2015年5月2日(土)(憲法千話)
2015年5月3日(日)加筆:
昭和21年11月3日付『静岡新聞』は、保存資料が欠号のため、その内容は確認しておりません。
岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より
憲法便り#925 :『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷ではNo.25: 静岡篇』【静岡新聞】公布記念(十一月四日付二面より)「平和へ輝く出発 きのう多彩な県下の奉祝」意義深き新憲法公布の日、菊香薫る十一月三日、二百三十万全県民は職場に家庭に声を挙げて平和日本の前途を祝福した。この日県都では、県庁においては午前十一時より正庁で記念式が挙行され、小林知事から訓示があり、終って屋上で祝杯をあげた。
[静岡市]午前九時から市公会堂で市の記念式、町内会、連合会長の表彰、祝賀会が行われ、また在静法曹関係者百余名が午前九時から静岡裁判所に会して記念式を挙行した。また県下各地の団体も挙げて多彩な記念行事を繰り展げ、一方町と言い村と言い店頭や街頭や野良の遠近に祝提灯や祝賀看板を掲げ、新しき日本建設への誓いを固める喜びが全県に盛行した。
[周智郡]周智郡では新憲法公布のきのう、多彩な議会行事を繰り展げた。周智地方事務所を始め管内各町村では午前十時からそれぞれ祝賀式を挙行、各中等学校、国民学校でも祝賀式後学芸会、運動会を行い、宇刈、三倉、国分、森を始め各町村青年団では祝賀芸能祭、仮装行列、屋台の練り、記念講演会、文化座談会を開催した。
[金谷町]「感激に酔う金谷町」新憲法公布を記念する金谷町では、二日午後二時から奉祝祭の幕を切って落とした。青年連や中老連中が九台の山車で四日まで町内を練り廻す。
[島田町]島田町では三日十時四十分から大井神社で厳粛な町民の奉祝式を挙行、町内には青年、中老連合会で山車十五台が出され、未曾有の賑わいを極め五日まで継続する。
[下田]新憲法公布のこの日、伊豆の先端下田町では、吾等の憲法を手にした町民は生きる喜びも新たに各戸毎に国旗を掲揚、和合新生への前途を祝福したが、街の人気は町民体育大会に集中、明るい声援は晴れ渡る秋空の下、菊香る十一月三日を祝福した。
[沼津]「祝祭二重奏 復興祭もかねた昨日の沼津市」新憲法が公布され、民主日本発足の記念すべき三日は、沼津市にとって意義深き復活祭当日に当ったので、沼津市は同日午前十時より市役所会議室で各界各層の代表者五百余名を招待し、厳粛なる新憲法公布祝賀式典を挙行、
引続き十一時より復興祝賀式を行い、既報の如く孝子、節婦篤行者並びに自治、文化教育、産業市政の功労者を表彰した。一方各学校では明治節の式典に先立ち、憲法公布の意義を説明し、新日本建設に対する覚悟を要請。また各町村内や会社、工場でも花自動車や山車を繰り出し、各区単位の市民大会、演芸大会、拳闘大会、花火大会などで終日賑わった。」
昭和21年11月4日付『静岡新聞』一面
昭和21年11月4日付『静岡新聞』二面
(画像の典拠は、静岡県立図書館が、同館所蔵マイクロ資料から作成した複写版より)
【研究メモ】 私が地方紙を集中的に調査した2011年の時点では、国立国会図書館には私が必要とする期間が欠落していた。初めて静岡県立図書館は、新幹線静岡駅から、二両連結の電車に乗り換えて15分ほどのところにある。静岡県立図書館、静岡県立美術館、静岡県立大学が、広大な敷地の中に隣接して、設立されている。その敷地内には、広い公園もあり、研究で慌ただしくではなく、ゆっくりと、そしてゆったりとした気分で訪れたいところです。
*次回は、愛知篇。
※平和憲法を守る闘いに寄与するため、2014年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
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