2015年6月1日(月)(憲法千話)
憲法便り#1022:第七章『 「抛棄」は、「放棄」と直すのでは』 (秘密会による修正案討議⑤)(p.110ー111)
前回まで
憲法便り#1021:第七章『 「抛棄」は、「放棄」と直すのでは』 (秘密会による修正案討議④)(p.110)
憲法便り#1020:第七章 「戦争の放棄か」、「戦争の否認か」(秘密会による修正案討議③)(p.108-110)
憲法便り#1019:第七章 「国権の発動」か「主権の発動」か (秘密会による修正案討議②)(p.107ー108)
憲法便り#1018 第七章 「小委員会の設置」: 憲法改正案委員小委員会での論議 (秘密会による修正案討議①)
第七章 憲法改正案委員小委員会での論議 (秘密会による、修正案討議)(p.106-137)
(
岩田注・この議事録は、50年間公開されなかった。私たちは幸いにして、現在、議事録を目にしているが、安倍政権が施行した秘密保護法は、最長60年とし、また、保存を義務化してはいない。したがって、このような検証も不可能となる。2015年5月31日)
憲法改正案第二章第九条の修正に関する論議は、第三囘、第四囘、第五回、第七回小委員会において集中的に行われた。【第三回小委員会】七月二十七日(土曜日)
午前十時三十九分開議、午後四時十七分散会
出席委員一四名(全員)、政府委員一名「仮名では、子供が掃き掃除の「箒」と間違える」芦田委員長 仮名で書いては、子供は掃き掃除の「箒(ほうき)」と間違える。
犬養委員 漢字制限でこういう漢字はいけないということは、誰が決めたか知らないが……
鈴木委員 「抛棄」ということは棄てたくない。
林 委員 「否認」というようりも、「抛棄」という方がぴったりするように思う。戦争をするという、そういう手段を執らない、永久に棄てるのだということであり、戦争権を我々は棄ててしまったのだということだから、どうも「否認」と「抛棄」とは似て非なるものがある、距離があると思う。だからやはり「抛棄」という文字がいけないのなら別に考えて、「ホウキ」と仮名で書くというのではなく、「抛」の字に意味があるから、「ホウ棄」と書いてもやはりこの字を生かすことでしょうね。
憲法便り#103 「永遠の国是として、戦争の抛棄を宣言す」へと続く。