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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2015年 05月 06日

憲法便り#938:『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷ではNo.38: 岡山篇』

2015年5月6日(憲法千話)

岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より

憲法便り#938:『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷ではNo.38: 岡山篇』

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岡山篇も、岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部に掲載した祝賀行事は、ごくわずがである。
そこで、何とか、「その日」の雰囲気を伝える記事を増やせないかと考えた。
 
その結果、昭和21年11月3日付『合同新聞』一面の紙面構成そのものをニュースとして捉え、
紹介することとした。
他紙との大きな違いは、一面トップが、東京裁判におけるヒギンス検事の劈頭陳述になっていることである。
 
見出しは、「東條内閣出現の不幸 呪いのX日(Xデー)決る 交渉しつつ先端開く」
「かくて太平洋戦争起る ヒギンス検事の日英米関係劈頭陳述」

「起る」は、正確ではない。「ひきおこされた」のである。
戦争は、自然現象ではない。

この見出しは、生きている。
私は、思わず、見出しの中の二文字を、頭の中で入れ替えた。

安倍内閣出現の不幸 呪いのX日(Xデー)決る 交渉しつつ先端開く」
これは、ジョークではなく、私の実感であり、近未来の予測である。

だが、いまなら、まだ間に合う。
「戦争法案」を阻止しなければならない。

抹消されるべきは、
「戦争法案」という発言ではなく、
「戦争法案」そのものである。

昭和21年11月3日付『合同新聞』一面上
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昭和21年11月3日付『合同新聞』一面下
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なお、太平洋戦争の開戦が、愚かな日本の指導者たちによって決定された時の文書を、以下の本文の後に、『憲法便り』の【再録】として、示すこととする。

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岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部(176ー177頁)より

【合同新聞】公布記念(十一月四日付三面より)
「平和日本へ強き歩み 岡山県下に彩る憲法公布記念行事」日本民主化の基盤となる新憲法公布の日は明治節でもあり、咲き誇る菊花のもと、岡山県下ではこれを記念する各種行事を一斉に展開した。岡山市役所は式典後運動会を催し、各市町村地方事務所、警察署等でも同様式典を行い、岡山市東校ではこの日、合同新聞社主催「中国四国音楽コンクール」の晴れの本選を一般に公開、岡山専売支局では記念煙草を配給、このほか祝酒も一般にゆきわたることになった。

[県庁]
「県庁で厳粛な祝賀式」
岡山県の新憲法公布記念式典は、菊薫る三日午前十時半から県会議事堂に、岡山進駐軍政部長ホイットニー少佐をはじめ、県会議員、各官公署長、団体長、新聞社長、県庁全員参列、厳粛に挙行した。国家合唱ののち豊島知事式辞、貴族院における天皇陛下親臨の中央式典実況放送聴取で閉式、引続き祝賀会に移った。

[倉敷]
倉敷市の新憲法公布記念式典は、三日午前九時から倉敷市□□校講堂に町内会隣組長以上の役員が参列し挙行。記念式終了後、同所で国民校児童、幼稚園児、女学校生徒による祝賀演芸会、また午後七時から東校講堂で記念講演があった。

[本社主催 大衆歌曲本選大会]
「感激の舞台で競演」超満員の聴衆席、しかも未だ続々と入場者の群が入口に詰め掛ける。
“故郷はなれてはるばる千里”なつかしのメロディーが聴衆の頭上に拡がって行く。国境の町だ!
審査員席にどっしりと構えたレコード界のオールドボーイ東海林太郎氏の頬が、若き日の感激を想って紅潮する。
やがて登壇した、本大会選手中の紅一点、津山の福田武子嬢が興奮のうちに晴れの舞台から豊かなソプラノで満場を魅了する。
十一月三日午後一時、岡山市旭東国民学校で開かれた合同新聞社主催の中国四国コンクール大衆歌曲本選の序幕風景。
かくしてプログラムはアマチュア歌手の精鋭たちに織りなされて、きらびやかに進行。
香川県坂出・津島良夫氏の“明月赤城山”を以て終了。
引続き模範進行歌唱にうつり、まづ小笠原美津子嬢が洗練された至芸で満場を悩殺、
続いて東海林太郎氏が“国境の町”“隅田川”と情趣あふれるバリトンで聴衆を恍惚とせしめ、音楽の祭典は幕を閉じた。(写真は会場:三面上中央)

昭和21年11月4日付『合同新聞』三面上
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昭和21年11月4日付『合同新聞』三面下
下の四段分に、「祝 民主新日本憲法公布」の祝賀広告。
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(画像の典拠は、国立国会図書館所蔵マイクロ資料:請求記号YBー34)

*次回は、山口篇。

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以下は、【再録】です。

2014年 12月 29日付
憲法便り#688 歴史クイズ第一問と第二問の正解は?

