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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2015年 06月 25日

#896 「そこをどけ、われわれは人民の代表だぞ!」「てめえたちこそどけ、おれたちが人民だぞ!」

2015年6月25日(木)(憲法千話)

#896 「そこをどけ、われわれは人民の代表だぞ!」「てめえたちこそどけ、おれたちが人民だぞ!」(写真追加版)

標題に掲げた言葉は、2004年6月30日付で自費出版した『検証・憲法第九女王の誕生』(初版、5000部)
の「あとがき」に収めた文章の一部分である。

以下に、アメリカ人民の民主主義の良き伝統をを体現した、名文を紹介する。

「 英文の憲法草案の書き出しWe, the Japanese people という言葉を見て、私は早稲田大学の学生時代に曽根史郎先生の「米国史」を受講した時のことを思い出した。学年末試験が迫ったが、一年間の出席回数が二回だけと極めて少なかった私は、レオ・ヒューバーマン著(小林良正・雪山慶正訳)『アメリカ人民の歴史(上・下二巻)」』岩波新書)を読んで試験に臨んだ。

同書は、初めは少年少女たちのために書かれたもので、一九三二年に初版が出版されているが、その後大人向きに書き足された。原題は《We, the people》である。
#896 「そこをどけ、われわれは人民の代表だぞ!」「てめえたちこそどけ、おれたちが人民だぞ!」_c0295254_20235680.jpg






























一九五三年に書かれた日本語版への序文によれば、著者のレオ・ヒューバーマンは、一九三二年当時はまだ二九歳で、小学校の先生をしており、生徒たちに教える全教科のなかでも特に歴史に興味を持っていた。彼は歴史の主題は、ありきたりのアメリカの歴史、つまり日付や戦争や英雄のことを教えるのではなく、見通しを与え、現在の問題を理解する際に役立つ分析の道具を与えるようなものでなくてはならないと考えていた。

したがって、彼の歴史の授業では、何が起こったかということについてはほとんど時間をかけず、なぜそれが起ったかという問題に大部分の時間を費やしたと述べている。これは、イラク戦争についても当てはまる。

この序文の中で、いまから一五〇年ほど前の、強烈な印象を与える逸話が紹介されている。「ある西部の満員の集会で数人の役人が、人ごみを押し分けて演壇に近づこうとしていた。彼らは「そこをどけ、われわれは人民の代表だぞ!」と怒鳴った。ところが、間髪をいれず群集の中から答があった。いわく、「てめえたちこそどけ、おれたちが人民だぞ!」

《We, the people》を書いたのは、この話の中で語られている精神が、彼の心を躍らせたからだと言う。
平気な顔で嘘をつき続ける小泉首相、人を小ばかにした福田前官房長官の物言い、閣僚の不見識な発言、自民党、公明幹部の不遜な態度を見ていると、彼らに向かって「嘘を言うな!」「憲法違反の自衛隊派兵をやめろ!」「国民をなめるな!」と大声で怒鳴りたくなる衝動にかられる。」

この文章の「小泉首相」を「安倍首相」に、「福田前官房長官」を「菅官房長官」に入れ替えると、
見事に現状に当てはまる。

日本の政治状況は、構造的には、私がこの文章を書いた2004年6月の時点と、何も変わっていない。
いや、それよりも、超右翼少年のような幼児性そのままの、安倍首相により、極度に悪化している。

いま、我々が「何をなすべきか?」

それは、党派をこえた「国民的共同」を大きく広げ、安倍首相とその追随者たちを追い詰め、
戦争法案を廃案にし、安倍首相を退陣に追い込むことだ。

レッドカード、レッドカード、安倍政権。


by kenpou-dayori | 2015-06-25 09:23 | 名著・名文・名言紹介


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