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岩田行雄の憲法便り・日刊憲法新聞

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2015年 12月 31日

憲法便り#1510:絶賛に値する、嬉野京子著『戦場の見える島ー50年間の取材から』(2015年刊)

2015年12月31日(木)(憲法千話)

憲法便り#1510:絶賛に値する、嬉野京子著『戦場の見える島ー50年間の取材から』(2015年刊)

沖縄をなぜ取材することになったのか、なぜ続けてきたのか、著者の報道写真家としての50年間にわたる記述は、読む者を圧倒する。
写真が多く、判りやすく、読みやすい真実の書である。

沖縄に興味ある方には勿論のこと、興味ない方にも、是非とも薦めたい一冊である。

たまたま、12月29日午後六時に購入し、翌日の午前十時半には一気に読み終えた。

裏表紙に使われた写真は、著者が米軍の軍政下にあった沖縄に「潜入」していた1965年4月20日に、沖縄県祖国復帰協議会が主催した初めての統一した行進に参加していた時に遭遇した、米軍車両による6歳の少女Nちゃん轢殺の痛ましい交通事故現場の写真である。
米軍が1965年2月7日に北ベトナムへの「北爆」を開始した直後の沖縄は「騒然とし始めていた」と言う。
私は、この写真を何回も目にしているので、今でもよく憶えている。

この写真を撮るのは、命懸けのことであった。米兵に見つかれば、命の保証はない。
シャッターを切るまで、そしてその後の息詰まる状況は、ぜひ本書を読んでいただきた。

この本を買った際のいきさつと、著者との遭遇について記しておきたい。
12月29日(火)夕方に、拙著『世論と新聞報道が平和憲法を誕生させた!』を店頭で販売して下さっている代々木の美和書店に、精算と本を届けるために伺った時のこと。

私が精算の事務作業を終わりかけた頃、一人の女性が、嬉野京子著『戦場の見える島ー50年間の取材から』を10冊ほど抱えて、書店の事務机を借りて、何か作業を始めた。

私は、「そんなにたくさん購入なさるのですか?」と声をかけると、
彼女が答える前に、店の方が
「この本の著者ですよ!いま、サインをして頂いているのです」と答えた。

私は、「あの有名な嬉野京子さんですか、一冊いただきます」といった。こその時私は、彼女のことを、読売新聞社のベルリン総局長だった嬉野満洲雄氏の娘さんだと思っていた。

私は、かつて、ムソリーニの時代に読売新聞社イタリア特派員だった山崎功氏の『わが回想ーイタリアとの六十年』の刊行に携わっており、その中で、嬉野満洲雄の名前が何回も出てきていたからである。

ところが、意外なことに、彼女は「ジャーナリストの嬉野満洲雄さんの娘ではありません」、
そして、「あの娘さんと、全くの同姓同名なのです」と言った。

彼女の話では、16年前に講演を行った際に、嬉野満洲雄さんの娘ではないこと、同姓同名の別人であることを「仁義を切っておいた」ところ、その講演会に娘さんがお見えになっていて、講演終了後にご本人からのご挨拶を受け、それ以来お付き合いが続いているとのこと。

他にも伺ったことはあるが、それは、著者ご自身がお話になること、お書きになることを待ちたいと思う。
一月二日には、沖縄の宜野湾市長選挙の応援のために、沖縄にお出かけになる予定と聞いた。
この行動力には、私など足元にも及ばない。

本を読み終わったことを、事務所および携帯電話に連絡をしておいたところ、お電話をくださった。

彼女は、1940年東京の生まれなので、私より二つ姉(あね)さんである。
お体に気を付けて、一層のご活躍をなさることを願っている。


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by kenpou-dayori | 2015-12-31 20:23 | 沖縄


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