岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2015年 05月 08日

憲法便り#958:吉田茂首相特集(第二回) 「戦争放棄に関する答弁」(その2)原夫次郎議員へ

2015年5月8日(金)(憲法千話)

吉田茂首相特集(第二回) 「戦争放棄に関する答弁」(その2)原夫次郎議員へ

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以下は、【再録】の記事です。

2013年7月9日
憲法便り#106 吉田茂首相特集(第二回) 「戦争放棄に関する答弁」(その2)原夫次郎議員へ

第90回帝国議会衆議院本会議 昭和21年6月26日(水)の質疑より

日本進歩党の原夫次郎議員の質問は何点かについての長いものですが、その中から戦争放棄及び自衛権についての質問に対する吉田茂首相の答弁を紹介します。
なお、この答弁に関しては『心踊る平和憲法誕生の時代』の「結びにかえて」に収録してありますが、誤字・脱字がありましたので、訂正個所を赤字で示しました。

原夫次郎議員(日本進歩党)の質問の要点
「自衛権まで放棄しなければならないのか」


吉田総理大臣 次に、自衛権に付てのお尋ねであります。戦争放棄に関する本案の規定は、直接には自衛権を否定してはおりませぬが、第九条第二項に於て、一切の軍備と国の交戦権を認めない結果、自衛権の発動としての戦争も、又交戦権も放棄したものであります。
従来、近年の戦争は、多く自衛権の名において戦われたのであります。満州事変然り、大東亜戦争亦然りであります。今日我が国に対する疑惑は、日本は好戦国である、何時再軍備をなして、復讐戦をして世界の平和を脅かさないとも分からないということが日本に対する大なる疑惑であり、又誤解であります。
先ず、此の誤解を正すことが、今日我々としてなすべき第一のことであると思うのであります。又この疑惑誤解であるとは申しながら、全然根柢のない疑惑とも言われない節が、既往の歴史を考えて見ますると、多々あるのであります。故に我国に於ては如何なる名義を以てしても、交戦権はまず第一自ら進んで放棄する。放棄することによって全世界の平和の確立の基礎をなす、全世界の平和愛好国の先頭に立って、世界の平和確立に貢献する決意を、先ず此の憲法において表明したいと思うのであります(拍手)。これに依って我が国に対する正当なる諒解を進むべきものであると考えるのであります。
平和国際団体が確立せられた場合に、若し侵略戦争を始むる者、侵略の意思を以て日本を侵す者があれば、これは平和に対する冒犯者であります。全世界の敵であると言うべきであります。世界の平和愛好国は相倚り、相携えて、此の冒犯者、此の敵を克服すべきものであるのであります(拍手)。茲に平和に対する国際的義務が、平和愛好国若しくは国際団体の間に自然(「に」をとる)生ずるものと考えます(拍手)。

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(官報号外 昭和21年6月27日)

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by kenpou-dayori | 2015-05-08 20:55 | 吉田茂


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