2015年5月7日(木)(憲法千話)
2015年5月8日(金)加筆訂正版:未完成の原稿がアップされてしまいましたので、当初予定した完成版を掲載します。
憲法便り#949:『日本国憲法公布、その日、あなたの故郷ではNo.49: 宮崎篇』
以下の記事は、大まかすぎるので、『心踊る平和憲法誕生の時代』、および同書の改題・補訂第二版『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』の第四部には含めませんでしたが、ここで、各都市の中で、該当する部分を紹介しておきます。
【西日本新聞】公布記念(十一月三日付三面より)
「花電車や仮装行列 絢爛 西日本に展く慶祝プロ」
「歓喜沸く新しき出発」
「平和日本のかどで、民主憲法公布のきょう三日ー西日本各地はいま新しき”くにのあゆみ”に寄する慶祝と歓喜にはち切れそうだ。この日各県各地とも奉祝式典のあとをうけ、それぞれ秘策の慶祝プロにうつり、忍従と屈辱の歴史をかなぐりすてる。
花電車や花トラックが飛び出し、仮装行列が歓喜の街々(まちまち)をねり歩き、きょう西日本の秋空はうちあげられる慶祝の花火にこだまし続けて、久方振りにみる灯の波、旗の波の復活だ。いま各地から洩れきこえる興奮の慶祝プロを綴っておくる。
(以下、[福岡] [佐賀] [大分] [熊本] [長崎] [鹿児島]と各県の行事予定が簡単に紹介されていますが、、「宮崎」については、報道がありませんでした。)
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以下は、
岩田行雄編著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』第四部より
【日向日日新聞】公布記念(十一月四日付三面より)
「憲法を祝福して」
[宮崎県庁]
宮崎県庁では三日午前九時から安中知事以下庁員多数が出席し憲法公布記念式典を行った。
[宮崎市役所]
一方、
宮崎市役所でも同時刻市長代理森助役ほか百五十名が集まり、式典を行った。また市内各学校も、それぞれ新憲法公布式を行い、この日を意義あらしめた。一方、市内は二日の舞踊コンクールに続いて同大会の参加メンバー(一行分不明)ポケット新聞社主催の仮装行列には、宮田町の一組九名が出場して人気を集めた。なお、宮崎マーケット階上の復興住宅展覧会には、前日に引続き参観者は多く、そのほか野球大会、競技大会など晴天に恵まれ、意義深い新憲法公布記念日は賑わった。
[都城市]
市役所では、午前十時から市公会堂で市長代理瀬戸山助役、山下市会議長ほか(一行分不明)挙行。市長代理瀬戸山助役の式辞、山下市会議長の祝辞あり、同十一時閉式した。また、警察署でも宮地署長以下全員出席の下に、祝賀式を挙行。宮地署長より新憲法に対する講話を行った。なお、明道、今町、五十市、祝吉の各国民学校ではこの日を祝し、盛大なる運動会を催した。
[延岡市]
「二千の仮装隊」延岡市では、憲法公布を祝う仮装行列(一行分不明)賑わいを呈した。旭化成ベンベルグ工場約二千名の仮装行列は正午に工場を出発、女工さんの曳く屋台を先頭に京人形の憲法公布人生展覧会を繰り出し、続いて『新憲法は平和の基礎』『新憲法は楽土の地固め』などと書いた憲法御輿を担いで市内を練りまわり、折から開催中のレーヨン部運動会場に入り込んで踊りに踊り勤労者の喜びと感激を爆発させた。また、延岡署主催の接客業者千二百名(一行分不明)午前九時半から延岡国民校で開かれ、ものすごい賑わいであった。
[富島町]
富島町役場では、三日午前八時から新憲法公布記念式を挙行したが、富農校で開催の富島署主催輸送業体育会は、あたかも記念式日であり、一層盛大に挙行された。
[日向日日新聞社の祝賀式]新憲法公布を祝って、本社では三日正午松下社長外全社員が一堂に会して、祝賀式を挙行した。
【施行記念 】(『日向日日新聞』昭和二十二年五月四日二面より)
