2015年10月23日(金)(憲法千話)
憲法便り#1452:他人事ではない! 私が体験した三井不動産のマンションのこと。
いま、連日ニュースとして取り上げられている手抜き工事の問題は、他人事ではない。
社長が出てきて、泣けば済むという問題ではない。
泣きたいのは、被害者の方だ。
私自身、その被害者となっていたかも知れない。
私は、住まい探しのため、知り合いの不動産会社の社長に相談したことがあった。
その時、この社長から言われたのは、次の言葉であった。
「岩田さん、マンションならば、30件ほど見れば、どの会社が建てたものが良いか、判りますよ!」
私は、その言葉にしたがって、たくさんの「物件」を見て回った。
そして、その数が20件を超えたころには、一つの結論、確信を持ち始めていた。
「三井不動産のマンションが一番良い!」
これは、勿論、外見、間取り、立地などを総合しての判断であったが、私は具体的に購入を検討した。
購入しなかったのは、価格の問題であった。高いのである。
ある時、小田急線沿線に建築予定のマンションの折り込み広告が入っていたが、価格が表示されていないので、電話をかけた。
電話に出た女性(声の感じでは40代後半)に、私が希望する間取り伝えると、
「一億にちょいと欠けます」という返事であった。
私は、「一億にちょいと欠けますということだが、具体的な価格を聞きたい」と言った。
相手は、「9,600万円です」と答えた。
それを聞いて、私は言った。
「あなたは、先ほど、400万円を、ちょいとと言ったが、その感覚では、相当たくさんの給料を貰っているんでしょうな」
すると、相手は、申し訳なさそうな声で、「すみません」と言った。
私は、高すぎるので購入を見送った。
今回の問題は、日本の代表的な企業による、日本全国に広がっており、真相の徹底的な究明と、
被害者の対する納得のいく保障が求められる。
日本はいま、どうかしている。
いや、どうかしているどころか、崩れかかっている。