2015年5月6日
岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より
憲法便り#941:『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷ではNo.41: 香川篇』
【四国新聞】公布記念(十一月三日付二面より)
「新憲法公布を祝し 多彩な記念行事 希望に光る讃岐路」 各官署、学校では午前九時から明治節の式典に引続き新憲法公布式典が行われ、終って祝賀式が盛大に催される。
▲また、栗林公園商工奨励館では国民学校、中等学校の図画その他の工芸品百五十点が一般美術界の出品に混じって展覧され、即売に応じる、
▲他方、県内の映画館では幕間を利用して案内ガールの美声で新憲法の精神や県民の心構えを放送する。また館内には標語入りのビラを貼り、観客に新憲法の趣旨を徹底する。
▲この日朝七時十五分からラジオを通じて塚原知事が「新憲法公布と県民の心構え」と通じて放送。
▲また、各市町村単位で催し物として、国民学校の運動会、児童の成績品展覧会などが展開され、夜は各青年団の芸能大会に打ち興じ、各隣組では一斉常会を開き老人たちに新憲法の精神を周知させる。
▲また地域によっては旗行列や仮装行列、提燈行列など各種の催しがある。
▲識者階級のためには記念講演会が三豊高女校、善通寺町中央国民学校、坂出市鎌田社会館、津田町大川高女でそれぞれ午後二時から「新憲法公布と県民の心構え」と題して、香川師範、経済専門学校、大川高女等の教師や高松裁判所判事らによって催される。△愛酒家のためには、一人二合の清酒が各家庭に特配される。
[高松市]
市役所では三日午前十時から市職員、市会議員、警防分団長、引揚同胞会、戦災者同盟、遺族厚生会代表ら出席して祝賀式を挙行、続いて祝賀会を開催。
▲職員組合は正午ごろから栗林公園で記念運動会を催す。
▲連合町内会では臨時常会を開き、区内国民学校長から講話を聴く。
▲各町内会では会長から新憲法の要旨の説明を聴き、三日は各戸に国旗を掲揚し、それぞれの町内会で独自の祝賀行事を五日までに行う。
[高松海運監理部]
午前九時から黒木島で慰安祝賀会を開く。
[高松地方専売局]
午前八時から高松一中グランドで記念式を行い、引き続き管内体育大会を催す。種目は野球、庭球、排球、卓球、相撲など。
[高松市女]
「あす高松市女で音楽会」新憲法公布の記念行事として、四日午後一時から高松一中雨天体操場で音楽会を催すが、一般の来聴を歓迎している。
[四鉄局]
四鉄局では、三日午前十時半から四の丸鉄道寮で全国中継放送のラジオにより記念式典の祝賀会を催し、引続き“四鉄吹奏楽団”を聴く会を催す。
[大川郡造田青年団]
午後一時から造田国民校で文化講演会を開き、「新しき日本の道」と題して竹田敏彦氏が講演する。
[煙草の特配]
高松地方専売局では、三日の新憲法公布記念の特配用煙草を成年男子十本、女子五本の割で四国四県に十日から二十日の間に配給する。
(注・男女同権の新憲法を祝いながらも、特配に男女間格差がある)
(四日付二面より)
「和やかに君が代斉唱」
[県庁]
十時から三階会議室で明治節祭典に引続き新憲法祝賀会(約百名)」
昭和21年11月3日付『四国新聞』二面
(画像の典拠は、香川県立図書館所蔵マイクロ資料より)
【研究メモ】5月7日に加筆予定
*次回は、愛媛篇。
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