第一問:戦争計画を決定したのは誰でしょうか? 
 答 :①天皇 ②政府 ③大本營の三者すべて。

第二問:戦争計画を決定したのは、いつでしょうか?  
答 :昭和十六年十一月五日

昭和16年11月5日の御前会議が決定した「帝國國策遂行要領」に基づき、連絡会議(大本営政府連絡会議)によって一連の決定が矢継早になされています。

【出題の典拠とした史料】
『日本外交文書 第一冊』(平成二十二年)p.8‐10。
 ●印は「防衛省防衛研究所図書館」より補填した資料。

(文書№)2 昭和十六年十二月八日 
東郷茂徳外務大臣・在本邦オットー独国大臣会談
「対英米開戦につき在本邦独国大使へ通報」
(付記一)
●十一月五日 御前會議決定「帝國國策遂行要領」ニ關聯スル對外措置
昭和一六、一一、一三
連 絡 會 議 決 定
一、對獨伊
  對米交渉ノ結果タル了解事項中英國ニ關係アル事項ヲ英國をシテ受諾セシメ且之ニ積極的ニ協力セシムル様速ニ直接又ハ米ヲ通シ措置ヲ置クモノトス
  右以外企圖隠匿ノ見地ニ於テ特別ノ外交措置ヲ行フコト無シ
一、對蘭印
  我企圖秘匿欺騙ニ資スルタメ成ルヘク速カニ從來交渉繼續ノ形式ニ於テ帝國ニ對スル所要物資ノ供給ヲ主眼トスル外交交渉ヲ逐次開始ス
一、對「ソ」
  概ネ昭和十六年八月四日大本榮政府連絡會議決定ニ係ル對「ソ」外交交渉要綱第一項ニ準據シテ交渉ヲ續行ス
一、對泰
 1.進駐開始直前左記ヲ要求シ迅速ニ之ヲ承認セシム
    泰ニシテ帝國ノ要求ニ應セサル場合ニ於テモ軍隊ハ予定ノ如ク進駐ス、但シ日泰間武力衝突ハ之ヲ極限スルニ務ム
      左  記
  イ、帝國軍隊ノ通過竝ニ之ニ伴フ諸般ノ便宜供與
  ロ、帝國軍隊ノ通過ニ伴フ日泰軍隊ノ衝突囘避措置ノ即時實行
  ハ、泰ノ希望ニヨリテハ共同防衛協定ノ締結
 (註)本交渉開始前ニ於ケル對泰態度ハ從來ト特別ノ變化ナカラシメ特ニ開戰企圖ノ秘匿ニ萬全ノ考慮ヲ拂フモノトス
 2.進駐後速カニ概ネ左ノ諸件ニ關シ具体的ニ現地ニ於テ取極ヲ行フ
  イ、帝國軍隊ノ通過及駐屯ニ關スル事項
  ロ、軍用施設ノ供用及新設増強
  ハ、所要ノ交通通信機世紀及工場施設等ノ供用
  ニ、通過竝ニ駐屯軍隊ニ對スル宿營、給養等
  ホ、所要軍費ノ借款
備考 第一、第二項ノ交渉ニ當リテハ昭和十六年二月一日大本營政府連絡會議決定ノ對佛印泰施策要綱ニ順據シ泰ノ主權及領土ノ尊重ヲ確約シ尚泰ノ態度ニヨリテハ將來「ビルマ」若クハ馬來ノ一部ヲ割讓スベキ事ヲ考慮スベキ旨ヲ仄カシ以テ交渉ヲ有利ナラシム
一、對支
  出來得ル限リ消耗ヲ避ケ以テ長期世界戰ニ對處スヘキ帝國綜合戰力ノ確保及將來兵力減少ノ場合等ヲ念頭ニ置キ左ノ通リ措置スルモノトス
1.在支米英武力ヲ一掃ス
2.在支敵性租界(北京公使館區域ヲ含ム)及敵性重要權益(海關、鑛山等)ヲ我實權下ニ把握ス但シ我國ノ人的竝ニ物的負擔ヲ成ルヘク輕カラシムル樣留意スルモノトス
 (註)共同租界及北京公使館區域ハ敵性武力ヲ一掃シテ我實權下ニ收ムルモ友好國權益オモ混入スルヲ以テ接收等ノ形式ヲ(ト欠カ)ラサルモノトス
3.前諸項ノ發動ハ我企圖ヲ暴露セサル爲我對米英開戰後トス
4.重慶ニ對スル交戰權ノ發動ハ特ニ宣言等ノ形式ヲ以テスルコトナク對米英開戰ヲ以事實上其實效ヲ收ムルモノトス
5.在支敵國系權益中國民政府ニ關係アルモノモ必要ニ應シ差當リ我方實權下ニ把握スルモノトシ之カ調整ハ別ニ措置ス
6.占領地内ニ於ケル支那側要人ノ活動ヲ出來得ル限リ誘導促進シ日支協力ノ下ニ民心ノ把握ニ力メ以テ可能ナル地域ヨリ漸次局部和平ヲ實現セシム
7.對支經濟關係ニ於テハ物資獲得ニ重點ヲ置キ之カ爲現行諸制限ニ合理的調整ヲ加フルモノトス
なお、(編注 本書第7文書付記とある。これは、昭和十六年十二月九日付、在ソ連邦建川美次大使より東郷外務大臣宛の電報「ソ連外務人民委員代理へ対米英開戦に付き通告及び中立条約遵守方確認について」だが、省略する)

※平和憲法を守る闘いに寄与するため、2014年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―
(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)

「アベノミクス」のみを前面に打ち出していた今回の衆院選で国民の信任を得たとして、安倍首相は、早くも憲法改悪を「自民党結党以来の目標」「歴史的チャレンジ」として強調し始めました。
彼らの論拠は、「押し付け憲法」論です。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』は、実証的反論です。
是非とも本書を活用していただきたい。
ご注文は、下記の書店へ
美和書店 電 話03-3402-4146
FAX 03-3402-4147

以上は、【再録】部分です。
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※平和憲法を守る闘いに寄与するため、昨年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―

(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
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闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
ご注文は、下記の書店へ
美和書店 電 話03-3402-4146  FAX 03-3402-4147


by kenpou-dayori | 2015-05-06 11:18 | 続3・憲法千話・公布記念行事


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