三日午前八時半から県グランドで県民大会、憲法普及会県支部主催新憲法普及の論文、小説、歌詞、標語、ポスター諸作品入選者への賞品授与式、新憲法記念歌発表会並びに歌唱指導、一日から開かれた憲法施行記念体育大会三日目は午前九時から県グランドで、市内各学校生徒による集団体操、宮師女子部のダンス、宮師男子の器械体操、宮崎OB対宮農専の模範ラグビー戦、陸上競技、
[佐土原]
九時から南(?)小学校で記念式、町主催の合同運動会。」
*次回は、鹿児島篇。
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以下は、【再録】の記事です。
2013年5月21日
憲法便り#16 憲法公布記念シリーズ(第7回)「当時の宮崎県では」
「歴史的新憲法公布」
今日は、『日向日日新聞』から、ふたつの紙面を紹介します。
ひとつは、昭和21年11月4日付一面の下段に掲載された祝賀広告。
企業五社による大見出しは、
「歴史的新憲法公布 民主日本再建」
昭和21年11月4日付『宮崎日日新聞』一面
(画像の典拠は、国立国会図書館所蔵マイクロ資料:請求記号YB-1791)
もうひとつは、11月4日付三面の下段に掲載された広告です。
「宮崎市復興祭」に続けて、「民主日本建設」の言葉。
二つの広告をあわせると、「新憲法公布」「民主日本再建」、「民主日本建設」と、この時代を象徴する言葉が並んでいます。
同じようなことは、『長崎新聞』や『佐賀新聞』など、他の新聞でも見かけます。
敗戦後の復興は、単なる経済的な復興ではなく、民主主義を基盤とする復興こそが、国民の思いでした。
昭和21年11月4日付『宮崎日日新聞』三面
(画像の典拠は、国立国会図書館所蔵マイクロ資料:請求記号YB-1791)
宮崎には、2004年10月23日に開催される、「宮崎革新懇・県労連・県学習協」共催の講演に招かれて、初めて訪問しました。
前日の昼前に宮崎空港に到着すると、講演会責任者の黒木利忠さんが出迎えて下さいました。
昼食を御馳走になったあとは、彼の愛車で宮崎の観光名所巡りです。
青島、
長く続く日南海岸、
途中の絶景ポイントでの写真撮影、
飫肥城めぐり。
陽が西に傾き始めたころ、黒木さんが「岩田さんは、寅さんの映画、お好きですか」と、私に問いかけました。
私が「大好きです」と答えると、彼は、宮崎への帰り道とは反対方向に、さらに南へと向かいました。
着いた所は、堀川という町。堀川運河が流れています。
ここで、『男はつらいよシリーズ』の第45作「寅次郎の青春」が撮影されました。
マドンナ役は、風吹ジュン。彼女が演じる女性が、小さな床屋を営んでいた町です。
私は『男はつらいよシリーズ』の全作品を見ていますが、第45作を見てすぐに思ったのは、「私がこの町を訪れることは、一生、ないだろうな」ということでした。
その町に連れて行ってもらったのですから、本当に感激でした。夕暮れが迫る町の風景は、あの作品の印象とぴったり重なるもので、こうして書いている今も、鮮やかに蘇ります。
翌日、「婦人会館」で行われた講演会は大成功でした。事前に宣伝カーを市内に走らせ、市民の皆さんへのお知らせもしていて下さったと伺いました。」
以上は、【再録】の記事です。
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※平和憲法を守る闘いに寄与するため、昨年5月に下記の新著を緊急出版しました。
『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』
―押し付け憲法論への、戦後の61紙等に基づく実証的反論―
(これは『心踊る平和憲法誕生の時代』の改題・補訂第二版です)
闘いは、まだこれからも続きます。「押し付け憲法」論、自主憲法制定論に対する闘いに、是非とも本書を活用していただきたい。
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