時五十分から県会議事堂で記念式典を挙行するが、参会者は県会議員全員、県郡町村会長、報道代表、庁員代表(知事、部課長)等で、宮城遥拝ののち十一時中央の新憲法公布式典の状況をラジオで聴取、引続き小野知事の式辞、県民代表として戸坂県会議長の祝辞、万歳三唱を以て閉式、議員控室で冷酒を酌み交わして祝意を表する。
[千葉市]
午前十時五十分から市役所会議室で市内各町内会長及び市吏員一同参集し、記念式典を挙行するが、当日は職員組合では本町国民学校で、家族招待の運動会を開催。秋深き佳日にスポーツ絵巻を繰り広げる。
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【毎日新聞(千葉版)】
市民体育大会が千葉中運動場で、また師範男子部付属国民学校で午後一時から県児童文化協会主催の「こども祭」が開かれる。プログラムは付属校児童や湊保育園児の童謡、石井清子さんの新舞踊、松美佐雄、中原克史両氏の童話、紙芝居など盛り沢山。更に千葉医大大学祭の運動会もあり、続いて四、五両日には市体育会主催の奉祝野球大会も医大球場で挙行される。
[銚子市]
△祝賀式典=午前十時から清水校講堂で市民各層代表参集、式典を挙行。正午祝宴余興として、清水校児童の舞踊、
△芸能大会=三日午後一時から清水校講堂でアマチュアのノド自慢芸能大会を一般に公開、
△学童陸上競技大会=四日午前九時から市営運動場で挙行、学級対抗で競う、
△一般相撲大会=四日午前十時から市営相撲場で挙行、全市民出場する、
△映画演劇無料公開=市内三常設映画館及び共栄館で、四日正午から二時まで一般無料公開。
[市川市]
市で午前十時に祝賀式が開かれるが、真間国民学校に十年祭が開かれ、東大宮澤教授の憲法解説の講演会がある。また各町内会でそれぞれ講演会、運動会、菊花大会等が開かれ、新憲法の発足の日を寿ぐ。
[木更津]
木更津第一国民学校では、十一月三日午前九時から明治節奉祝と木更津市政施行記念を祝して、市内七校児童対抗運動会を催す。
[館山市]
【毎日新聞(千葉版)】市制七周年記念を兼ね午前十時五十分市役所で奉祝式典を挙行。各学校では展覧会、各町内会では山車を出して奉祝祭を行う。
[成田町]
成田町では憲法公布記念日の三日、国民学校で式典を挙行後、永年勤続者、町内会長、隣組長の表彰式を行う。/
【毎日(千葉版)】十日に町内会対抗運動会。
[東金町]
地方事務所はじめ各官署、学校で祝賀式が行われ、新憲法の公布の趣旨が宣揚されるが、岩崎区はじめ各町内ではそれぞれ町民運動会が催される。
[八日市場町]
八日市場町の三日憲法発布式典は、八時から国民校で挙式、終って町民体育大会を開催、四日正午から子供神輿十基が行列を作って町練りを、その他余興を催す。
[千倉町]祝賀式は午前十時五十分から朝夷国民学校に名誉職、各種団体長等を招待して盛大に挙行される。式次第は、開会、宮城遥拝、ラジオに依る発布式状況聴取、小西町長挨拶、町民代表祝辞、祝宴、万歳奉唱、閉会。
[大多喜町]
大多喜署では十一月三日午前九時より憲法発布の式典を挙行、終って旧服装の返納式を行う。
[市原郡]
【毎日新聞(千葉版)】
△牛久町=町民運動会、
△高滝村=高滝神社で記念句会
[八街町]
各区対抗野球大会が八街球場で開かれ、七チームが参加するほか、各区思い思いの行事が行われ、八街音頭の発表会が八街劇場で開かれる。
[佐原町]佐原国民学校の祝賀式につづき、関東一といわれる山車を繰り出し、華やかに国家新生の日を祝う。/【毎日(千葉版)】佐原町は憲法公布を祝して二日から四日まで全町二十六の屋台中、十九台が引き回しを行い大賑いを呈している。
[小見川町]
【毎日(千葉版)】全町六の花車が二、三の両日総曳きされ花車のない区は奉祝演芸会を開いている。
[大原町]
三日午前九時より憲法発布記念式典を国民学校において挙行し、終って素人演芸大会を開催し、飛入りは歓迎する。
[白浜町]
午前八時から国民学校で新憲法発布記念祝賀式を執行後、国民学校の部落対抗競技会に呼応、紅白に分け町民の体育大会を挙行する。
[松戸]
【毎日(千葉版)】松戸市の新憲法記念祝賀式は今三日午前十時五十分から警防会館で挙行。なお、主な行事は次の通り。△市民強歩大会=SPアルパイン倶楽部主催(市及び毎日新聞社後援)市周辺三十キロコースにより男女中等学校、一般市民等約五百名参加、△千葉農専秋季大会=二、三、四の三日間に亘る各種展示、展覧会及び即売会並びに競技会。
(以下、千葉新聞十一月五日付二面より)
[四街道]
「妙技を競う熱演」四街道素人芸能協賛会主催・千葉新聞後援の「記念祝典素人演芸競技大会」は、三日午後一時から招魂神社境内で挙行され、参加演芸団自慢の妙技を熱演。観衆数千、流石の大広場を埋め尽くし、四街道始まって以来の人出であった。当日の参加演芸団は近接十三部落から集まったもので、演芸は深更十二時まで続けられた。団体優勝は千代田町四街道劇団、個人優勝は旭村中台部落の篠崎正徳君。
【施行記念】(昭和22年5月3日)
(以下『讀賣新聞』昭和22年5月8日千葉版)
△四日県下青年芸能大会
△七日‐九日新憲法祝賀県下中等学校房総一周継走
(一班)県庁→五井→木更津→館山→鴨川→勝浦→大網→県庁
(二班)県庁→船橋→松戸→成田→佐原→銚子→八日市場→成東→佐倉→県庁」
昭和21年11月3日付『千葉新聞』
「国家再建の誓い 各地で多彩な記念行事」の見出し。
(画像の典拠は、千葉県立図書館所蔵マイクロ資料より)
*次回は、神奈川篇。
※平和憲法を守る闘いに寄与するため、昨年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―
(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
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