2015年4月30日(木)(憲法千話)
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岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より
憲法便り#916 :『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷ではNo.16 : 長野篇』 【信濃毎日新聞】公布記念(十一月四日付四面より)「『新生日本』を祝賀 各地で賑やかな催し」[長野]憲法祝典の三日は、六市をはじめ全県的に記念式と行事を行った。県庁では物部知事以下全職員一千名が参列して午前九時より祝賀式を挙げ、十一時から貴族院中継の憲法公布記念式典の放送を聞いた。長野市でも市役所をはじめ各専門、中等、国民学校ごとに記念式や運動会を開いて、それぞれ新日本の船出を祝った。
(写真「新憲法公布に湧く 長野市立中学の記念運動会」)。
[上田市]上田市は午前九時から市役所で記念式、学校、工場は記念運動会を催した。
[篠ノ井町]篠ノ井町では全町民が通明国民学校に参集し式典を挙げ同校及び高女では記念体育大会を開催した。
[松本]松本市は午前九時市役所で祝賀式を挙行、各学校は記念運動会を催し、意義深い一日を祝った。
なお、松本市連合青年団では、信濃毎日新聞社松本支社後援の下に、五日午後六時より市公会堂で、新憲法公布記念雄弁大会を開催する。出演者は八分団より選抜の男女各二名の計十六名で、個人賞のほか団体賞を競う八分団の熱弁を闘わすはず。一般市民の来聴も歓迎する。
[岡谷市]岡谷市は市役所前と駅前にアーチつくり、午前十時から記念式、午後は靑年団の諏訪名物「長持ち行列」と旗行列が市中を練り廻り、祝賀気分に包まれた。
[飯田]飯田市は午前九時半から市役所会議室に市議、区長、各種団体長、民生協議会長らが参集して記念祝賀式を挙げ、各村でも同様の式を挙げた。学校方面は飯田中学の記念運動会をはじめ、今宮公園など町内総出の運動会で賑わった。
[伊那]伊那警察署では同署の留置人十人に対し昼食で赤飯を給食した。今年の春以来署員三十一名が水田二反三畝の耕作に努力し、その水田からとれたものを給食したもの。
[諏訪]諏訪町村長会では、三日永年勤続吏員の表彰式を行った。書記時代を通算二十四年の中洲村長伊東一氏ほか六十四名で、女子の最古参は七年勤続の中洲村役場古河ミヤ子さん。
(十一月三日付二面より)「新憲法を寿ぐ 佳節に賑わう 善光寺菊花展」今年の豊作で待望の二合五勺も実現され、また画期的新改正憲法が制定発布せられた菊薫る明治の佳節、白菊の大輪も紅瀧の県崖も、ふと歩み寄った人々は、何か今迄忘れていた美術品をハッと想い出したかの如く、じっと瞳をこらす。参詣者の顔は明るく輝く。」
昭和21年11月4日付『信濃毎日新聞』一面
「民主日本茲(ここ)に誕生 希望溢れる記念式典」の見出し。
下段に、出版社合同での「祝 民主憲法発布」の祝賀広告。
(画像の典拠は、国立国会図書館所蔵マイクロ資料:請求記号Z81-46)
*次回は、新潟篇。
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『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
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